エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|23「テクノロジー」 2022年4月5日 blancamarron 新料理物語 国が変われば、事情も変わる。音楽然(しか)り、テクノロジー然り。 ルーマニアではファクスがあまり普及しなかった。一九八九年の民主化の後、急速に国が変わったのだ。国が解放された …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|21「ステージマネージャー」 2022年3月7日 blancamarron 新料理物語 華やかな舞台の陰には必ず、それを支える頼もしい裏方がいる。オーケストラの場合、それはステージマネジャーだ。 僕の指揮するルーマニアのオ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|20「アフリカンドラム」 2022年2月23日 blancamarron 新料理物語 アフリカンドラムが鳴り響く。 スペイン演奏旅行中、楽団員のフェリックスが大きなアフリカンドラムを購入した。メンバーの中でただ一人の音楽大学生だ。才能のある彼は契約団員 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|15「近くて遠い場所」 2021年12月6日 blancamarron 新料理物語 「近くて遠い場所」という言葉がある。今僕はそこにいる。ルーマニア北部トランシルバニア地方の中心的都市クルージュ。僕の街からは車でわずか二時間。僕はルーマニアのほとんどのオーケストラ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|14「貴人」 2021年11月22日 blancamarron 新料理物語 人生には転機となるときに現れ、導いてくれる人がいる。中国では古来その人を「貴人」と呼んでいる。僕にもまた貴人がいる。ルーマニアのオーケストラの指揮者になった当時の音楽監督、チーキー …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|13「中華料理」 2021年11月3日 blancamarron 新料理物語 ついに私の住むルーマニア、トゥルグ・ムレシュの街に中華料理店が開店した! 知り合いに聞いたら、街のど真ん中にあるという。実はもうできてから一年もたっていた。もっと早く知りたかったな …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|12「ピンクパンサー」 2021年10月23日 blancamarron 新料理物語 今年もルーマニアで映画音楽のコンサートを指揮する。ちょっとした自慢なのだが、この国での映画音楽のコンサートを初めて企画したのは、何を隠そう僕なのだ。 練習風景 革命後、 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|11「講演会」 2021年10月4日 blancamarron 新料理物語 コンサートのない週は指揮台を降り、大抵オフィスで仕事をすることになっている。木曜のコンサートを終えた直後に、秘書から次の週のスケジュール表が渡される。しかし今回は違っていた。 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|10「宮殿住まい」 2021年9月22日 blancamarron 新料理物語 何を隠そう、僕は宮殿に住んでいる。正式名は文化宮殿。いかにも共産主義時代を髣髴(ほうふつ)とさせるネーミングだが、建てられたのはここがまだハンガリー領だったころだ。 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|9「孤独」 2021年9月6日 blancamarron 新料理物語 友達がいない。別に性格的に大きな問題があるわけではないし、社会性が欠如しているわけでもない。 オーケストラの指揮者は孤独なのだ。朝「おはよー」とあいさつをしてすぐに指揮棒を振 …