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真鯛の話題|日本のお祝いといえばこの魚!

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みなさん鯛はお好きですか。僕は好きでよく食べます。刺身はもちろんのこと、鯛のアラが手に入ったらアラ炊きにもしますし、切り身をアクアパッツァにもします。アクアパッツァの作り方はリンク先をご覧ください。刺身の話題はリンク先にも書いています。

真鯛は

顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目タイ科マダイ亜科マダイ属

長いですね。

お祝いの時に「めでたい」お魚として日本では代表的なものですね。

日本では、鯛は約5000年前の縄文遺跡から骨が発見され、そのころにはすでに食べられていたと考えられています。そして「古事記」の中の「赤海鰤魚」(あかうみさちうお)という魚が鯛と考えられることからも、昔から食べられていたことがうかがえます。古くから日本では馴染みのある魚ですね。

なぜ日本では縁起物や高級魚として扱われるようになったのでしょうか(実は外国ではそんなに珍重されない)?
それは、鯛の赤い体の色が、昔から邪気を払うとされたからとか、寿命が30年から40年と長寿を象徴するもの、味が良い、などの理由があるようです。

とにかくおめでたい時に登場するのが「真鯛」なのです。

七福神信仰

七福神とは、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の七つの神様の総称です。「七難即滅、七福即生」の説に基づくように、七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われています。七福神の信仰は、室町時代の末期のころより生じ、当時の庶民性に合致して民間信仰の最も完全な形となって育てられてきました。特に農民、漁民の信仰として成長し、現代に今も生き続けています。

その中でも、一番日本人に親しまれているのが恵比寿様。左手に鯛をかかえ右手に釣竿を持った姿は馴染み深いですね。「大漁追福」や「商売繁盛」をもたらす神様で漁業や商業の神様だそうです。漁業関係者でも「恵比寿丸」という名前をつけている船がたくさんあります。 僕に釣りを教えてくれた人の1人、鹿児島市の名人「小山さん」は、釣る時に竿を持ってしきりに「えべっさ~ん、えべっさ~ん、お願いしま~す!」と唱えてました。まさか、それが釣りのコツだとは思いませんが、、、。

鯛を抱えている絵を見て、「恵比寿様は鯛を食べるのが大好き」と思う人が多いのですが、はっきり言って違います。鯛を釣るのが大得意なのですが、その訳は、私たちへのご褒美として釣っているのだそうです。一説には食べるのは「えび」が好きなんだとか。智恵を働かせ頑張って働いた人への恵比寿様からのご褒美が鯛なんです。

万葉集には

鯛の入った歌が二つあります。その一つに、、、

醤酢(ひしほす)に蒜搗(ひるつ)き合(あ)てて願ふわれにな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)

長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)

この歌の意味などリンク先にあります。ご覧ください。

優勝力士

優勝力士が持つのも大きい真鯛ですね。時に10キロを超える優勝力士の真鯛は天然鯛です。めったにあがらない巨大な鯛ですね。しかし、、、値段はというと、水産関係者は「あんなもの二束三文だ!」と言うのだそうです。(夢が壊れますね)真鯛もあのくらいの大きさだとあまり美味しくないのですね。味でなく、その見た目の華やかさと、なんといっても「めで鯛!」という語呂合わせでしょうね。

ちなみに、あの鯛は力士の自腹、つまり自分で買います(または後援会)。日本相撲協会が力士にプレゼントするものではないのですよ。

結婚式

「株式会社やますえ」さんの公式HPより

やっぱり「めで鯛」から鯛でしょう。そして、紅白の魚体にもめでたさが表れますよね。よくよく調べると、鯛は夫婦で同じ場所で生息する数少ない魚であるようです。そういえば、僕も大きな鯛を釣った後に、その後、夫婦のようにちょっとだけ小さな鯛が隣の友人に釣れたことがあります。結婚式では、真鯛のように末長く仲良く暮らせるように、との思いが込められているのだそうですよ。

和風の披露宴では一度宴卓に「祝い鯛」が乗せられ、手をつけず持ち帰りの引き出物として、帰り際に渡される場合もありますね。僕は70年代小学生の時に熊本であった叔母の結婚式に参加し、うっかりこの「祝い鯛」に箸をつけようとして周りに注意されたことがあります。危うく引き出物で「骨だけ」持って帰るところでした。笑

余談ですが、持って帰った鯛を「こんな固くて冷たい魚、どうやって食べるのだろう」と思っていました。酒蒸し、または鯛飯にでもするのでしょうか。最近では本物の鯛を用意するのが難しいなどの理由から、鯛を型取ったお砂糖やかまぼこなども使われているようです。その他にも鯛の柄が描かれたクッションや鯛の形の石鹸、鯛の形のパイ(焼き菓子)などが使われるなど、様々な「鯛」が登場しているようです。僕の友人は「鯛茶漬け」をもらったと言っていました。

引き出物とは

引き出物とは、平安時代に宴を開いた貴族がその成功を喜んで、宴会を開いた主が庭に馬を「引き出して」宴会に招いたお客様に贈ったことが由来だそうです。

その後、馬の代わりに武具に変化し、近代では、お土産として、かつお節・かまぼこ・砂糖・食器・花瓶など大きくて重いものに価値があるとみなされるようになりました。

現代では、新郎新婦の結婚を祝福して下さる方々へ贈る、感謝の贈り物ですね。

結納の時に雄と雌の鯛を

結納で、雄と雌の鯛を男性側から女性側に送る習慣も昔からありました。

僕は鯛をよく釣りますが、雄?雌?わかりません。これは鯛をたくさん扱う魚屋さんでもかなり判別は困難らしいです。

一番簡単な見分け方は、腹を捌いた時に真子が入っている方がメス、白子が入っている方がオスです。

一つ一つ腹を開けて確認するわけにもいきませんから、大きめのタイと小さめのタイを1匹ずつ用意して、上(向こう側)に大き目のタイ、下(手前側)に小さ目のタイを置くことが多いみたいですよ。 小さい方のタイをメスに見立てるわけです。実際にはタイのメスの方がオスよりも小さいわけではないです。

お食い初め

お食い初めの時に用意する鯛は「祝い鯛」と呼ばれ、お祝いの際には切り身ではなく尾頭付きの鯛を使用します。尾頭付きの鯛は縁起が良く、お食い初めでは長寿の願いも込められています。昔から「魚は鯛」と言われる程、日本では味・色・姿の三拍子が揃った魚で、めで「たい」の語呂合わせも重なり、お祝いには欠かせません。

正直屋さんの公式HPより

お食い初めは、「百日祝い」(ももかいわい)の一つですね。日本、中国、韓国の子供が生後100日めを祝うものです。その中で日本のものは「お食い初め」として平安時代から行われているようです。「一生食べるものに困らないように」という意味もあったといいます。

平家物語では

僕の愛してやまない平家物語第4巻「厳島御幸」(いつくしまごこう)にもお食い初めの様子が書かれていました。ここでは、「御真魚始」(おんまなはじめ)と書かれています。

清盛が法皇を幽閉し、天皇を無理やり退位させ、自分の息のかかった安徳天皇を即位させた内容の中で出てきます。赤字は言仁親王、後の安徳天皇の「お食い初め」の様子です。

治承四年正月一日の日、鳥羽殿には、相国も許さず、法皇も恐れさせましましければ、元日元三(がんざん)の間、参入仕(つかまつ)る人もなし。されども、その中に故少納言入道信西(しんぜい)の子息、桜町の中納言成範(しげのり)の卿、その弟左京大夫(だいぶ)修範(ながのり)ばかりぞ、許されては参られける。同じき二十日の日、春宮(とうぐう)御袴着(おんはかまぎ)、並びに御真魚始(おんまなはじめ)とて、めでたき事どもありしかども、法皇は鳥羽殿にて、御耳のよそにぞ聞し召す。

治承四年一月一日の日、鳥羽殿では、(入道)相国も許さず、(後白河)法皇も恐れなさったので、三が日の間、参上して入る人もいない。しかし、その中でも故少納言入道信西の息子・桜町の中納言成範卿と、その弟・左京大夫修範だけは、許されて参上した。同じ月の二十日の日、春宮の御袴着(男児が初めて袴を着る儀式)、ならびに御真魚始(男児が初めて魚を食べる儀式)といって、すばらしいことがあったが、法皇は鳥羽殿で、他人事としてお聞きになる。

ちなみに「お食い初め」の様子は「源平盛衰記」にも描かれています。

鯛の消費量東西分布は、、、

全体的には西高東低ですね。みなさんの住んでらっしゃるところはいかがですか。

都道府県別統計とランキングで見る県民性HPより

関西以西では、鯛は好まれるようですね。僕のイメージとしては関東はマグロのような赤身が好き、関西は鯛などの白身が好きという印象があります。

関西の正月

関西のお正月といえば鯛です。鯛の塩焼きといえば、関西のおせち料理に入っている「祝い鯛(だい)」が代表的なものです。

現在も正月三が日が明けてから初めて箸を付ける「にらみ鯛」というものが関西特有の文化として残っています。元日はおせち料理とならんでもちろん「祝い鯛」が卓の真ん中にど〜んと置かれます。
そして、お正月の3日間はひさすらこの鯛をにらみ続けるのです。なので、「にらみ鯛」。ちなみに、この鯛には一切箸をつけることなくほかの料理だけ食べ続けます。食事のたびにこの鯛は食卓に出され、食べられないまま食事が終わるとまた片付けられを繰り返すそうです。初めて箸をつけるのは正月も4日目になってやっと食べるそうです。

大阪の商家では正月に神の依代(よりしろ/憑依したもの)として雌雄二対を用意する風習もありました。

淡路では

僕は淡路島によく行きますが、道の駅「あわじ 」にとても好きな鯛飯があります。

淡路に行くと必ず寄るところです。

「淡路 鯛めし」は、生たまごと特製タレをかけて食べるスタイル。 たまごを絡めた濃厚な特製タレが、さっぱりとした鯛の切り身を包み、噛めば噛むほどに鯛の旨みが広がる一品です。

未知倶楽部のHPから

沖縄

沖縄ではあまり消費されないみたいですね。

方言名マジク。タイ科。体長1メートルにもなる。体は赤く、美味。沖縄近海では尖閣列島から釣れるのみ。文字通りタイのなかのタイ。沖縄には縁遠い魚だが、最近は養殖網から逃げたマダイ釣りがあちこちで聞かれる。

琉球新報デジタルHPより

鯛にまつわる話は尽きませんね。それでは、別な投稿で「鯛を釣った」話をお伝えします。

あわせて、鯛の兜煮(カブト煮)鯛の潮汁鯛のちり蒸し、などのレシピもご覧ください。

 

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