行った!見た!食べた!

行った!見た!食べた!|ジョージア3 民宿とグルジア軍道

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2016年 コーカサスの国・ジョージアの民宿に泊ったことと、絶景のグルジア軍道の話題を書きます。

以前、「ウシュグリ村」への酷道、そしてハチャプリのことを書きました。リンク先をご覧ください。

カズベキに来た

僕たちはジョージアの世界遺産スヴァン地方(ウシュグリ村のあったところ)から2泊かけ移動して、ロシアの国境近くのカズベキに来ました。住民とのふれあいもでき楽しいかな、と思い、農家の宿を選んだのです。

Red Stone Guest House

この宿は、おばあちゃんと、その娘夫婦で経営しています。おばあちゃんはジョージア(グルジア)語とロシア語しかできないのですが、いつも「オホホホ」と笑っているのです。明るい人で、一緒にいるだけで楽しい気持ちになります。

若い娘さんは多少英語ができました。ジョージアで英語が通じる人を見つける事は難しいので、それだけでも大感謝です。

毎朝の食事はおばあちゃんが作るジョージア農家料理です。ダイニングに大きなバケツが置いてあって、絞りたての牛乳が入っています。それをコップですくって温めて「オホホホ、牛乳」ともらいます。乳製品はとても豊富で、チーズ、ヨーグルト食べ放題だ。

それにジョージア風餃子、ヒンカリの山盛りサービス。ヒンカリに関してはまた書きますね。

動物臭がする朝食会場

宿の周りで走り回るブタ

毎朝、とてもたくさんの量の朝食。問題は、、ないと言えばないのですが、牛小屋や馬小屋が近いせいか、朝食会場もどことなく動物臭がします。村の生活を堪能する、と言えばそれもアリかな、と妻と話しました。多分、近代的な宿だけに慣れている人はとても気になるかもしれません。

宿から見える風景

グルジア軍道へ

いろいろと話していると、このおばあちゃんがこの宿のボス、つまりCEO(最高経営責任者)だということが判明。CEOに近隣でどこが面白いか聞きました。「グルジア軍道がいい」。軍道という言葉に僕は背筋を伸ばしました。

「行ってみよう!」妻と即座に決断。

グルジア軍道(通称なのでグルジアと表記します)は首都のトリビシからロシアのウラジカフカスに通じる全長200㌔キロ以上の道です。コーカサスの5000メートル級の山々に囲まれながら車は走ります。いままで見た事もない景色に圧倒されながら走るわけですが、見とれてはいけません。断崖絶壁の道なのです。

つい数日前に「ウシュグリ村」への酷道を経験していましたが、違う種類の酷道でした。途中、落石がありましたが、スケールがちがい大きなものは車の大きさの半分くらいのものもあるのです。よく見ると、最近落ちてきたような形跡もある「フレッシュ落石」です。落ちた瞬間を想像すると怖いですよね。

道路脇が陥没して穴が開いています。上から見ると、穴から何十メーターも下まで覗けます。この道路の下ってどうなってるのだろう。想像したくありません。穴のおかげで道幅は車一台分です。

後で聞いたが、このあたりを走る車はどこが危険か分かっていて、僕のように「シロート」の観光客がレンタカー借りて走るものでじゃないらしいのです。これは「酷道ランド」とも言えるジョージアの中でも、国際間の幹線として機能している「キングオブ幹線酷道」です。

この距離がギリギリですが、、、国境の写真を撮ってはいけません。特にジョージアとロシアは領土問題があり、ただいま紛争中です。

遠くにジョージア国旗とロシア国旗が見えました。「ロシアとの国境だ!」。車を停めて眺めていると、すぐに国境警備員が走ってきました。「なにをしている?」。かつてジョージアはロシアと軍事的対立していたので、緊張感があるのです。僕はためしに、自分のパスポートを見せました。「ちょっとロシア側の軍道をドライブできませんか?」。係員はきっぱりと首を横に振っています。「やっぱりそうか」。

そこですかさず「トイレ貸してください!」と国境警備員に伝えました。「いいよ」という答えに「ジョージアのトイレかロシアのトイレか、どっち使ったらいいの?」という僕の質問に国境警備員は大笑い。雰囲気は和らぎ、内心、「一本とったな」と思いました。

日本人はロシア側にヴィザ無し渡航なんかできません。もちろん、「ジョージアのトイレ!」と笑いながら言われました。

車の中で帰り道の地図を見ていると、パトカーが接近してくるではないですか。強面のスキンヘッドの警官が顔を出し叫びました。「なにをしている?」「これからジョージアのドライブですよ」。思いっきりニコニコして答えましたが、発進した後もしばらくスキンヘッドはパトカーで追跡してきました。

次の日の朝食

次の日の朝、動物臭の少しする朝食会場。

搾りたての牛乳を温め、それをすくいながらCEOがロシア語で言いました。「オホホホ。軍道はどうだった?」。「ロシアとの国境まで行ってきました!」。

「オーチン、ハラショー!」。(ロシア語、でよくできました。)

宿の周りで馬の放し飼い

この記事は以前、鹿児島のタウン誌「LEAP」に掲載したエッセイをもとに書かれています。

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