行った!見た!食べた!

行った!見た!食べた!|ジョージア2 最後の秘境で食べたパン

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2016年5月、私たちはいろいろな意味で「もう行くことのない」であろうコーカサス地方の秘境に行きました。

ジョージア ・ウシュグリ村です

多くの日本人には、ジョージアはあまり馴染みないですよね。僕らも全くどのような国か分からずにジョージアに行きました。少ない情報の中で、ヨーロッパで一番の標高のある村が素晴らしい、というものがありました。標高2300メーターなのです。ジョージアの3つの世界遺産の中の1つ、「上スヴァネティ」というものの中にその村は入っています。

「ヨーロッパで一番の標高」「世界遺産」「絶景の村」これだけのことを聞くと、行かないという手はありません。

行き方

「ウシュグリ村」へ行く方法は1つしかありません。車で行くのみです。鉄道などありません。旅人にとっては、ミニバス(マルシュルートカという乗り合いのもの)に乗るか、レンタカーを借りて行く方法の2つしかありません(団体ツアーの人は現地の貸切ミニバスで行けますね)。私たちは、首都のトビリシ空港からレンタカーで、まず上スヴァネティ地域の中心都市であるメスティアに行き泊まりました。「ウシュグリ村」はそこから車で約2時間半の距離らしいのです。

四輪駆動車でないと、、

メスティアから「ウシュグリ村」までの道のりをまず、メスティアのツアーインフォメーションで尋ねました。地図をもらったあと、向こうから聞かれたのが、、、

「四輪駆動の車はあるのか?」「はい、借りてますよ」

「じゃあ、大丈夫だね。グッドラック!」「ありがとう!」

という極めてシンプルなやりとりでした。幸いにトヨタ・ランドクルーザーを借りていますので、悪路でも大丈夫だなと、明るい気持ちで出発です。

しかし、、実際の道は

メスティアから「ウシュグリ村」への道に入った当初は「きれいな自然道だなあ」と感じました。小鳥はさえずり、空気もきれい。山の天気は変わりやすいのですが、天気にも恵まれ楽しいドライブ日和です。

「ウシュグリ村」に行く道は一つしかなく、それは、なんと「幹線」にして「生活道路」なのです。

道は川沿いになっていきました

崖っぷちで、ガードレールなどない道が続きます。道幅は車一台やっと通れるほどのものです。運転していたトヨタ・ランドクルーザーの車両感覚を忘れないように慎重に運転しました。

前方に車が見えて、ホッとしました。なぜなら、この道路は標識が全くなく「これで道はあっているのかな」と不安になりながらの運転だったからです。

前方に見えるのはミニバン。観光客かもしれません。しかし、だんだん土砂崩れ直後の道、崖っぷちギリギリの道など、二重苦三重苦のドライブが続きます。それも、写真のように車一台ギリギリの幅なんです。ここで対向車が来たらと思うとゾッとしました。

笑顔が失せる

ドライブ始めた頃は、まだ笑えるくらいの道なので、「ジョーダンはよしこちゃん!(昭和のギャグ・故林家三平師匠のものという説があるが、実際には昭和61年あたりの鈴木由美子さんの同名の漫画が元らしいです)」などと駄洒落を飛ばしていたのですが、時間と共に運転に集中しないと「崖から落ちて死ぬ」と感じた僕はだんだん無口になっていきました。妻は「今までありがとうね」とか感謝の言葉を僕に投げかける始末。後で聞くと、マジメに「これは死ぬ」と思ったらしいです。

道路に落石など多数あるのですが、見ると確かに、さきほど落ちてしまいました的な「フレッシュな落石」です。

道路に小川が走る

水もたくさん崖から出ていて、たびたび小川状になったものを横断します。多くは半分崩れていて水面下の実際の道路の状態もわかりません。僕は日本で酷道と言われている道(旧国道308号を代表とする)などは数多くドライブしたことありますが、そんなの、、、この酷道に比べたらまだまだアマイ「初心者向け」です。

ここは酷道中の酷道、「ウルトラ酷道ゴールドExプラス」なのです。

「ウシュグリ村」に到着

そして、やっと到着した「ウシュグリ村」。聞きしに勝る美しい景色でした。そびえ立つ山、緑の土地に、スヴァネティ地方独特の塔の立つ家々。空気もすごくきれいです。なんといっても 2300メーターの標高ですから。

周りを取り囲む山々、「ウシュグリ村」は盆地に存在します。

どっと疲れたので、とりあえずレストランでなにか食べようということになりました。

レストランで

 

そこで食べたのが、ジョージア独特のパン「ハチャプリ」なのです。やっとここで食べ物の話題になりましたね。

ハチャプリとは

ハチャプリは簡単にいうとジョージアの国民食とも言える「チーズ入りパン」です。
チーズにはフレッシュチーズも発酵チーズも共に使われます。最も一般的なのはスルグニと呼ばれるチーズです。酪農国なので、チーズそのものの味が美味しい上に、食感もいいです。ジョージアでは各地で独特のハチャプリがあります。

聞くところによると、日本でも一時期「フジパン」がハチャプリを作っていたみたいですよ。

過酷なドライブの後、緊張感も去りお腹が空いてきたせいか、このシンプルなハチャプリはとても美味しく感じました。

スープも食べました。標高が高いので肌寒い気候です。温かい食べ物はありがたいですね。東ヨーロッパによくある牛肉とキャベツのスープみたいなものでした。

コーヒー・タイム

食後のコーヒータイム。コーヒーは美味しかったです。「グルジア・コーヒー」(あえてジョージアと書かない/缶コーヒーと思われるので)というものがあり、いわゆるトルコ・コーヒーのように粉を煮出して作り砂糖を入れ甘くしたものがあります。しかし、ここでは、あえて「カフェ・アメリカーノ」と注文。飲み慣れているエスプレッソ・ルンゴでほっと一息。記憶が定かでないのですが、、、、ユリウス・マインルのコーヒーだったような気がします。

帰り道の確認をしていたら、人懐っこいワンちゃんが寄ってきました。

帰り

あの道をまた帰るのかと思うと憂鬱になりましたが、帰路はどこにどのような難関が存在しているのか分かっているので「若干」楽でした。

しかし、、、途中で土砂降りになり、前方の視界がほとんど見えなくなったのです。ワイパーを高速で左右させて、視界確保のためもちろんライトはハイビーム。それでも前方の視界は悪く、またまた難題山積のドライブです。

前方から対向車が

前方より車のライトが近づいてきます。お互いの存在を知らせるためにクラクションを鳴らしました。そのドライバーが車を止め、豪雨の中窓を開けるのです。
そして、この国では滅多に聞かれない流暢な英語で「この先、どのくらいでウシュグリに着く?」と僕に問いかけます。よくよくみると、前日、メスティアのレストランで隣に座っていたカナダ人ご夫妻!「Nice to meet you again!」

「あと30分もあったら到着するから、心配しないで!」と豪雨の中、叫びました。
「帰りは暗くなり危険だよ!」とこちらから叫ぶと「泊まるから大丈夫!」と返してきました。それだったら安心ですね。

帰りのドライブの写真はありません。豪雨の中のドライブで、僕も妻もとても写真を撮る余裕がありませんでした。

また行きたいか、と聞かれたら

すごく印象に残る旅でした。美しい場所はまた訪れたくなるものです。しかし!正直言って、あの道をまたドライブする気持ちにはなれません。今でも思い出すとゾッとします。帰国して神戸に住んでいるロシア人の友人に「あ〜よく帰って来たね。あそこはよく車が落ちてるよ」と、言われました。

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