エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|34「バルトークの恐怖」 2022年10月6日 blancamarron 新料理物語 心理学の本に、不安は未経験のものに接するときに大きくなる、と書いてあった。なるほど初めて演奏する曲の指揮は怖い。時に生では聞いたこともない曲を指揮することにもなるが、まるで見たこと …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|31「宗君」 2022年8月19日 blancamarron 新料理物語 「先生、元気? 今東京だよ。どうしてる? 会いたいよ」 ニューイヤーコンサートを終え、ルーマニアから慌ただしく十日間だけ帰国した。 東京のマンションに帰り、留守 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|30「友情」 2022年8月1日 blancamarron 新料理物語 このエッセイは鹿児島の南日本新聞に2004年に掲載したものです。 /////////////////////////////// 今から九年も前、ルーマニア国立オーケス …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ29|「騎士」 2022年7月22日 blancamarron 新料理物語 「シンヤ、ちょっと待って!なんか様子が変なの」 僕は何事なのかわからなかった。ルーマニアのニューイヤーコンサートの二日目。今まさに重い扉が開き、舞台へ踏み出さんというところを …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ28|「先生」 2022年7月5日 blancamarron 新料理物語 「先生」と呼ばれるのは苦手だ。指揮者をやっていると日本では大抵、先生と呼ばれる。まぁ弟子も何人かいることはいるのだが、僕はフルタイムの指揮者なので教育者ではない。 先生と言わ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ27|「ニューイヤー・コンサート」 2022年6月3日 blancamarron 新料理物語 新年の初仕事はルーマニア国立交響楽団でのニューイヤー・コンサートだ。最初の一、二年はヨハン・シュトラウスのワルツやポルカを演奏していた。ウィ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|25「愛用の道具」 2022年5月6日 blancamarron 新料理物語 「指揮棒は重たいでしょうから、トレーニングに励んでください」というメールが来た。スポーツクラブで出会った年配の男性からだ。うーん、なんと返事したらいいのだろう。重い、軽いは主観の問 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|24「若いな」 2022年4月25日 blancamarron 新料理物語 「おぬし、若いな」。これは高校の頃(ころ)、茶道部でよく使っていたセリフだ。勧誘につかまり、一時茶道部に入っていた。いつもお茶の勉強はほっぽり出して、時代劇みたいなことをお茶の席で …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|23「テクノロジー」 2022年4月5日 blancamarron 新料理物語 国が変われば、事情も変わる。音楽然(しか)り、テクノロジー然り。 ルーマニアではファクスがあまり普及しなかった。一九八九年の民主化の後、急速に国が変わったのだ。国が解放された …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|21「ステージマネージャー」 2022年3月7日 blancamarron 新料理物語 華やかな舞台の陰には必ず、それを支える頼もしい裏方がいる。オーケストラの場合、それはステージマネジャーだ。 僕の指揮するルーマニアのオ …