日本にはさまざまな年中行事がある
日本にはさまざまな年中行事がありますね。その中には何かというと食べ物がついてまわる印象があります。
- 正月の鏡餅や雑煮
- 3月雛祭の雛あられ・ハマグリの吸い物
- 5月菖蒲の節句の粽や柏餅
- 7月土用丑の日のウナギの蒲焼き
蕎麦に関する行事
蕎麦に関する行事は、年越し蕎麦だけではありません。以下のようなものがあります。
- 節分蕎麦
- 雛蕎麦
- 棟上げ蕎麦
- 引越し蕎麦
一番有名なものは年越し蕎麦ですね。
年越しそばは場所によって言い方が違う
東京:みそかそば
京都:つごもりそば
東北地方:運そば(これは九州の一部でも呼ばれているようです)
その他にも、「寿命そば」大晦日の別称から「大年そば」などと呼ばれることもあるようです。
運が開く?
大晦日に蕎麦を食べる理由は、「年越の晩に蕎麦を食えば運が開く」と信じられていたからです。一年の厄を払って翌年も健康で過ごしたいという願いがあったからですね。
晦日蕎麦?
お蕎麦屋さんにとって大晦日は一年のうちの一番の書き入れ時です。ちなみに、昔は毎月の晦日、つまり旧暦の月の最終日に、平日に比べて2倍も蕎麦が売れ、大晦日には4倍以上も売れていたのです。「晦(三十日)」という字は、月の満ち欠けにおいて「月が隠れる」という意味を表しています。月の様子で暦が決まっていた旧暦は、月の光が失われる「新月」を1日、月が隠れる30日を「晦」と呼んでいたのだそうですよ。
年越し蕎麦と運?
年越し蕎麦と運がどうして結びついたのでしょうか。理由は、今一つハッキリしないようです。しかし、現在考えられているところによると以下のものがあります。
- 鎌倉時代に宋から博多にきていた貿易商謝国明(宗人)が750年ほど前、年の瀬も越せない町の人たちに「世直しそば」と称して承天寺でそばがき餅をふるまったところ、翌年からみな運が向いてきたため、大晦日に「運そば」を食べるならわしが生じたという説。
- 室町時代、関東三長者の一人増渕民部が毎年の大晦日に無事息災を祝い、「世の中でめでたいものは蕎麦の種 花咲きみのりみかどおさまる」と唄い、家人ともども、そばがきを食べたのが起こりだと言う三角(みかど)縁起説。古来、三角形は邪気を払う力を持つと信じられているが、そばの実が三稜(みかど)で帝に通じるため、京都御所では葉が葵に似ているところから、そばをアオイと言い、三角はまた夫婦と子どもの関係にもたとえられ、縁起がよいとされてきたということ。
- そば切りは打ち延ばして麺線に切り長く伸びるので、身代が細く長く伸びるようにと形状にちなんだ説。逆にそばは切れやすいから、旧年の労苦や災厄をきれいさっぱりと切り捨ててしまおうと「縁切りそば」「年切りそば」、あるいは一年中の借金をうち切る意味に「借銭切り」(岡山県賀陽町)や「勘定そば」(福島県磐城)と言い、必ず残さずに食べなければならない。
- 金銀細工師が金箔を延ばすとき、そば粉で台面をよくぬぐって、その上で延ばすと伸びがよい。 金粉を寄せるのにそば粉がよいとか、むかし砂金を精製するためそば粉を用いたとかで、「金を伸ばす」、「金を集める」縁起で始まったという説。
色々ありますが、決定的なものはないようです。
以上、年越し蕎麦の話題でした。