エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|51「イマジン」 2023年9月1日 blancamarron 新料理物語 一九八九年は僕にとっては特別な年となった。その年、大学時代の親友、Yが他界した。 大学時代は正月も東京で練習していたこともあった。実家に帰らず練習なんかしている生徒はめったに …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|50「イスタンブール 2 」 2023年8月1日 blancamarron 新料理物語 「クルド人!」。新聞やニュースなどでは聞いたことがあるが、会ったのは初めてだ。一定の領域で居住しながら独自の国家を持たない民族はクル …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|49「イスタンブール 1 」 2023年7月28日 blancamarron 新料理物語 香ばしい焼きたてのケバブロールを開き、真っ赤なホットペッパーをかける。どんなに材料が良くても、料理法を熟知する者の料理にはかなわない …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|48「ブダペストのホテル」 2023年7月7日 blancamarron 新料理物語 仕事道具と生活用品を二つのスーツケースに詰め、知らない土地を渡り歩く。仕事柄そういう生活が日常的になった。どこにいても、それらを広げ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|47「モーツァルト」 2023年6月30日 blancamarron 新料理物語 今年はモーツァルトの作品が各地で演奏されている。モーツァルト生誕二百五十年記念というわけだ。 モーツァルトが生まれた前年、ポルトガルの首都リスボンで大地震が起 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|46「ミハイ」 2023年6月9日 blancamarron 新料理物語 首席トランペット奏者が今度の定期演奏会を休むという。代役の奏者が来て吹くことにはなっているが、トランペットが活躍する曲が多いので、どんな奏者が来るのか心配だ。 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|45「聴衆の反応」 2023年5月26日 blancamarron 新料理物語 日本も含め、いろんな国で演奏していると、各国の拍手の仕方の違いを感じる。日本のお客さんは大変紳士的だ。しかし、どのような演奏の場合でもあまり拍手の感じは変わらない。手をたた …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|44「旅する音楽家」 2023年5月5日 blancamarron 新料理物語 今年もまた音楽家らしい正月を迎えてしまった。 大みそか、夜十時にルーマニアの文化宮殿に到着。ここは僕の住んでいる所でオーケストラの本拠地だ。東京の自宅を出たのが日本時間三十日 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|43「星の児」 2023年2月28日 blancamarron 新料理物語 煌々(こうこう)たり。星が輝いている。摩天楼のようなホテルの五十四階の部屋からの眺めは、地上の喧噪(けんそう)がうそであるかのように、星も、街の灯も、静かさをもって自分の心を癒やし …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|42「バルセロナ」 2023年2月9日 blancamarron 新料理物語 海風がさわやかに吹き、太陽が力づよくこたえる。それがバルセロナだ。この街で演奏旅行はクライマックスを迎えた。 昨年に続き、今年もトゥルグ・ムレシュ交響楽団とのスペイン …