レシピ

鮗(コノシロ)のソテー|その美味、知っていたら通人!

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今回作った鮗(コノシロ)のソテー(漁港で釣ってそこで料理しました)

赤穂港へ釣りに行ってきました

この時期、赤穂周辺では鮗(コノシロ)がよく釣れます。

赤穂というところ

赤穂市は兵庫県でもかなり西の方で、岡山県との県境に接しています。このあたりの海岸線は大好きです。瀬戸内海国立公園の一部を成しています。お隣は備前焼で有名な岡山県備前市です。赤穂というと、赤穂浪士が有名ですね。

赤穂事件、赤穂浪士関係の観光名所が多いです。大石蔵之助の長屋門など残っています。

浅野赤穂藩の家老、大石家三代の屋敷の長屋門で、屋敷は畳数にして308畳の広大な邸宅でした。
浅野内匠頭の刃傷事件の際、その知らせを持って早かごで駆けつけた早水藤左衛門、萱野三平が叩いたと言われています。
享保14年(1729)、建物の大半が火災に遭いましたが、長屋門だけが焼失をまぬがれ、その後建て替え等を経て数少ない江戸時代建築として非常に価値が高く、現在も城内に残っています。

赤穂観光協会公式HPより

そして、赤穂の塩が有名です。昔から塩田があり塩作りが盛んだったのですね。

江戸時代から、播州赤穂の東浜塩田(ひがしはまえんでん)では「差塩(さしじお)」という”にがり”を多く含ませた塩づくりの手法(差塩製法)を秘伝としており、当時から「赤穂の塩」として全国に名を馳せていました。

株式会社「天塩」の公式HPより

鮗(コノシロ)という魚をご存知でしょうか?

姿を見れば、あれ?何か見たことある。と思われるかも知れません。
そうです、コハダです。

コハダは江戸前寿司の光り物(寿司ネタの中で、皮が銀白色に光って見える魚)の代表ですよね。

(コハダのお寿司)

逆出世魚!?

鮗(コノシロ)は出世魚で、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前を変えながら成長します。

  • 4~5cm程度の幼魚を「新子(シンコ)」
  • 7~10cm程度までのものを「コハダ」
  • 13cm~15cm程度までのものを「ナカズミ」
  • 13cm~17cm以上の成魚を「コノシロ」

実はこの魚、大きくなるほどに値段が安くなるのです。多くの魚と逆ですね。大きくなると食べづらい小骨が多いせいだと言われています。

釣り師の間では「逆出世魚」とか、「不運な天才子役」などと呼ばれてかわいそうな気もします。以下のように市場価格が変わりますので、納得できますね。

  • 新子(シンコ)は小さいけれど一番の高級魚で、1㎏3万円~5万円
  • コハダはぐんと値段が落ちて、1kg 1,000円~2,000円
  • その後ナカズミはもっと値が下がります、、、1kg 300円~500円
  • コノシロに至っては、、、1kg 50円から100円

う〜ん、この右肩下がりの降格没落の評価は、、、さぞ美味しくないと思いますよね。しかし、、、

なぜ安いか

小骨が多く扱いづらい、昔ながらの風習など様々な理由で安く買えてしまうのです。

でも、小骨の問題さえクリア出来たら、正直、美味です!

昔の板前さんは「コノシロ」が「この城」に通じることから、焼いてはいけないとか言われていたそうです。関西でも若い板前さんは「このしろは焼いて出したらアカン!」と、よく教えられたと聞きます。板前さんって験を担ぎますからね。その辺りは別な投稿に書いていますので、リンク先をお読みください。

小骨が多い問題は骨切りをすることで解決できます。「なんでうまくいかないの!?」に書いてあるので、参考にしてください。

鮗(コノシロ)はどうやって釣るか

鮗(コノシロ)の釣りは、サビキという釣法で釣ります。初心者でも手軽にできる釣り方です。

今回の鮗(コノシロ)の料理

鮗(コノシロ)は、酢との相性が良いので、酢締めにする事が多いのですが、今回は釣ってすぐ食べたかったのでソテーにしました。
腹骨と、背びれの内側の骨が硬いので丁寧に卸す事が大切です。
重ねて書きますが、小骨が多いので、骨切りをしておくと食べやすくなりますよ。

何でうまくいかないの!?

釣りに行けない

鮗(コノシロ)は、時々ですがお魚屋さんで見かけます。
美味しいのにかなり安いです。
見つけたら是非買ってみてくださいね。

鮗(コノシロ)を卸すのが難しい

鮗(コノシロ)は身が薄くて卸しにくいですね。
慣れるまでは難しいですが、安い魚なので、練習だと思ってたくさん卸してみてください。だんだん上手になりますよ。

鮗(コノシロ)は腹骨がとても硬いので必ず丁寧に取り除いてください。
また、背ビレの内側にも硬い骨があるので、これも取り除きます。

小骨が多くて食べにくい

鮗(コノシロ)は本当に小骨が多いです。
一本ずつ抜いていくなんてとても面倒なので骨切りをしましょう。
身が柔らかいので、ハモみたいに細かく切るのではなく、2ミリ幅くらいで十分です。
これをやっておくと、とても食べやすくなります。
皮一枚残して切っていく感じです。
始めは難しいですが、練習してみて下さい。だんだん上手になりますよ。

魚が生臭い

魚が釣れたら、まず活け締めにすることをお勧めします。
エラ、又は頭の付け根に包丁を入れて、しばらく海水に浸けて血抜きをします。
こうすると魚の臭みが全然違ってきます。
買ってきた場合は、まず水で洗って魚の臭み成分(トリメチルアミンと言います。水溶性なので水で洗い流せます)を洗い流します。
そのあと塩を振って30分くらい置くと、魚の内側の臭みも水分と一緒に表面に出てくるので、これをしっかり拭き取ってください。(臭みの強い時は、更に水洗いした方がいいです)

魚の締め方については別の投稿でも書いています。リンク先をご覧ください。

材料

鮗(コノシロ):2尾

  • 塩 卸した魚の身の1%くらい
  • オリーブオイル:適量
  • ニンニク:ひとかけ
  • プチトマト:10個
  • 塩:プチトマトの1%くらい

胡椒、ハーブなど、お好みで

準備

鮗(コノシロ)

ウロコを取る

内臓を取り除き、水洗いする

3枚に卸す

 

腹骨と、背びれの内側の骨をすきとる


2ミリ幅くらいの骨ぎりをする

 

一口サイズに切る

塩を振って30分くらい置き、表面の水分を拭き取る

鮗(コノシロ)の準備は以上です

プチトマト

半分に切る

塩を振っておく

お好みで付け合わせの野菜は選んでもいいですね

作り方

1)フライパンに、潰したニンニクと、オリーブオイルを入れて弱火にかける

2)ニンニクの香りが出たら、中火にして鮗(コノシロ)をフライパンに並べ、身の方を焼く

3)焼き目がついたら裏返して皮目を焼く

4)こんがり焼けたら取り出して器に盛る

5)同じフライパンにオリーブオイルを足して、プチトマトを入れ、柔らかくなったら取り出して、鮗(コノシロ)の後ろに盛る

6)胡椒、好みのハーブをのせる

アドバイス

釣った魚は(買った魚も)、どんな魚でもオリーブオイルでソテーすると簡単ですね。
鮗(コノシロ)は骨が多いため嫌われがちですが、実はとても美味しい魚なのです。
私たちは、せっかく釣れたのに、なあんだ鮗(コノシロ)かぁ、と言ってリリースしていました。これからは心を入れ替えて一生懸命鮗(コノシロ)を釣ります。
鮗(コノシロ)は日本近海に回遊しているので釣り人には身近ですし、通年水揚げされていて、お魚屋さんでも売られていますよ。是非食べてみてくださいね。

完成です!

 

 

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