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トルココーヒーをイスタンブールで飲んだ|本場の淹れ方・現地独特のハプニングや失敗談も

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トルココーヒーとの出会い

トルココーヒーを飲んだことありますか。僕は1993年に初めてルーマニアに来たのですが、その時にものすごく濃いコーヒーがあって驚いたことがありました。今考えたら、トルコ式コーヒー(トルコ以外のトルココーヒーはトルコ式と書きます)だったんですね。その当時は、トルコ式コーヒーと、ネスカフェの2種類あって、なんとネスカフェの方がトルコ式コーヒーより値段が高かったのですよ。トルコ式コーヒーはバルカン半島全域に広まっています。

今回はそのトルココーヒーの本場、イスタンブールに来ました。

トルココーヒーとは

トルコ・コーヒートルコ語:Türk Kahvesi – テュルク・カフヴェスィ 英語:Turkish coffee – ターキッシュ・コーヒー)は、コーヒーの淹れ方の一種。水から煮立てて、上澄みだけを飲む方法である。

2013年ユネスコ無形文化遺産にトルココーヒーの文化と伝統が登録された。

ウィキペディアより

トルココーヒーは、ユネスコの無形文化遺産なんですね。素晴らしい!
世界無形文化遺産に登録された主な理由は、トルココーヒー文化の知識や技術を次世代に引き継いできたこと、豊かな伝統文化を兼ね備えている無形文化財を可視化することができること、コーヒー愛好家にトルココーヒー文化の理解を深められることなどです。

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歴史上、一般民衆へコーヒーが広がった発祥の地は現在のトルコのイスタンブールなんですよ。

アマデオ・プレツィオージ(1816 年 12 月 2 日 – 1882 年 9 月 27 日)によるイスタンブールのカフェ

約450年前、オスマン帝国内のイエメン統治者オズデミル・パシャにより、コーヒー豆が皇帝に献上された。まずイスタンブールのタフタカレ地区でコーヒーが飲まれるようになり、その後ヨーロッパに広まる。現在でもこの伝統的なコーヒーの飲用法は、中東北アフリカバルカン諸国で共通している。

ウィキペディアより

日本へは18世紀末にオランダ人が持ち込み、最初の記録は1804年の大田南畝によります。

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今回僕の立っているイスタンブールからコーヒーは広まったと思うと感無量です。それではそのイスタンブールでトルココーヒーを味わうことにします。

トルココーヒーをグランド・バザールで飲んだ

イスタンブールの代表的な観光地、グランド・バザールの近くに宿をとったので毎日のようにグランド・バザールを散策しました。グランド・バザールはとても広く、30000平方メートルもあるんですよ。東京ドーム約1個分です。正しく巨大市場ですね。そして、お店の数は5000件。貴金属や陶器、タイル、絹製品、絨毯など、様々なトルコ製品が揃っています。レストランやカフェもあるのですよ。

カパルチャルシュトルコ語: Kapalıçarşı)は、トルコイスタンブールにあるバザールである。カパルチャルシュは「屋根付き市場」を意味する。日本では英語での名称である「グランドバザール(Grand Bazaar)」とも呼ばれる(フランス語での名称「グランバザール(Grand Bazar)」とも)

ウィキペディアより

昔のグランド・バザール アマデオ・プレツィオージ(1816 年 12 月 2 日 – 1882 年 9 月 27 日) による画

グランド・バザールの入り口

入ってすぐの場所で撮りました。

グランド・バザールの中のカフェを探しました。素敵なカフェが見つかりましたよ。
グランド・バザールの中を歩くとこういう感じです。

トルココーヒーを飲んだ Cafe Cinili

トルコの伝統的な色彩感ある雰囲気。お店の中では、手作りの小物など売っています。旅の思い出にはぴったしですね。
早速、トルココーヒーを注文しました。トルコ語では「Türk Kahvesi」(テュルク・カフヴェシ)とトルココーヒーを呼ぶんですよ。

トルココーヒーが運ばれてきました。

コーヒーカップ(左)やシュガーケース(後方)もなかなか雰囲気あります。トルコではコーヒーを注文すると水が一緒についてきます。日本みたいですね。ロクム(右)もついてきました。

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コーヒーカップはなかなかトルコ風で旅情をかきたてられます。

シュガーボックスもいいですね。

ロクムがついてきました。嬉しく思いました。これはトルコ版「ゆべし」です。

ロクムトルコ語: lokum)は、砂糖デンプンナッツクルミピスタチオアーモンドヘーゼルナッツココナッツ)を加えて作る、トルコの菓子。マシュリクバルカン半島ギリシャの他、欧米でも知られている。英語ではターキッシュ・ディライトTurkish delight、「トルコの悦び」)と呼ばれる。食感は柔らかく弾力があり、日本のゆべしに似ている。

ウィキペディアより

有名な観光地のせいか、周りは外国人ばかりです。

イスタンブールでは観光客が来るお店の人は様々な言葉を話せます。たくさんの言語に対応するために、アラブ系の言葉を話す人、西洋の言葉を話す人、と従業員で担当(中には日本語)を分けてあるところもあるのですよ。

ここでは、女性の店員がとても流暢な英語で担当してくれました。

お店のインスタグラムもありました。

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トルココーヒーに入れる砂糖の量を聞かれる

トルココーヒーの場合、注文時に砂糖の量を聞かれます。僕は「ちょっとだけ甘くして」といつも注文しています。なぜなら、フィルターコーヒーと違い、トルココーヒーの場合、後から砂糖を飲む直前に入れるのではなく、コーヒーを作る過程で砂糖を入れるからです。(チャイ、つまりお茶の場合、角砂糖がお茶と一緒に出てきます)

トルココーヒー失敗談!(皆さんの参考に)

今回は、ルーマニアでコンサートを終えた後、トルコ・イスタンブールに入りました。コンサートの後、疲れていたのでついトルココーヒーの飲み方を忘れていたのです。

「ん?まだコーヒーがどろっとカップの下に余っているな」と全て飲み干そうとした瞬間、コーヒーが溢れて白いシャツについてしまいました。

「あ、そうだった!トルココーヒーは上澄みだけ飲むものだった!」と後で気づきました。すぐにグランド・バザールを出て、ホテルに帰りシャツを洗うことに、、、、。シャツをすぐに洗ったのでシミは無事に取れて安堵しました。

トルココーヒーを床に座って飲めるコーヒー屋さんSultan Mehmet Restaurant & Cafeに

トラムに乗り、外を見ているとスルタンアフメット・ジャミィの近くに座って飲めるコーヒー屋さんがありました。Sultan Mehmet Restaurant & Cafeです。スルタンアフメット・ジャミィは「ブルー・モスク」が愛称の世界中から旅用者が集まる観光地です。


早速、近くのトラムの駅、スルタン・アメフト駅でトラムを降りて、そのカフェに行きます。ありました!靴を脱いで上がるので、まるで日本の座敷感覚。

これはトルコの伝統的です。トルコには日本と同じく靴を脱ぐ文化があるのですよ。
汚れを家に持ち込むことを嫌うという宗教的観点から、トルコでは靴を脱いで家に上がる習慣が生まれています。だから、トルコでは絨毯を敷くのですね。

床に座って飲むのは入り口のところだけで、店の中に入ると西洋式に椅子とテーブルがありますよ。

早速、トルココーヒーを注文。

今度はシャツにこぼさないです。こういうところで飲むトルココーヒー、味わいがあります。時間がゆっくり流れる感じでいいですね。

座敷で旅の記録を整理してノートに書いたりしました。一人でこういうことができるのが、「旅」の醍醐味です!

現地通貨、トルコリラがなかったのでユーロで払いました。

みなさん、日本で観光客が喫茶店でドルで支払おうとしたらどうでしょう?不可能ですよね。

イスタンブールではほとんどのお店で外貨で支払っても全然大丈夫。ドルでも、ユーロでも、もしくは日本円でも対応してくれます。その時のレートで計算して、お釣りは現地通貨で返されますから、現地通貨も手に入るし手持ちの外貨でも払えるので一石二鳥なんですよ。

トルコでは現在(2022年9月時点)、インフレ率が前年度と比べてなんと約80パーセントです。例えば、ここでトルココーヒー一杯60トルコリラでした、と書いたところでこのままいくと来年には144トルコリラになる可能性があるのです。なので、ユーロで記載する方がまだ時間経ってもわかりやすいかなと感じます。

大体、このような観光客が入るカフェは高いです。今回はトルココーヒー1杯3ユーロしました。5ユーロ札出してお釣りはトルコリラでもらいました。
写真も頼むと快く撮ってもらえますよ。なんと言っても観光で成り立っているイスタンブールですからね。

入り口近くでおばさんがトルコ風ピザ、ピデやラフマージュンを焼いています。

トルココーヒーを座敷で飲めるもう一つのカフェ

今度は、もう一つのスルタン・アメフト近くのカフェに行きました。ここは先程のものよりもっと観光客に特化しています。The Must Turkish Restaurant です。


座敷はあるのですが、靴のまま上がれます。(これって座敷っていうのでしょうか)僕が靴を脱ごうとしていたら「あ、そのままでいいよ」って男性の店員が教えてくれました。ここにたくさん訪れる西洋人にとって靴を脱ぐという行為に違和感感じるからでしょうね。

実際に僕の隣には、フランス人の女性が二人スニーカーのままで入ってきました。
座るところだけ上手に絨毯が敷いてあります。

雰囲気あるコーヒーカップですね。ロクムもついています。

ここは、スルタン・アメフトの近くで、流石に観光客が多いところだけあって、サービス満点。男性にはスルタンの帽子。そして、女性には女性用のベールを被せてくれます。こんな帽子かぶってコーヒー飲むってどうですか?

今回もトルココーヒー代約3ユーロで、お釣りはトルコリラでもらいました。

ハプニング発生!(皆さん注意してください)

トルココーヒーを飲んだ後、支払いをしようと勘定書をもらったら、何か注文しなかったものがたくさん書いてあります。

隣を見るとまさに隣のテーブルに並んでいる料理そのものでした。隣のフランス人女性たちに「これ、食べたでしょ。うっかりあなた方の支払いをするところだったよ」と伝えてお互いに大笑いしました。日本人の人は大概、勘定書を細かく見ないですよね。僕はアメリカに住んでいたので、こういう間違いはしょっちゅうで、勘定書をちゃんと見る習慣があってよかったです。ろくに見ないで、クレジットカードを切ってしまったりしたら最悪の旅の思い出を作ることになりかねません。トルコリラで表記されているので、すぐに高いか安いかわからないこともありますよね。そこは注意しましょう。

担当の男性が来て彼にこう伝えました。「丁寧な対応ありがとう。でも、支払いはしません」男性はとても怪訝な顔をしています。そして、隣を指差し、「僕に来た勘定書は彼女たちが持ってるから」と言うと、事情がわかった店員も大笑いしました。

ここで、怒ってはいけません。故意にやったことではないし、自分が払ったわけでもないですからね。これがこの国だと受け入れるのがいいですね。よく他国に行ってまで自国のようなサービスを期待する人がいます。そういう人が書く口コミってすごくネガティブですね。
あと、旅にはトラブルがつきものですね。僕は少々何か盗まれても、騙されてもケガしなかったらいいや、と割り切ってます。

トルココーヒーを作るところを見せてもらいました。

このカフェの店員に頼み、トルココーヒーを作るところを見せてもらいました。

銅または真鍮製の、長い柄のついた「ひしゃく型」の「イブリック」(または「ジャズベ」と呼びます)を使います。

イブリックに、微粉状に挽いたコーヒーの粉と水を入れます。ここで、砂糖も一緒に入れるのですよ。そして火にかけます。

泡が吹きたってきました。そうすると、一旦イブリックを火から降ろします。ここで、スプーンで軽くかき混ぜてから、再び火にかけます。これを3回ほど繰り返していました。こういう方法でコーヒーを煮出していくのですね。

完成です!

動画で見たい方は以下をどうぞ

トルココーヒーは意外にカフェインが少ない

トルココーヒーは、上記のように極細に挽いたコーヒー豆の粉を水と一緒に沸かして作ります。とても苦いです。そしてドロドロです。しかし、よく煎った(ダブルロースト)豆が使われるので、意外にもカフェインはフィルターコーヒーの半分なのですよ。だから、僕は1日3回くらいトルココーヒーを飲んんでも平気でした。

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トルココーヒーを路上で飲んだ。

今度はイスタンブールの庶民が飲む路上のコーヒー屋さんへ。

ここは上級者向けのところなので、一般にはオススメしません(笑)。

場所は、ベアズット、ちょうどグランドバザールから前のトラムが走る大通りを渡り、南に歩くとこういう路上カフェたくさんあります。

作りはとても簡単です。路上にプラスチックの椅子とテーブルが置いてあるだけ。厨房は近くのビルの中、とても狭いところで作っています。

場所はベアズットの問屋さん街です。靴や、カーペットなどの問屋さん、そして工場が密集しています。通りも人足の人が大きな荷物を運んだり、バイクが人のスレスレに行き交っています。


そこで、トルココーヒーを注文。周りは、この辺りで働く男性ばかり。ここは労働者の街ということもあるし、イスラムの男女を分けるという習慣も影響しているかなと思ったりしました。観光客が来るのが珍しいのか、大歓迎されました。

左に見えるビルの入り口の奥に小さい厨房があります。

若い頃、バッグパッカーでヨーロッパを周った経験があり、こういうところは慣れています。
僕の写真を携帯で撮って、「どうだいい感じだろう」と言いに来る人もいました。すぐ近くではバイクが壊れて修理しています。コーヒー飲み終える頃、働いている少年二人が喧嘩をはじめました。大人たちはいつものことらしく平然として見向きもしません。なんと、飲み終える頃に雨が振り出し、慌ててホテルに戻るという顛末。

トルココーヒー代は15リラ。これは日本円で約100円。英語が通じないので、ノートに値段を書いてもらいました。

トルココーヒーを空港で飲んだ

今回、イスタンブールに4日滞在しました。そして、最終日、日本に帰国するためにイスタンブール新空港へ。

今までの旧アタチュルク空港はイスタンブール市内から約25キロのところにありました。しかし、新空港は同市内から40キロもあります。なので、早めにホテルを出ることにしました。

イスタンブール新空港はとにかく大きいです。実は、この記事を書いている2022年秋の段階では完成されていません。なんと2030年完成予定。完成すると東京ドーム約1,600個分の敷地面積、年間1億5,000万人が利用する世界最大規模の空港になる予定です。

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動画でもどうぞ

新イスタンブール空港のデザインは個性的です。天井はモスクを意識して作られているのですよ。

空港の中、カフェを探しました。大きい新イスタンブール空港の中、カフェはたくさんありました。今回、Deli Aux Pain へ。こじんまりして、いい感じです。

トルココーヒーを電動式の機械で作っていた

新イスタンブール空港では防災上の理由でガス調理器は使えないのでしょうか、電動式のトルココーヒーメーカーでトルココーヒーを作っていました。

初めて見ました!時代と共にトルココーヒーは変化していますね。

まずモダンな「イブリック」が登場。長い取手はありません。(この女性店員、空港をよほど愛しているのでしょうか、腕に飛行機のタトゥーしていますね)

作り方は簡単です。「イブリック」にコーヒー粉と砂糖を入れて、トルココーヒー用電磁調理器にかけるだけ。

何か味気ない感じがしますが、ちゃんとトルココーヒーの味がしました。

以上、イスタンブールで飲んだトルココーヒーの話題でした。

【本場トルコ製】銅製イブリック・ジェズベ(トルコ式コーヒー用)コーヒー3人分

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