今回作ったアスパラ菜の「おひたし」/器は作者不明/酒器は丹波立杭焼
お野菜を買いに近くの産直のお店に行った時のこと、野菜売り場なのに綺麗な花束が売ってあるのです。
何で?と思って手に取ると、どう見ても菜の花の花束なんです。
よく見ると「アスパラ菜」と書いてありました。
あまり綺麗なので、このアスパラ菜の色を活かして綺麗な「おひたし」を作る事にしました。
アスパラ菜とは、菜の花と同じアブラナ科の植物で、アスパラガスとは全く関係ありません。アスパラ菜は中国野菜の花芽を食べる野菜で、暑さに強い「菜心(ツアイシン)」または「サイシン」と、寒さに強い「紅菜苔(コウサイタイ)」をこう配させ育成された新しい品種で、菜心や紅菜苔と同じく、とう立ちした茎葉と花芽を食べる野菜です。
見た目も菜の花そっくりで、このまま花瓶にいけて飾りたいくらいですね。
アスパラ菜は食用の菜の花にも似てるけど苦味やクセが無くとても食べやすいお味です。
茎は歯応えがあって固いのですが花はとても柔らかくて繊細なので間違っても茎も花も一緒に茹でたりしないでくださいね。
お花は優しく優し~くお料理してください。
「おひたし」とは浸すお料理の事です。
誰でも簡単に作っているお料理ですが、本当に美味しく作るには色々とコツがあります。
美味しいお出汁にやさしいお味を付けた浸し地、そこに材料を浸す事で中まで十分味が滲みて美味しくなりますよ。
浸す時間はかかりますが、放っておけば勝手に味が入るので手間はかかりません。
どうせ食べるなら美味しく作りたいですよね。
Contents
なんでうまくいかないの!?
アスパラ菜が水っぽい、またはしょっぱい
茹でた野菜にお醤油をかけただけの物を、「おひたし」と呼ぶことがあるようです。これでは、口に入れた瞬間はしょっぱいけど、噛んでみると食材の中から水が出てきて水っぽい味になった、という事になってしまいます。
食材の中までしっかり味が染みていないのですね。
野菜を茹でたあとはしっかり絞って水気を切って、それからじっくり浸し地に浸しましょう。
もっと丁寧にする時は、少量のつけ地にサッと浸けて絞った後(仮漬け)改めて漬けなおし(本漬け)ます。
また、出汁が薄いと水っぽく感じますので、濃いめの出汁を使ったほうがより美味しく仕上がります。
アスパラ菜の色がキレイにならない
葉物野菜の緑色はクロロフィルです。クロロフィルは加熱によって褐変するので加熱時間が長いと褐色になっていきます。加熱時間を短くするには湯温が下がらないよう、お湯の量を多くする事と強火にすることが大切です。
また、茹で上がったらすぐに冷水に落として冷まし、色の変化を止めてください。
アスパラ菜がくたくたになってしまう
野菜はどんなに新鮮なものでも、買って来た時点でもう既に水分が抜けています。
多少しんなりしていても「どうせ茹でるんだから一緒でしょ!」なんて思わないでくださいね。
パリッと水で戻した野菜は、茹でた後の食感が全く違います。野菜を使う前には必ず水で戻してシャキシャキ食感の「おひたし」を作ってくださいね。
葉物野菜はすぐに火が通るので茹で過ぎも禁物です。
茎の太い部分、細い茎、花と、太さによって切り分けておき、それぞれ別に茹でます。(加熱時間は、野菜の状態によって加減してくださいね)
材料
アスパラ菜:1束
熱湯
塩 熱湯の1%
氷水
浸し地
出汁:600cc
塩:小さじ2/3
薄口醤油:10cc
味醂:10cc
炒りごま:適量
準備
アスパラ菜
花の悪いところを取り除く
水に浸けてシャキッとさせる
浸し地
合わせておく
仮漬け用、本漬け用に分けておく
(だいたい1対2くらいの割合です)
作り方
アスパラ菜を3センチ長さに切り、太い茎、細い茎、花に分けておく
1%の塩を加えた熱湯に太い茎を入れて茹でる
ちょうど良い柔らかさになったら氷水に落として冷ます
冷めたら水気を絞って仮り漬けする
細い茎も同様に茹でて仮漬けする
花はサッと茹でてすぐに氷水に落とし、優しく絞って仮漬けする
それぞれ仮漬け地から引き上げて本漬けする
器に盛り付けて炒りごまを振る
器は丹波立杭焼/徳利は徳利は古伊万里染め付け/お猪口は伊万里焼
アドバイス
「おひたし」の作り方は、どんな食材でも殆ど一緒です。
一番大切なのは美味しいお出汁を使うこと。
お出汁は濃い目のしっかりしたものを使うと塩分が少なくても美味しいのです。これが正しい薄味ですね。出汁も効いてない、塩も少ないでは、ただの水っぽい味になりますよね。
アスパラ菜はクセがないので「おひたし」だけで無く、サラダやあえ物、炒め物などにも合いますよ。
完成です!