エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|40「記念演奏会」 2023年1月3日 blancamarron 新料理物語 ある週の金曜日、ルーマニアのオーケストラの監督、ムレシャンがニコニコしながら近づいてきた。ちなみに僕は音楽監督。偉い人がいっぱいいる。先週のコンサートの評判が良かったのかな。ラフマ …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|39「視力」 2022年12月23日 blancamarron 新料理物語 朝起きて窓を開けると、晴天視界良好。東京のマンション十一階の部屋から葛西臨海公園の観覧車がよく見えた。実は昨日までは視力は〇・〇二だった。近視矯正の手術LASIKを受けたのだ。そう …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|37「疲れるところ」 2022年11月29日 blancamarron 新料理物語 銀座のよくスーツを買う店で上着を着せてくれた若い店員に言われた。「指揮は大変でしょ。腕とかクタクタになりませんか?」。次に行った靴屋でも「指揮者は体力がいるでしょう。腕なんか痛くな …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|36「カツラ」 2022年11月11日 blancamarron 新料理物語 音楽室にはなんであんなにたくさん肖像画があるのだろうか。あの堅苦しい表情がただでさえ取っ付きにくいクラシック音楽をもっと難しくしている。子供が怖がる顔ばかりだし、バッハやヘンデルな …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|35「ボンジュール」 2022年10月27日 blancamarron 新料理物語 「ボンジュール!」 流麗なフランス語が聞こえた。練習終了後、舞台から客席に飛び降り、ロビーのカフェに行こうと思ったときだった。 「おお、ボンジュール! ジャン・ミッシェル!」。 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|34「バルトークの恐怖」 2022年10月6日 blancamarron 新料理物語 心理学の本に、不安は未経験のものに接するときに大きくなる、と書いてあった。なるほど初めて演奏する曲の指揮は怖い。時に生では聞いたこともない曲を指揮することにもなるが、まるで見たこと …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|31「宗君」 2022年8月19日 blancamarron 新料理物語 「先生、元気? 今東京だよ。どうしてる? 会いたいよ」 ニューイヤーコンサートを終え、ルーマニアから慌ただしく十日間だけ帰国した。 東京のマンションに帰り、留守 …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ|30「友情」 2022年8月1日 blancamarron 新料理物語 このエッセイは鹿児島の南日本新聞に2004年に掲載したものです。 /////////////////////////////// 今から九年も前、ルーマニア国立オーケス …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ29|「騎士」 2022年7月22日 blancamarron 新料理物語 「シンヤ、ちょっと待って!なんか様子が変なの」 僕は何事なのかわからなかった。ルーマニアのニューイヤーコンサートの二日目。今まさに重い扉が開き、舞台へ踏み出さんというところを …
エッセイ 尾崎晋也のエッセイ28|「先生」 2022年7月5日 blancamarron 新料理物語 「先生」と呼ばれるのは苦手だ。指揮者をやっていると日本では大抵、先生と呼ばれる。まぁ弟子も何人かいることはいるのだが、僕はフルタイムの指揮者なので教育者ではない。 先生と言わ …