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さんまずし|三重県で祝いの席や祭事などで食べられる郷土料理を食べた

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今回食べた「さんまずし」

2022年春、私たちは紀伊半島をドライブ旅行しました。その時に様々な郷土料理に出会いました。

今回は「さんまずし」の話題です。

日本全国には様々な種類のお寿司がありますね。

その多くはお正月や結婚式、お祭りなどのハレの日に、親戚や友人達が集まる祝いの席で供された物です。

時間や手間ひまがかかったり、伝える人が少なくなったりして忘れられつつあるお料理も多く、勿体無いですよね。

私たちは色々な地方を旅行しながら、そこに伝わる郷土料理をお伝えしていきたいと思っています。

今回は紀伊半島に伝わるお寿司をご紹介しますね。

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さんまずしの歴史(三重県)

熊野市有馬町にある産田神社では、子どもに中骨がついたままの「さんまずし」などを食べさせ、健やかな成長を願う「奉飯(ほうはん)」とよばれる行事がある。「さんまずし」は中骨を除くのが一般的だが、奉飯用は骨付きでつくられる。「気骨のある子に育ってほしい」という願いのほか、カルシウムを補う意味もあったのではないかと考えられる。産田神社の鳥居前に「さんま寿し発祥の地」という案内が丸太棒に書かれて建てられている。
主に祝いの席や祭事などで食べられる郷土料理であり、これを地元の名物になればと昭和50年尾鷲市の飲食店が販売を開始して以来、さまざまな店で楽しめるようになり、今では東紀州地域を代表する名物料理となった。なお、この地域ではとにかくハレ食に姿ずしをよくつくり、サンマの季節外にはイワシ、アジ、カマスなどの姿ずしがつくられる。

農林水産省のHPより


NIKKEI STYLE より

「さんま寿しの日」

1月10日には、熊野市の産田(うぶた)神社で安産や子供の健康などを祈願する例大祭が開かれるようです。

産田(うぶた)神社はイザナミノミコトが火の神を産んだ場所と伝えられています。骨が丈夫で元気に育つようにと、子供たちが骨の付いたままのさんまずしを食べるのが習わしです。


「日本書紀」に、産田神社の祭礼で「さんまずし」が振る舞われていたとの記述があるのですよ。それゆえに、産田神社は「さんまずし発祥の地」といわれています。

 

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「熊野市さんま寿し保存会」は、1月10日を「さんま寿しの日」としているそうです。

さんまずしの材料・熊野でサンマ?

日本で獲れるサンマは、お盆の時期になると親潮にのって南下を開始します。親潮とは、千島列島から日本の東岸を南へ流れる寒流。千島海流のことです。

サンマは、秋には北海道の東側から東北地方の太平洋側の沖に姿を現し、年末には千葉県の沖、外房や、遠州灘、四国近海へと移動していきます。

熊野灘に達する頃には、ほどよくサンマの脂が抜けてくるらしいです。このサンマは焼き魚には不向きと聞きました。しかし、その分、淡泊で砂糖や酢がなじみ、すしにするには最適ということです。

ウェザーニュースより

なるほど、この図を見るとサンマが回遊するのがわかりますね。

サンマの漁獲量は減った

これはショックです!熊野灘のサンマ漁は晩秋から春にかけて最盛期なのです。しかし、黒潮の蛇行の影響で最近の水揚げはゼロに近いものが続いています。いまは三陸沖などからサンマを調達しているのが実情なんだそうです。

しかし、冷凍技術のおかげで、さんまずしは年中食べられるようになりました。だからこそ、熊野でも古くから食べられてきた「さんまずし」を現地で食べられるのですね。冷凍技術に感謝です!

サンマのさばき方

サンマのさばき方は地域によって違うようです。熊野では腹開きを避け、頭をつけたまま背開きにします。「昔、代官所があり、切腹を嫌い腹開きを避けたためではないか」という説があるようです。香りづけも山側はユズ、海辺はダイダイが多いのだそうですよ。

尾鷲市など紀北地域ではサンマの身を腹から開き、薬味に洋辛子を用い、型で押しずしにします。尾鷲は漁師町だから合わせ酢も甘口だそうです。

さんまずし実食!

三重県、和歌山県では、「さんまずし」と書かれた看板やノボリをよくみかけます。ドライブ中にお腹が空いてきたので道の駅「パーク七里御浜」で買ってみる事にしました。

 

瀞峡(どろきょう)へ

瀞峡(どろきょう)

ここは、吉野熊野国立公園内の奈良県・三重県・和歌山県にまたがる国特別名勝の大峡谷です。

ここで、買ってきたさんまずしを食べましたよ。

景色が雄大で、とても楽しく感じました。

瀞峡の幽水美は古くから世に知られています。太古の自然のままの大峡谷に圧倒されてしまいそうですね。瀞峡(どろきょう)は北山川の上流から奥瀞・下瀞に分かれます。特に下瀞は巨岩・奇石が並び荘厳で美しく、親しみをこめて「瀞八丁(どろはっちょう)」と呼ばれているのですよ。

荒々しく切り立つ断崖と巨岩、静かな深い瀞の水は神秘的なコバルトブルーです。
「こんなところ、日本にあるのだなあ!」と改めて思いました。瀞峡にて「さんまずし」を食べる

さんまずしの感想

「さんまずし」、なるほど普段食べているサンマと比べると確かに脂は少ないです。このサンマは塩がしっかり効いていて身が締まっています。

確かにサンマとしての美味しさは北海道や三陸で水揚げされる脂ののったサンマの方が美味しいかもしれませんが、ハレの日のための保存食には、脂の程よく落ちた小ぶりのサンマが合うのですね。

寿司飯の方は普通の酢飯ではなく柑橘系の良い香りがします。

小骨などは残らず取り除いてあるので安心ですね。傷みにくいのでお弁当や行楽のお供にピッタリだと思います。

以上、紀伊半島の「さんまずし」の話題でした。

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