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ギリシャ旅行6|予想が外れた!ビールが美味しいじゃないか!

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ギリシャのビールの歴史

さて、いきなり歴史の話です。

ギリシャとビールって、あまり具体的なイメージ湧かないですよね。僕もそうでした。しかし、古い文献を見るとビールの記述がいくつかあり、古くからギリシャ人はビールに親しんでいたことがわかります。

ギリシャの文献にビールが見られるのは、紀元前6~5世紀頃、古代ギリシャの歴史家、著作家、そして神話学者のミレトスのヘカタイオスや、古代ギリシャ歴史の父・ヘロドトスの著した文献からなんだそうです。それは、ギリシャではなくエジプトのビールについて伝えているのです。

エジプトから

ビールは古くはエジプトで飲まれていました。かつては、エジプトでのピラミッド建設の労働者は奴隷と考えられていましたよね。僕も歴史の本で読んでそう思っていました。しかし、最近の研究では、衣食住すべてが支給され、専用の住宅に家族と住み、ビールを飲み、ニンニクも支給されていたということが判明しました。(けっこういい暮らしをしていたのですね!)このエジプトからギリシャにビールの製法が伝わったとされています。

紀元前700年頃にはすでにエジプトからギリシャにビールが来ていたのでしょう。古代のクレタ島では、ビールを保存するのに適した呑み口のある壷が発掘されているのですよ。

僕の愛してやまないソフォクレスは、、、

 

ソフォクレス は僕の大好きな作家です。「オイディプス王」は若い頃から何度も読みました。(その度に感動する!)紀元前4世紀、その悲劇詩人のソフォクレスが、「ギリシャ本土のビールを、我々は飲みたいとは思わない」と書いているのです。う〜ん、あまり美味しくなかったのですね。

ギリシャでは ビールは異国人の飲み物とされ、一般にはほとんど飲まれなかったようです。ギリシャは土地の生産力が悪くて麦類がよくできなかったのも理由の一つです。それとは逆に、ブドウやオリーブがよく成長しました。それだから「酒といえばやっぱり葡萄酒だよね!」という感じだったようですね。

異国の酒、ビールに比べて葡萄酒は安く、庶民でも毎日たらふく飲むことができたのだそうです。

ここまでは昔の話(しかし、ギリシャの「昔」は桁違いに古いですね)。

現代ギリシャのアルコール事情

ちなみにギリシャでは18歳から飲酒が法的に可能です。バーなどで18歳未満にアルコール類を提供した場合、店主は罰せられます。しかし、IDなどの提示を求められることはめったにないそうです(なんだかユルそうですね)。飲酒運転はアルコール濃度によって罰金が変わります。200ユーロから1200ユーロの罰金があります。特に重い場合は6ヶ月の免停、刑務所に拘留6ヶ月というケースもあるので注意を。

日本では、地下鉄やバスなどで、ちびちび酎ハイなんか飲んでるおじさんいますよね。そんな感覚でギリシャで飲んだらアウト!公共交通機関での飲酒は基本的に禁止です。

ビーチでの飲酒は許されています。酔って溺れてしまったらどうなるかというと、「自己責任」。でも、泥酔してる人いません。

アルコール消費の割合

アルコール消費に占めるビールの割合は約18パーセント。これに比べてワインの割合は約47パーセントです。どちらかと言うとギリシャではワインの方がメジャーなのでしょうね。

1人当たりアルコール消費量(エタノール消費量)

各国の1人当たりアルコール消費量(エタノール消費量)の国別順位(2018)で言うと、統計をとった中ではギリシャは世界で67位、1人当たり6.10リットルです(純アルコール換算ベース)。

日本はと言うと、63位、1人当たり6.82リットル。アルコールの消費量に関しては、ギリシャは日本の状況に近いですね。

ちなみに、国税庁の統計情報(2016)で日本でアルコール消費量が最も多いのは東京都で20歳以上人口1人あたり9.54リットル(これは意外です)。。我が故郷、鹿児島は2位、9.43リットルです(これは納得できる)。鹿児島の体験はこちらをご覧ください。

それでは私たちの飲んだギリシャビールをご紹介します

1)まずは、FIX Hellas(フィックス・ヘラス「ラガー」)

1864年から、「最も長く豊かな伝承を受け継ぐギリシャ・ビール」なんだそうです。ビールでは、国内売り上げナンバーワン。1世紀近くギリシャのビール界のチャンピオン的存在でした。しかし、一時期、後発のビールたちにシェアを取られてしまい、生産中止に追い込まれました。今は生産が再開されて、品質の高さと上質な味わいが世界各地で評価され、「全部で38の金賞」を受賞。「これはすごそう!」と、どんな味かと興味津々でした。1本、1ユーロくらい。

FIX Hellas(フィックス・ヘラス「ラガー」)ビールの味は

ギリシャは乾燥しています。私たちが訪れた初夏ではもうすでに「ビールが欲しい!」時期でした。

「FIX」ビールの味は爽やかなソフトな感じですが、しっかりしたコクがあります。飲みやすかったです。「FIX」ビールのアルコール度数は5%で、一般的な日本のビールとそう変わりませんね。飲みやすいので、暑い時にはゴクゴク飲んでしまいそう。

この会社の謳い文句がすごいです。

「一日のどんな時間帯や場所においても楽しめる、理想的なビールです。」

どんな時間帯、どんな場所、、、本当にいいのでしょうか。笑。

2)次に紹介するのは、Mythos(ミソス・ビール)

これは「FIX」ビールよりさらにあっさりと飲みやすいビールと感じました。「FIX」ビールに比べると薄い金色です。とても軽い味で飲みやすいです。値段は1本、1ユーロくらい。

「Mythos」ビールはギリシャのビールの中で輸出量No.1です。35以上の国に輸出されているのですよ。ギリシャに旅行すると、この「Mythos」ビールはどこのスーパー、レストラン、タヴェルナでも見られます。

Mythosとはギリシャ語で、神話やレジェンドを指すのです。 キャッチフレーズ的に言うと、「ギリシャと言えばギリシャ神話、ギリシャビールと言えば「Mythos」ビール!」という感じでしょうか。それだけ、たくさん愛されているビールです。

3)Vergina(ヴェルギナ)

この写真のビールのラベルを見ただけで、「あ!Vergina(ヴェルギナ)だ!」と読めるあなたはかなりのギリシャ通です。

Vergina(ヴェルギナ)は北ギリシャの代表的なビールとして人気ありますよ。日本のギリシャ料理レストランでも提供することがあり、「ベルギーのビールだ!」と思う人が多いとか。ちなみに、国名「ベルギー」はBから始まる「Belgium」 です。

最初、このラベルのギリシャ文字をなんて読んでいいのかわからず、再度注文する時に困りました。後で、これはギリシャの中央マケドニア地方に属する町の名前「ヴェルギナだ!」とわかり、覚えやすくなりました。

「Vergina」ビールは、テッサロニキから南西に80km位に位置する世界遺産のある街、「ヴェルギナ」にあります。「Vergina」ビールの工場もそこにあるそうです。このヴェルギナの遺跡は1996年に「ヴェルギナの古代遺跡」として世界遺産に登録されています。今回はペロポネソス半島を周る旅だったので行けませんでしたが、今度ぜひ北ギリシャも訪れてみたいと思います。

さっぱりした上品な味でした。1本、1ユーロ前後です。

「ヤマス!」(ギリシャ語で乾杯)

でも、飲み過ぎに注意!

ギリシャの旅パート7は、ギリシャのスイーツの話です。

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