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食べ物のことわざ|茗荷(ミョウガ)を食えば物忘れする

ミョウガはインドあたりから伝わった

ミョウガは大むかし、インドあたりから渡来したものと考えられています。

今では日本特有の野菜の一つに数えられていますね。僕もよく使いますよ。

山野の湿地に自生する多年生草本(たねんせいそうほん)で、晚春には緑色の若芽を出し、その形がちょっと篠竹のたけのこに似ているところから「みょうがたけ」と呼ばれています。

多年生草本とは、冬季や夏季に枯れることなく、多年にわたって生育する草本(木本に対応する概念で、木にならない植物)です。

高さは約1ートルになります。襄荷(じょうか)は、ミョウガのことです。

日本の農業百科事典より

ミョウガは花穂(かすい/みょうがのこ)を食べる

ミョウガは香りがよく、風味もあるので、香辛料として、水にさらして、刺身のつまや酢の物のケン、料理のあしらいなどに用いますね。ミョウガは夏バテによる食欲不振や胃もたれに良いとされています。

この食用するミョウガはショウガ科のミョウガという植物の開花直前の花穂(花序)の部分です。

真夏のころ、淡紅紫色をした6、7片の苞(ほう・蕾(つぼみ)を包むように葉が変形した部分をかぶって、5、6センチのたけのこに似た蕾を地上に現します。これを「みょうがのこ」と呼び、やがてこの頂に淡黄色の花を開きます。

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花が開いてしまうと、中がうつろになって香味が落ちるので、花の咲かないうちが食べごろなんですよ。

このブログでも、料理のあしらいでミョウガを使っています。

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7、8月ごろ現れるものを「夏みょうが」と言い、9、10月ごろのものを「秋みょうが」と呼びます。

ともにそば汁や土佐じょうゆの薬味、卵とじ、刺身のつま、汁の実にするほか、ぬかみそ漬けなどにして賞味します。

むかしからミョウガを食べると、忘れっぽくなると言われています。真偽のほどは別としても、不眠症にきく民間薬として古くから用いられてきたのです。

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ミョウガに関するエピソード

ミョウガにはいろんなエピソードが伝わっています。その中でも有名なのが周梨槃特(しゅうりはんどく)の話です。

仏教伝導協会のHPより

槃特はお釈迦さまの弟子で、生来、のろまで記憶力も悪く、仏道の修行も進まず、自分の名までも忘れてしまうというふうでした。

ある人が気の毒がり、その名を書いた札を首にかけてやりました。すると、こんどは、その名札をかけたことも忘れてしまうのです。そんな反面、非常に誠実な努力家であったため、晩年には、悟道の域に達したと言われています。

その槃特が死んで、遺骸を葬った墓地から草が生えてきたので、おおかた、名を荷って(になって)きたものであろうと、それからこの草に「茗荷」という名がつけられたという話です。

「茗荷宿」

物忘れと言えば、江戸古典落語に「茗荷宿」という話があります。

新宿末廣亭

東海道の神奈川宿に茗荷屋という代々繁盛した料理屋がありました。当代の亭主は道楽者で、身上を潰してしまいます。そして、仕方なく宿場のはずれに小さな宿屋を出すのですが、商売は下手で客が少ないのです。亭主夫婦は宿をたたんで、江戸に出て一から出直そうと決めたある夜更けに、年配の商人風の旅の男が一晩泊めてくれと入って来ました。

男は商用の百両が入っているという荷物を預け、すぐにぐっすりと寝入ってしまいます。夫婦には妙案が思い浮かびました。宿の裏にごっそり生えている茗荷(みょうが)を刈って客の男に食べさせることです。客に茗荷ばかり食べさせて、預けた荷物のことなど忘れさせてしまおうという算段だったのですね。

「茗荷は物忘れをさせる」ということから思いついたアイデアです。

翌朝、ぐっすり寝て気分よく起きてきた男に、宿の女房は「今日は先祖の命日で、茗荷を食べる慣わしになっています」と、言い伝えます。

そして様々な茗荷を使った料理を客に食べさせたのです。男は「美味い!美味い!」と茗荷をたらふく食べました。そして、満足して預けた荷物も忘れて宿を立って行くのでした。

宿屋夫婦はまんまと計略が成功し、百両が手に入ったと大喜びも束の間、男はすぐに戻ってきます。そして、、、預けた荷物を持って行ってしまいました。

亭主 「何か忘れていった物はないか」、しばらくして女房が気づく。
女房 「あ、あるある」
亭主 「何を」

女房 「あ〜!宿賃の払いを忘れていった!!!」

以上が、「茗荷宿」のあらすじです。

ミョウガの漢字

「茗荷」は当て字です。「茗荷」は正しくは「襄荷」と書かねばならぬものだそうですが、発音は同じみょうがであり、冥加(神仏の加護、おたすけ、おかげ)にも通じるところから「弓矢の冥加(みょうが/神仏から知らず知らずに受ける加護)に叶う」というわけで、武家などの紋所として昔から尊ばれました。

肥前の佐賀35万7000石を領した鍋島家の家紋が抱茗荷だったところから、江戸の川柳子はまた、「茗荷でも馬鹿にはならぬ御家柄」と詠んでいます。

虫のつかないミョウガの葉

ミョウガの葉には、めったに虫がつきません。葉の匂いが虫を寄せつけない作用があるからですね。

また、刻んだミョウガの中では、黴菌(バイキン)が繁殖し得ないようだという人もいます。

いずれにしても、ミョウガは自然に近い状態で香味を味わうのが正しい食べ方と言えます。

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ミョウガの効能

ミョウガには、昔から様々な効能があるといわれています。

  • オコリ(間歇熱の一つ。隔日または毎日一定の時間に発熱する病。多くはマラリアを指す) の大妙薬であり、ミュウガの子は咳の薬である。
  • 口中のただれには、根茎を砕きつぶしてその汁を酒に混ぜて、うがいすると良い。
  • 根を煎服すると腎臓病に効く。
  • 根茎を砕きつぶして汁を眼にさすと、眼の赤くなったり痛んだりするとき、また、小さい雑物が入ったとき、眼を突いたときなどに効く。
  • 凍傷 (しもやけ)には陰干しにした茎葉を五、六枚熱湯に入れ、患部を湿布すると治る。

以上、ミョウガにまつわる話でした。