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山梨県の粉食(ふんしょく)ほうとう/吉田のうどん

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2022年、私たちは山梨をドライブしました。
河口湖
山梨県の郷土料理と言えばまず「ほうとう」が思い浮かぶのではないでしょうか。

実は山梨県には「ほうとう」以外にも数々の種類の粉食があり、吉田のうどん、みみ、おつけ団子、そばなど各地方の特色を生かしたお料理があります。

お菓子も様々で酒饅頭、泣きまんじゅうなどなどユニークなものを楽しむことができます。私たちも山梨県に滞在する時は、様々な粉食(ふんしょく)を楽しんでいます。

山梨県の粉食については農林水産省の「うちの郷土料理」に記事が載っているので引用しますね。

ほうとうをはじめ、山梨県では粉食が食文化の一端を担ってきた。うどんやそばといった一般的な料理から、パンケーキのような「うすやき」やショートパスタのような「みみ」、強いコシのある「吉田のうどん」などの郷土料理まで、あらゆるバリエーションが編み出されてきた。粉食が生活のなかに定着した背景には、山梨独自の地勢がある。帝京大学文化財研究所の客員教授である中山誠二さんは、こう分析する。「山梨県は県域の約8割を山林が占めています。江戸時代に治水が整備されるまでは、お米が収穫できる水田はごく一部の平地に限られていました。そのため、山麓部や丘陵地などで栽培される麦や雑穀、そばなどが作物の中心でした」。

弥生時代ごろは穀物を粒のまま食べる粒食が主流だった。ところが鎌倉時代になると武士や僧侶の間で製粉具が使われるようになり、次第に粉食の割合が増えていく。江戸時代には、村々に水車が設置されるようになり小麦粉の安定供給が可能に。一般庶民の食卓にも粉食が浸透していった。「傾斜地を流れる小川が水車の動力源になりました。明治時代には県内で三千基を越える水車が稼働していたそうです。つまり、製粉具の発達と水車の普及が粉食文化を育んだことになるわけです」。

中山誠二さんは、南アルプス市ふるさと文化伝承館の館長さんで、

県が発行している「やまなしの食」まるごとハンドブックにも面白いコラムを書かれています。

今回の山梨県訪問でも私たちは色々な粉食を楽しみましたよ。

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山梨県のほうとう

先ずは「ほうとう」のご紹介です。山梨県の郷土料理といえば、「ほうとう」です。

太い麺を味噌と一緒に煮込んだのが特徴ですね。カボチャをはじめ野菜がたっぷりの体にも優しい見た目です。

山梨を訪れたら一度は食べておきたい定番グルメとして紹介されています。

「ほうとう」の由来

「ほうとう」は、「餺飩」と書きます。不思議ですね。その由来は大きく二つあります。その二つをご紹介します。

  • 「餺飩」は、こねた小麦粉を麺棒で薄く延ばします。そしてそれを煮込んだうどんのことを指します。
    これは、奈良時代の頃に遣唐使などによって大陸から伝わった食べ物と言われています。そして平安時代に餺飩(はくたく)の音が変じて、「ほうとう」と呼ぶようになったと言われているのですよ。
  • 戦国時代に武田信玄が川中島の戦いの折に考え出された陣中食がありました。これは俗に「武田汁」と言われました。これも上記のように甲州に訪れた遣唐使から伝承されたと言われています。
    この「武田汁」は生麺と季節の野菜を使い味噌汁の中で煮込むというものです。手間がかからず、消化も良く栄養価も高いことから、「武田汁」は野戦食として重宝したそうです。そして、武田信玄自らの伝家の宝刀で、麺を細長く切ったことから、“宝刀”(ほうとう)の名が生まれたという伝説もあります。

うまいもんだよカボチャのほうとう

山梨には「うまいもんだよ南瓜のほうとう」という言葉があります。

このように、「ほうとう」には熟した甘い南瓜がつきものなんです。

首尾よく万事うまくいったというときに「やったね!」という感じで使う言葉だそうです。

この、「ほうとう」ですが、山梨県ではほとんどの地方で「ほうとう」をいただくことができ、ほうとうの看板やのぼりを掲げたお店は数多く、どのお店にしようかと迷ってしまいますね。

「ほうとう」のお店

今回私たちが「ほうとう」を頂いたのは、こちらです。

歩成」(本店)さん。

歩成は大変な人気店で、「昇仙峡フォート味くらべ真剣勝負」と言う、「ほうとう」のランキングで3年連続1位に選ばれたお店だそうです。

私が訪れた日も開店早々満席になっていました。

こちらの「ほうとう」は、こだわりの黄金味噌が自慢のようです。味噌にかぼちゃのペーストを加えた黄金色の味噌です。

「ほうとう」のつゆにはアワビの肝のペーストを加えてあるそうです。この地方は煮貝という、アワビの煮物も特産物ですものね。

出汁は煮干し、さば節、鰹節、昆布を使ってとっているようです。

今回食べたのは「豚肉入り」の「ほうとう」です。1,320円です。

確かにはカボチャ色をしていてカボチャの甘みが効いていますね。あわびや煮干しなどの魚介類の旨味よりも、様々な種類の野菜から出た旨味の方が強く感じられました。

とにかく野菜がふんだんに使われていて、白菜、にんじん、しいたけ、ごぼう、大根など野菜の旨味を感じられる素朴でおいしいつゆです。

普段関西風のうどんで、すっきりした出汁のうどんつゆに慣れているので、このドロっとした感じのつゆは新鮮に感じます。

海の幸と言うよりも山の幸を味わっている感じです。

面白かったのはお店の壁に貼ってある空中かぼちゃの写真です。葡萄棚を利用して空中栽培しているのでかぼちゃが地面に触れずまんべんなく日光に当たるのですね。

実際に見てみたかったのですが、私の行った時期には空中かぼちゃはなっていなかったようです。

スーパーにも「ほうとう」は並べられていますし、この地方のご家庭ではおうちでも普段のお食事にほうとうを召し上がっていらっしゃるようですね。

歩成本店の情報

TEL:0553-23-0253

住所:山梨県山梨市上神内川1234

[GoogleMAP]

定休日:月曜日 ※祝日の場合は翌平日

平日昼:11:30~14:00
夜:17:00~24:00

土日祝祭日:11:30~24:00

アクセス:JR山梨市駅前備考駐車場完備

山梨県の「吉田のうどん」

次は「吉田のうどん」をご紹介します。

私たちは山梨県に来るまで「吉田のうどん」のこと、知らなかったです。山梨の郷土料理を調べているときに、「吉田のうどん」の情報を知りました。

「吉田のうどん」の歴史

吉田うどんの起源は、江戸時代までさかのぼるそうです。日本では古くから稲作が盛んですね。そう、米を主食としてきました。
しかし、吉田うどんを名物として掲げる富士吉田市など、富士山のふもとの地域は、冷涼な気候と溶岩に由来する土壌が原因で稲作には向いていなかったのです。

そこで、米の代わりに小麦粉が作られ、粉食料理が主食となっていったのです。

そして、江戸時代に入ると、富士山を信仰する富士講が流行しました。

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富士講のおかげで富士山のふもとの町は参詣者で大いににぎわいました。そこで、参詣客にうどんが売られ始めるようになり、うどんが名物となったそうです。

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「吉田のうどん」を食べられるところ

「吉田のうどん」はその名の通り山梨県富士吉田市周辺でいただくことができます。

「吉田のうどん」は山梨県の代表的な粉食の1つです。

「ほうとう」に比べると知名度は劣りますが、こちらもなかなか個性的です。富士山の麓にある富士吉田と言う地域の郷土料理です。なんといっても麺のコシが特徴で、噛めば噛むほど素材とだしの旨味を楽しめる硬い麺です。

うどんつゆは醤油と味噌をベースにしたもので、甘辛く煮た馬肉と茹でたキャベツがトッピングされています。ユニークですね。

お店には「すりだね」と言う調味料が置いてあり、これを入れるとまた味が変わって面白いです。すりだねはお店によって味が違うようですが、ごま、山椒、唐辛子等を混ぜ合わせて作った薬味です。他に刻みネギ、天かすなどを好みでトッピングします。

なぜ吉田のうどんがこんなに固いと言うと歴史的な理由があるようです。

富士吉田市の観光ガイドには次のように書かれています。

昭和初期、富士吉田の中心産業は繊維業で、下吉田地区の半数以上の世帯が繊維業を営んでいるほど栄えていました。その家庭では、織物の機械を動かす女性が昼食の準備で作業が止まらないように、また、織物を扱う女性の手が荒れないように、男性が昼食にうどんをつくるようになったといわれています。男性たちは腹持ちの良いうどんを作ろうと力強くうどんを練るため、歯ごたえ・コシのあるうどんが主流になったそうです。今でもうどん店では力一杯練られた、昔ながらのうどんを楽しむことができます。

 

富士吉田には、この吉田のうどんを提供しているお店がたくさんあり、吉田のうどん巡りに便利なうどんマップも作成されています。

吉田のうどんマップに掲載の全店舗制覇すると吉田のうどんマイスターとして認定されるそうです。面白いですね。

スーパーや道の駅でも吉田のうどんセットやカップめんも販売されており、ご自宅で楽しむこともできます。

「元祖みうらうどん」

私たちが今回訪れたお店はこちら。「みうらうどん」こちらは人気店です。

駐車場に車を止めるとお店からおだしのいい匂いが漂ってきます。車は次々に入ってきて開店と同時にあっという間に満車です。

大変な人気店で、お昼時になると満席になり、1人または2人で行くと相席になります。

メニューの数は豊富ではありませんが、私たちは「肉うどん」を注文しました。中サイズで、450円です。

コロナ禍の時でもあり、テイクアウトして車内でいただきました。

こちらのうどんつゆは醤油と味噌がベースになっていてとても優しい味です。麺は固めの太麺でモチモチしていて歯ごたえがあります。

甘辛く煮た馬肉が優しい味のうどんの良いアクセントになっています。キャベツはあっさり柔らかく茹でてあります。

全体的に優しい感じにまとまったお味ですが、すり種を入れると味が変わってさらに個性的になります。

天かすを入れるのもコクが出てより美味しくなると思いました。

吉田のうどんのお店はたくさんありますが、それぞれトッピングやスープに個性があって食べ比べするのも楽しそうです。

お気に入りのお店を見つけるのも、その日の気分で違うお店でいただくのも良いですね。

マスコットキャラクター、よしだのうどんぶりちゃんも大活躍中だそうです。

「元祖みうらうどん」の情報

所在地:〒403-0004山梨県富士吉田市下吉田1-22-5

電話:0555-30-2377

営業時間:10:00~14:00

定休日:水曜日(祝・祭日は営業)(お盆・年末年始は営業)

駐車場:25台完備

山梨の観光

今回行って印象的だったところの写真を載せますね。

山中湖

山梨といえば富士山。山中湖から見た富士山はとても美しく感じました。

忍野八海

その昔、忍野湖は富士山の噴火活動を何度も経て、徐々に富士裾野と御坂山系との狭間を水触、掘削排水され長い期間の後、ついに湖は涸れました。しかし、富士山の伏流水に水源を発する湧水池がいくつか残りました。 その代表的な湧水池が現在の「忍野八海」です。

太郎・次郎滝

以下の言い伝えが残っているところです。

昔全国を荒らした侠客の一味に、困る者を助けた太郎・次郎という凶状もちの兄弟があった。ある夜捕方に追われて上夏狩に逃げ込み、ある旧家に救いを求めた、家内の人々は驚きあわて唯うろうろするばかり、その内捕方が踏み込んで来たので太郎・次郎は奥の間から雨戸を蹴破って外に出たが、捕方の追撃は急であった、土地不安の太郎・次郎は逃げ場を失いこの滝の瀬に乗って滝壷に落ちてしまった。と云われています。

都留市のHPより

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