2023年冬、私たちは静岡県の由比を訪れました。
アニサキスは怖くない!画期的なライト/これはスグレモノだ!
Contents
東海道の宿場町の一つ・由比(ゆい)
「桜えび」を今回食べた由比は東海道の宿場町の一つです。そして、由比宿は日本橋から十六番目の宿場です。
歌川広重(うたがわひろしげ)「東海道五十三次」(とうかいどうごじゅうさんつぎ)薩埵峠(さったとうげ)
薩埵峠(さったとうげ)は由比から少々西に位置します。
この由比の薩埵峠(さったとうげ)は富士山のビュースポットとして今でも有名です。歌川広重の浮世絵シリーズ「東海道五十三次」にも描かれており、同じ構図で富士の眺望が楽しめるところです。
これはすごい断崖絶壁ですね。東海道の中では難所として知られていたこと、よく理解できます。左上にいる三人の人物は斜面から今にも転落しそうです。
これは歌川芳盛(うたがわよしもり)の描いた薩埵峠(さったとうげ)
これもすごい断崖絶壁を大名行列が通るという興味深い構図ですね。
現在の薩埵峠(さったとうげ)はハイキングコースになっています。
東海道で、海岸線を安全に通行できるようになったのは、嘉永7年(1854年)旧暦11月4日の大地震で海岸が隆起してからだだということです。その規模は諸説あるのですが、1.5mほど隆起したと推定されています。隆起したためにこのように海岸沿いを通行できることができたのですね。
薮崎芳次郎:「東海道鉄道興津海浜真景」(明治26年;石版筆彩)
今ではその狭い海岸線に東海道本線、国道1号線、東名高速道路という、日本の大動脈が束ねられたようにして走っています。私たちもその複雑に入り組んだ道路を何回も通りました。(旧街道から国道1号線に出たり、またその反対のルートを通ったり)
東名高速で通り過ぎるとわかりませんが、一度、由比に降りるとその道路の複雑さを感じますよ。
桜えび漁は由比で始まった!
桜えび漁は現在の静岡県由比町にあたる今宿で始まりました。それは、明治27年(1894年)11月、漁師の望月平七と渡辺忠兵衛が偶然に桜えびをとったことから始まります。
いつも通りに鯵(あじ)の夜曳漁(よびきりょう)に向かったものの、網を浮かせるための「カンタ」という浮樽を積み忘れてしまいました。そのせいで、網が海中深く沈みます。
仕方なしにカンタなしで網をおろして漁をしました。そこに、引き揚げた時にかかっていたのは一石(約150kg)の桜えびだったのです。網がいつもより深い水深を曳かれたため、桜えびがたくさんかかったようですね。
実は、従来から網に桜えびが紛れ込むこともあったのです。しかし、なぜかかるのかが分かっていなかったため、本格的な漁には発展していませんでした。
この偶然の発見により、桜えび漁は本格化していきます。厳寒の海上の小型船で、一晩中、漁をしていたことから、明治・大正時代には漁の辛さは「一に北海蟹工船、二に駿河の桜えび」とまで言われていました。
大正時代・由比今宿の海岸
鯵を狙っていたのが、偶然に桜えびがかかったのですね。興味深い話です!
その後、静岡県の駿河湾では桜えび漁が盛んになり、県の特産品となりました。
「桜えび」漁
駿河湾で漁獲される桜えびは、昼間は富士川・安倍川・大井川の河口沖200~350m程の比較的深いところに生息しています。夜間には水深20~60mの上層まで浮遊してくる習性があるのですよ。この習性を利用して桜えび漁は夜間に行われているのです。
漁期は、3月下旬~6月上旬までの春漁と、10月下旬~12月下旬までの秋漁の2漁期です。
私たちが行ったのは、10月下旬~12月下旬までの秋漁の時期ですね。桜えびの水揚げは、大井川港と由比港のみで行われているのですよ。
「桜えび」を干している風景/バックの富士山が美しですね。
「桜えび」実食!
今回行った「ごはん屋さくら」
由比にはたくさんの「桜えび」料理を食べることができる食堂があります。その中でも私たちは「ごはん屋さくら」を選びました。
「ごはん屋さくら」に入ったら
「ごはん屋さくら」は国道沿いで車で行きやすかったです。
お店に入った途端、エビの出汁の香りが充満していて、食欲をそそります。
ちょうどクリスマス前だったので、店員さんがクリスマスの帽子をかぶっていました。ここにはあまり写っていませんが、店内にはイチローのポスターや写真がいっぱい。店主に聞くと、やはりイチローのファンだとか。
「ごはん屋さくら」のメニュー
「ごはん屋さくら」にはたくさんのメニューがありますが(詳しくはお店のHPをご覧ください)、そのなかで単品とミニ丼を注文しました。
- 黒はんぺんフライ
- するが焼き
- 生桜えび丼
- 桜えびかき揚げ丼
「桜えび」料理実食!
生桜えび丼
白ご飯の上に生の桜エビがたっぷり、その上に刻んだわさびのおつけものがのっていました。おろしたわさびと生姜お醤油をつけて食べてもいいし、塩で食べても良いとの事。
生桜えびは少しもさもさした食感でしたが、エビの旨味はたっぷり。全く臭みもなく、とても新鮮な印象を覚えました。「桜えび」の味自体は少し甘く感じました。
ご飯は寿司飯じゃないんだなと思いました。普通の白ご飯でした。鮮やかな「桜えび」の赤い色が食欲をそそられる上に、乗せられた大葉とわさびのおつけものの、緑がよく映えてきれいです。
使ったお醤油は少し甘めの醤油でした。
添えられたお吸い物は「桜えび」とアオサノリのお吸い物でした。磯の香りのする「桜えび」の出汁のよくきいたあっさりしたお吸い物です。
桜えびのかき揚げ丼
とても軽くサクサクに挙げられていて、食感がとても良いと感じました。桜エビの香ばしい香りと旨味が口に広がります。ハートの形に仕上がっていていいですね!
黒はんぺんフライ
黒はんぺんの色は、はんぺんなのに黒いのです。それは魚を一匹まるごと練り込んで作られているからなんだそうです。 そして、原料となる魚は、サバやイワシです。魚の身の部分だけを使っている白はんぺんと違って、カルシウムや鉄分などの栄養素たっぷりですね。
黒はんぺんは由比の近く、焼津の名物です。
黒はんぺんの味は、通常のはんぺんよりも味が濃く感じました。フライにして揚げてあるので、サクサクとした食感が美味しいと感じました。
するが焼き
これは、桜えびとアオサノリの入った卵焼きです。磯香りがして、ダシも効いていています。とても磯香りが香ばしい卵焼きでした。
アニサキスは怖くない!画期的なライト/これはスグレモノだ!
「ごはん屋さくら」の情報
電話:054-376-0101
営業時間
[月・水~金]
11:00~16:00(15:30 L.O)
[土・日・祝]
10:30~18:00(17:30 L.O)
日曜営業
定休日
毎週火曜日 桜えび漁休漁月 第3(火)(水)連休