トピック

ロクム(ターキッシュ・デライト)をイスタンブールで買った|ロクムの詳しい歴史と実食

本投稿にはプロモーションが含まれます。

ロクム(ターキッシュ・デライト)と聞いてどういうものか想像できますか。

トルコのスイーツを求めて2022年秋、イスタンブールに行きました。

トルコといえば世界三大料理に入るトルコ料理がありますね。料理が美味しい国はスイーツも美味しいはず。これは簡単に想像できます。それではどういうスイーツが待っていたか紹介していきましょう。

トルココーヒーをイスタンブールで飲んだ|本場の淹れ方・現地独特のハプニングや失敗談もトルココーヒーをイスタンブールで飲んだ体験記です。ハプニングや失敗談もあり、これからトルコに旅行する人必見です!いくつかの場所、街中のカフェ、庶民が飲む路上のカフェ、そして空港など様々なところでトルココーヒーを飲みました。あるカフェでは、厨房に入らせてもらい作り方も教えてもらいました。...

イスタンブール新空港に降り立つ

イスタンブール新空港はとても大きな空港です。世界最多のフライト数を誇るトルコ航空のハブ空港として2030年に完成予定の空港。完成すると世界最大の空港になる予定です。

トルコのスイーツを求めてエジプシャンバザール(スパイスバザール)へ

イスタンブールの観光の一つにバザールがあります。バザールといえばグランドバザールを思い起こす人が多いと思います。しかし、今回訪れたエジプシャンバザールは「イスタンブールの台所」とも言われ、こちらも大きなバザールなのですよ。

エジプシャン・バザールにいくには、トラムでエミノニュ駅で降りるのが近いです。降りるとそこは海、そう、ボスポラス海峡です。対岸にはアジア側が見えます。

エジプシャンバザールはほぼL字型の市場です。エジプトから納められた貢物によって設立されたので、ムスル・チャルシュス(エジプシャンバザール)と名付けられました。かつては香辛料専門店が軒を連ねていたのですよ。それゆえに、スパイスバザールとも呼ばれます。

グランドバザールほど大きくないですが、エジプシャンバザールの90軒ほどあるお店はほとんどスパイスを扱っています。そして、それに加えてドライフルーツ、ナッツ、今回の目的のスイーツなどが豊富に取り扱われているのです。

エジプシャンバザールは日曜日開いている

日曜日となると閉まっているお店が多いイスタンブールなのですが、ここエジプシャンバザールは日曜でも開いています。観光に来るときには覚えておきたいですね。ただし、グランドバザールが日曜日に閉まっているので、多くの観光客はエジプシャンバザールに流れてきます。

 

エジプシャン・バザールの情報

営業時間:8:00〜19:30

お休み:10月29日、宗教の祝日

詳しくはエジプシャン・バザールのHPをご覧ください。

それでは、トルコの代表的なスイーツ、ロクム(ターキッシュ・デライト)をご紹介します。

ロクム(ターキッシュ・デライト)

ロクムのトルコ語での綴りは lokum ですが、英語では Turkish Delight つまり「トルコの悦び」と呼ばれているのですよ。

ロクムの歴史

スルタンが作らせた説

一つの説は、約500年前、スルタンは、愛人たちの気を引こうと、帝国内の菓子職人を呼び寄せました。彼女たちの心をつかむ秘訣は食事にあると考えていたからです。そして、ユニークなデザートを作るように要求したのです。この召集によって、ロクム(ターキッシュ・デライト)が誕生したというものがあります。

偉大な菓子職人ハク・ベキル

1777年、菓子職人のベキル・エフェンディ(メッカ巡礼の後、ハシ・ベキルとして広く知られる)は、カスタモヌアラチからイスタンブールに移り住みました。

彼はバチカプに小さな菓子店を開き、様々なキャンディーやロクム(トルコのお菓子)を自ら製造し、販売するようになりました。ハチカプはエミノニュとシルケジの間に位置し、イェニ モスクのすぐ後ろに位置します。ハシ・ベキルの菓子は、現在でも4世紀にわたる歴史を持ち、今日でも買うことができるのですよ。

リンク先で商品が見られます。

6世紀にさかのぼるトルコの菓子製造では、甘味料として蜂蜜と糖蜜が、つなぎとして水と小麦粉が使用されていたのです。(まだデンプンは使われていません)。

19世紀初頭、ヨーロッパの製糖所で作られた砂糖が「kelle şekeri」という名前でトルコに出回りました。ハシ・ベキルは砂糖を叩いて溶かし、バラ、シナモン、マスティック、オレンジ、レモンなどの材料を加えて、様々な色と味のアキデ(akide/ハードキャンディー)を作り始めたのです。

バクラヴァをイスタンブールで買った|日本で一番詳しいバクラヴァの歴史・そして実食バクラヴァを求めてイスタンブールへ行きました。バクラヴァの歴史を調べるととても興味深いものがあります。イスタンブールのエジプシャン・バザールで買ったバクラヴァを日本に持って帰って食べました。それは美味しかった!です。...

デンプンの使用

ハク・ベキルは、小麦粉の代わりに、1811年にロシア帝国の科学者コンスタンチン・キルヒホフが実験していたデンプンを使うことを導入し、砂糖とデンプンの組み合わせで、ロクムを創作・改良しました。

トルコのロクムの食感を真似ようと、欧米ではゼリー菓子が発明されましたが、ハク・ベキルの「ロクム」は今でも他国では再現不可能なほど比類のないものなのです。

ハシ・ベキルは、緻密な個人作業によって様々なトルコのキャンディーやロクムを開発したばかりでなく、揺れる大釜で作るアーモンドキャンディーや、茹でて皮をむいたアーモンドに砂糖やシャーベットを加えて練り形を整えた各種アーモンドペーストでも伝説的な存在となりました。

ハシ・ベキルのキャンディーとロクムの名声がオスマン帝国の宮殿に届くと、近代オスマン帝国の創始者である改革派の君主、スルタン・マフムード2世は彼を宮殿の製菓長に任命しました。そして、「ニシャン・ウ・アリ・オズマニ(Nişan-ı Ali Osmani)」という第一級の名誉勲章を授与したのです。

トルコ・オスマン帝国の歴史の重要な要素としてトルコ人の文化や伝統に刻み込まれたハシ・ベキルの存在は、当時のライフスタイルを記録した小説や記事にも登場し、19世紀から20世紀にかけてイスタンブールにいた外国人によって書かれ、その時代を代表するマルタ人画家アマデオ・プレツィオージによって描かれることもありました。

アマデオ・プレツィオージによる「ハシ・べキルの店」

ハシ・ベキルの店を描いた43x58cmの原画は、現在ルーヴル美術館に展示されているのですよ。それは、当時の生活様式が細部にわたって描かれているものです。トプカプ宮殿には、この絵のリトグラフ複製が214号として展示されています。

アマデオ・プレツィオージ

アマデオ・プレツィオージ(1816 年 12 月 2 日 – 1882 年 9 月 27 日) は、バルカン半島オスマン帝国ルーマニアの水彩画と版画で知られるマルタの画家および旅行者でした。

郵便はがきがまだ黎明期にあり、写真芸術もそうであった時代に、プレツィオージはヨーロッパの観光客やイスタンブールの訪問者に街とその周辺の絵を提供しました。

こうやってロクムは誕生した

このようにしてロクムは誕生したのですね。ロクムの歴史は長いです。僕が考えるに、古いスルタンが愛人たちの気を引こうと、帝国内の菓子職人を呼び寄せて作らせたロクムはデンプンを使わず小麦粉を使ったものと思います。

なぜターキッシュ・デライト(トルコの悦び)なのか

トルコではロクムは何年にもわたって秘宝として扱われてきました。

これは噂の範疇なのですが、残っている話を書きますね。

19世紀、ロクムはあるイギリス人旅行者の手によって西洋に渡りました。彼は、このお菓子が伝統的にロクムと呼ばれていたことを思い出せなかったのです。それゆえに、彼はそれをターキッシュ デライト(Turkish Delight(トルコの悦び))と名付けたのです。そして、彼自身が考案した名前を付けてこの「トルコの悦び」としてイギリスで提供し始めました。

これが「Turkish Delight・トルコの悦び」の由来です。

ロクムは一般的に、特に英語圏では「Turkish Delight」、フランスやバルカン半島では「Lokoum」として知られるようになったのです。

ロクムの作り方

砂糖をに溶かして火にかけ、コーンスターチなどデンプンを溶き入れ、飴状になったらナッツを混ぜ入れ、デンプンをまぶした型に入れて冷まして固め、冷めたら正方形に切ってデンプンと粉砂糖をまぶす。マスティック・ガムで香りをつけることもある。 ミントやローズウォーターを練り込んで香りや色を付けたり、クルミやピスタチオ、アーモンドなど砕いたナッツを加えることも多い。

ウィキペディアより

これはロクムの初期の作りから現代に至るまで、ほとんど変わっていないそうです。

ロクムをRamazan Canbaz(ラマザン・ジャンバズ)で買った。

エジプシャン・バザールではお店に番号がついています。このRamazan Canbaz(ラマザン・ジャンバズ)は、64番です。

お店のインスタグラム。色々な国の人が訪れています。

お店には様々なロクムが置いてあります。

今回、担当してもらったアフメットさんです。どれがいいか相談して、ロクムを切り分けて箱に詰めてもらいました。

 

左上から右に、ザクロ、バクラヴァ(カダイフ)、ピスタチオ、ザクロ

左下から右に、ココナッツ、ビスケット、アーモンド、ピスタチオとザクロ

ロクムを箱ごと真空パックにしてもらい帰国した

帰国し、自宅に帰りいよいよロクムのパッケージを開けることに。このように真空パックすると、ロクムは2、3ヶ月もつらしいです。いくつかの違う種類のスイーツも同じパッケージに入れてもらったので、端っこに「ディライト(ロクム)」とメモ書きしてあります。

いよいよ箱を開けます!待ちに待った現地でチョイスしたロクム詰め合わせです!

全種類のロクムを皿に並べました。きれいですね。

ロクムにはコーヒーが合う、と現地で教えてもらいました。コーヒーと一緒に写真を撮りました。

一つ一つ実食!

左上から右に、ザクロ、バクラヴァ(カダイフ)、ピスタチオ、ザクロ

左下から右に、ココナッツ、ビスケット、アーモンド、ピスタチオとザクロ

この順番に食べていきましょう。

ザクロ

バラの香りがついたロクム生地にカリカリのピスタチオが入っています。周りには甘酸っぱいザクロのドライフルーツがたくさんちりばめられていて、酸味がきいています。

バクラヴァ

ナッツクリームをロクム生地で包んであり、その周りにはパリパリのバクラヴァ生地ちりばめられています。口の中でとろけるナッツクリームの滑らかさ、ロクム生地のモチモチ感、バクラヴァのサクサク感が違った食感で面白いです。

ピスタチオ

ナッツクリームにも外側にもピスタチオがふんだんに使ってあります。とても濃厚な味わいです。

ココナッツ

ココナッツの香りが強いです。食べると口の中にココナッツが広がります。

ビスケット

中はサクサクのクッキー。その外側がモチモチのザクロ生地です。その周りにザクロとピスタチオがちりばめられています。中のクッキーがサクサクすぎてボロボロくずれますが、それぞれの食感が楽しいです。

アーモンド

中心はバタークリームにたっぷりのアーモンドがロクム生地に包まれています。周りにもアーモンドがちりばめられていて、アーモンドづくしです。食べてみるとアーモンドのリッチな香りがいっぱいです。カリッとした食感も楽しめます。

ピスタチオとザクロ

ザクロのロクム生地にたっぷりローズの香りが入っています。周りには砕いたピスタチオがちりばめられています。ザクロの爽やかな酸味と香りのモチモチしたロクムです。ローズの香りが強いので好き嫌いが分かれるかもしれませんね(人によっては石鹸のように感じるかもしれません)。

ロクムには濃いめのコーヒーがあいますね!

トルココーヒーをイスタンブールで飲んだ|本場の淹れ方・現地独特のハプニングや失敗談もトルココーヒーをイスタンブールで飲んだ体験記です。ハプニングや失敗談もあり、これからトルコに旅行する人必見です!いくつかの場所、街中のカフェ、庶民が飲む路上のカフェ、そして空港など様々なところでトルココーヒーを飲みました。あるカフェでは、厨房に入らせてもらい作り方も教えてもらいました。...
バクラヴァをイスタンブールで買った|日本で一番詳しいバクラヴァの歴史・そして実食バクラヴァを求めてイスタンブールへ行きました。バクラヴァの歴史を調べるととても興味深いものがあります。イスタンブールのエジプシャン・バザールで買ったバクラヴァを日本に持って帰って食べました。それは美味しかった!です。...
こちらの記事もオススメ!