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食べ物のことわざ|「砂糖食いの若死」甘いものは危険だ!

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このことわざ「砂糖食いの若死」(さとうぐいのわかじに)は、甘い物を食べ過ぎると、長生きしないという意味です。

\糖質制限したい人は参考になります/

サトウキビの誕生

ポリネシアから現代のパキスタンへ

サトウキビは8000年以上前にポリネシアで誕生し、そこからインドに広まりました。

紀元前510年、ペルシャ王ダレイオス1世が現在のパキスタンに侵攻しました。彼の軍隊は、西半球で初めてサトウキビを目にしたのです。彼はサトウキビを「ミツバチがいなくても蜜が出る葦」と表現したと言われています。

砂糖製造の発祥地「インド」

その後、紀元前327年にインドに遠征したアレクサンダー大王が、ガンジス川流域でさとうきびを発見したのが砂糖製造の発祥です。

最初にさとうきびから砂糖をつくったのがインドだとされているのです。

紀元350年頃、グプタ王朝の時代に、インドの人々は砂糖を結晶化させる方法を考え出したとされています。当初、人々はサトウキビから砂糖を結晶化させる方法を知りませんでした。サトウキビを噛んでその汁を飲んでいたのです。

そういえば僕も

僕は鹿児島で育ちました。小さい頃、サトウキビをたくさん積んだトラックから何本かサトウキビを買って、チューチューとサトウキビを吸っていました。そんなものがオヤツの一つだったのですよ。

ほのかに甘い味を覚えています。そのことを、鹿児島に行った時に妻に話しました。妻と二人で歩いていると、ちょうど鹿児島中央駅の近くでサトウキビを売っている店を発見。その店のおばさんに妻が「このサトウキビ美味しいですか?」と聞くと、、、、

「いや〜そうでもないですよ」という答え(笑)。現代の甘いものに比べたら甘味は少ないし、正直に答えたのでしょう。

Sugar の語源

英語の「Sugar」は、インドで使われていた古代語、サンスクリット語でさとうきびを意味す「Sarkara」が語源なのですよ。そして、フランス語の「Sucre」にもなっています。

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アラブ人が砂糖を広める

642年にペルシャ人がインドに侵入したとき、ペルシャ人はサトウキビの栽培方法と、サトウキビから砂糖を作る方法を学びました。その後、アラブ人の領土拡大に伴い、砂糖はエジプト、北アフリカ、スペイン、地中海の一部にもたらされたのです。

その後も砂糖の歴史は続くのですが、またの機会に書きたいと思います。

英語の動画ですが、字幕付きでわかりやすく砂糖の歴史がわかります。

中国では

「Sarkara」語頭を漢字で「蔗(ショ)」と書き、甘味料という意味の「糖」をつけました。そして、中国では「蔗糖」という言葉が生まれました。

漢字の「蔗」には色々な意味があります。

  • サトウキビ イネ科の多年草
  • 「蔗糖(ショトウ)」(糖の1種であり、砂糖の主成分である)
  • 「甘蔗(カンショ/カンシャ)」サトウキビのこと
  • うまい。よい。おもしろい。「蔗境(しゃきょう/談話・文章・景色などが次第におもしろくなってくるところ)」

その後、蔗糖の書き方は変化していきます。

蔗糖 → 沙糖 または 砂糖

日本では

砂糖が中国から日本に伝わったのは、8世紀の奈良時代です。

奈良時代

砂糖伝来の記録は、754年、唐の僧鑑真が日本に渡る際の舶来品の目録に「石蜜、蔗糖、蜂蜜、甘蔗」と記されているのが最初のようです。

鑑真和上坐像

「石蜜」は今でいう氷砂糖か飴のようなもので、「蔗糖」は砂糖、「甘蔗」はサトウキビを示しているようです。ただし、当時の鑑真の航海は失敗に終わり、日本から唐へ渡った遣唐使がお土産に蔗糖を持ち帰ったのが最初という説もあります。

奈良時代、砂糖は薬だった

砂糖は、奈良時代の東大寺正倉院の「種々薬帳」にその名が見られるように、そもそもは中国伝来の貴重な薬種でした。これは大仏へ献上されるような特別高価なもので、庶民が口にすることはありませんでした。

室町時代

室町時代の「七十一番職人歌合」に「さたうまんぢう(砂糖饅頭)」、「庭訓往来」に「砂糖羊羹」の名称があらわれることから、この頃には明との勘合貿易などにより輸入された砂糖が菓子の甘味料として用いられるようになったと思われます。

日明貿易(にちみんぼうえき)は、室町時代日本室町幕府)が朝と行った貿易。特に室町幕府大内氏との朝貢貿易は、倭寇や密貿易と区別し正式な遣明使船である事が確認できるよう勘合(勘合符)を使用したことから勘合貿易(かんごうぼうえき)とも呼ばれる。

ウィキペディアより

15世紀には、和菓子が発達しました。茶の湯が貴族や武士の間で流行したからです。そこで、砂糖が使われますね。

16世紀に南蛮貿易が始まると、長崎の出島を通して、さまざまな西洋文化と共に砂糖が大量にもたらされます。砂糖=菓子の原料という概念を生み出したきっかけは、この頃長崎へと伝わった渡来菓子の存在の影響が大きいと思われます。最近のポルトガル船の積み荷の研究によれば、年間150キロ前後の砂糖が輸入されていたといいます。

旧長崎街道は、別名「シュガーロード」とも呼ばれます。この道は、脇街道でありながら、海外からの名品珍品が多数運ばれたのです。その名品のひとつが「砂糖」でした。

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江戸時代

江戸時代に入ると17世紀から18世紀初期にかけて福建省から琉球・奄美に黒砂糖の製法が伝えられ生産が始まり、これらは薩摩のその地への侵略により薩摩に富をもたらせました。

白砂糖や氷砂糖は、18世紀末の寛政年間に国産白砂糖が上方市場に登場するまで、長崎に来航する唐船(中国本土や東南アジアからの来航船)とオランダ船(東南アジアから来航するオランダ東インド会社の船)による輸入に依存していました。しかし、18世紀になると、江戸幕府8代将軍徳川吉宗により国内産糖の奨励策がとられます。そして、全国各地に製糖業が広まるのです。8代将軍徳川吉宗は、「米将軍」としても有名ですが、砂糖の国産化に対しても係わっていたのですね。

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米将軍:(享保の改革で、米価の変動を防ぎ、その調整にを注いだことから) 徳川第八代将軍吉宗の異称

宮川春汀(1873~1914)「当世風俗通 ひなまつり」菱餅があらわされています。

砂糖が一般庶民に行き渡るようになったのは明治時代なのです。

明治時代以降

明治時代までは和菓子は高価なものであり、偉い人に献上されるため、一般庶民が簡単に食べられるものではありませんでした。

明治時代に入ると砂糖が比較的安くなりました。文明開化の名のもとに、西洋のお菓子や食べ物が日本に取り入れられ多様化が進みます。そして、欧米で西洋菓子の作り方を学んだ人たちによってお菓子を作る技法や材料にも変化が現れました。

出典:農林水産省Webサイト

動画でもどうぞ

砂糖の害、昔は薬だったのに危険?

さて本題の砂糖の代表的な害について書きます。

気分の浮き沈みが激しくなる

誰でも気分は浮き沈みしますね。しかし、砂糖をとると、その浮き沈みが激しくなります。それは砂糖から炭水化物を摂取すると、血糖値が急上昇し、その後急降下してしまうのが原因です。これにより、疲労感と気分の落ち込みを引き起こすことがあるということです。

老化が加速する

これは、この投稿の本題「砂糖食いの若死」に直結する話題ですね。

食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象を糖化といいます。この糖化はたんぱく質や脂質が糖と結びつくことです。血液中に余分な糖分があると、体内のたんぱく質や脂質と結びついて変性させ、老化促進物質であるAGE(糖化最終生成物)を作り出してしまいます。糖化は、発見した人の名前を取ってメイラード反応とも呼ばれます。

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食物の場合の糖化は、メイラード反応のせいでこんがりといい香りがします。しかし、同じことが人間の体内で起きると、とんでもない現象を引き起こしてしまうのです。
糖化によって肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊されると、肌は弾力を失ってしまいます。また、糖化によって生み出された老廃物が皮膚の細胞に沈着すると、シミやくすみとなって肌の透明感が失われます。髪のたんぱく質が糖化すると、髪のハリやツヤがなくなってしまいます。ホットケーキやクッキーの表面でわかるとおり、糖化によって生まれるAGEは褐色で硬いのが特徴ですが、AGEが肌や髪に影響を与えると、年齢よりさらに老けた印象となってしまうのです。これはショックですね!

糖質の一部である砂糖は老化を促進させてしまうのです。

消化に良くない

精製糖の含有量が高い食品は、栄養素や繊維質が少ない傾向があります。これは消化を妨げ、便秘の原因になることもあるのです。

生活習慣病になる

砂糖をはじめ、ブドウ糖の基となる糖分の過剰摂取は、肥満や生活習慣病のリスク原因です。肥満を予防するには、甘いものや主食を食べすぎないようにするのが一番です。

心臓病のリスクがわかった

ハーバード大学医科大学院の研究によると、砂糖の摂りすぎは、心臓血管系疾患の最大の脅威となります。

ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の栄養学教授であるフランク・フー博士は、「砂糖の過剰摂取が肥満や糖尿病に影響することはよく知られていますが、多くの人々が驚くのは、砂糖に対する嗜好がいかに心臓の健康に深刻な影響を与えるかという点です」と述べています。

フランク・フー博士

2014 年にJAMA International Medicineに掲載された研究で、Hu 博士と彼の同僚は、糖分の多い食事と心臓病による死亡リスクの増加との関連性を発見しました。15 年間の研究で、カロリーの 17 ~ 21% を砂糖から摂取した人は、カロリーの 8% を砂糖として摂取した人に比べて、心血管疾患で死亡するリスクが 38% 高かったようです。

「基本的に、添加糖の摂取量が多いほど、心臓病のリスクが高くなります」とフー博士は言います。

砂糖には中毒性がある

Dr.Robert Kiltz の発表よると、砂糖は脳内のアヘン受容体とドーパミン受容体を活性化するそうです。

Dr.Robert Kiltz

皮肉なことに、これらは愛する人や仲の良い友達と一緒にいるときに気分を良くするのと同じ「幸せな」化学物質です。研究によると、甘いものを食べるたびに、中毒に関連する神経経路が強化され、脳がますます糖分を渇望するようになります。これが、砂糖の主な危険性の1つが、他の薬物と同様に不健康な中毒のサイクルを作り出すことである理由です。フランスの研究者は、砂糖を摂取した後に脳が経験する報酬は、コカインの影響よりも「よりやりがいがあり、魅力的」であると判断しました!

動画でもどうぞ

僕は糖質制限を実行しています

以下、全ての人に勧めているものではありません。ご自分の健康状態や、医師と相談して体調を管理してください。

毎年健康診断に行っているのですが、数年前に血糖値が高めだと言われたことがあります。それを機に、食事で糖質制限することにしました。今は、ちょっと緩く糖質制限していますが、それを始めた当初はとにかく最初の期間数値が落ち着くまで厳しく糖質制限しようと思いました。ルーマニアに演奏会のために行っている3ヶ月の間、向こうだとパンさえ食べなければ糖質制限は実行しやすいので、とにかく甘いものとパンは食べないようにしました。

その結果

3ヶ月の間に、8キロ痩せました。帰国し僕を見た妻が第一声「出会った頃の顔に戻ったわね」。そうです、知らないうちにふっくらとしてきていたようです(笑)。

\その時に参考にしていた本です/

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