今回作った「ふきの青煮」/器、酒器ともに丹波立杭焼 お猪口は清水焼
ふきの季節がやってきました。
早春の花茎をフキノトウ(蕗の薹)といいますね。
ふきの葉柄(ようへい・植物において葉身と茎を接続している小さな柄状の部分)は何とも春らしい香り、色、そしてシャキシャキの歯応えです。
毎年あの長~いふきを見かけたら嬉しくなってしまいます。
春の野菜は独特の香りや苦味があって、子どもの頃は苦手だった方も多いと思います。
とはいえ春の野菜をしっかり食べておくと、その1年は風邪をひかないとも言われます。
あの香りや苦味というのは植物が外敵(動物や虫に食べられてしまうことですね)から身を守るために身につけたものだそうですよ。
今注目を集めているファイトケミカルの事ですね。
抗酸化物質が豊富だから健康に有効なのだそうです。
アクの強い野菜ですが、うまくアクを落とせば美味しく頂くことができるのですから、手間を惜しまずたっぷり頂きましょう。
なんでうまくいかないの!?
ふきの色が悪くなる
ふきの淡い緑色は春らしくてとても美しいので、ぜひこれを生かしたいですね。
ゆでる前に塩を振ってまな板の上でゴリゴリ転がす(板ずり)ことによってふきの表面に細く傷がつき塩が浸透しやすくなります。板ずりしたら、このまま15分から20分置いてふきの表面に塩を浸透させます。水分がじわっと出てきますが、表面の水分を外に出すことによって茹でた時熱湯が一気にふきの表面に入り、綺麗な色になります。
塩は下味の役目も有りますので、茹でるときは塩を洗い流さずにそのまま熱湯に入れてくださいね。
そして色よく茹でたらすぐに冷水に落として色止めをする事も大切です。
くたくたになってしまった
ふきのシャキシャキとした歯ごたえを残しながら下茹でしましょう。
長時間加熱してしまうと歯ごたえがなくなってしまいます。
時々固さを見ながら4〜6分ほど下茹でしてください。
また、煮汁で煮るときも2分程度煮た後、煮汁ごと冷まして味を含ませます。
材料
ふき:1束
塩:適量
煮汁
だし汁:400 cc
砂糖:小さじ2 (6グラム)
みりん:大さじ2
塩:ひとつまみ
薄口醤油:20 cc
花がつお:適量
準備
ふき
葉の部分を切り落とす
下茹でする鍋の大きさに合わせて切る
水洗いし、まな板の上で板ずりする
そのまま15分おく
煮汁
すべてを合わせておく
作り方
たっぷりの湯を沸かし、ふきの塩を落とさずにそのまま入れる
太いものから順に入れる
固さを見ながら歯ごたえを残す程度に4〜6分ほど茹でる
冷水に落として色止めをする
ふきの切り口に爪を立て筋と皮をめくる
そのまま引っ張って筋と皮をむく
反対側の切り口も同様に筋と皮をむく
4センチの長さに切る
目盛りの付いたまな板って便利ですね
煮汁を沸かしふきを入れる
再び沸いたら2分ほど煮て煮汁ごと氷水で冷ます
しっかり味が入ったら盛り付けて煮汁を張り、天に花鰹を盛る
アドバイス
ふきの下処理などやや面倒ですが、丁寧に作ったお料理はやはりおいしいですね。
煮汁に付けたまま冷蔵庫にしまっておくと日持ちがしますので、たくさん作って毎日楽しんでください。
1年のうちに限られた時期しか味わうことのできない春のお野菜です。
暖かく爽やかな季節とともにたっぷり味わってくださいね。