日本各地にユニークな郷土菓子があり、その場所、その時期にしか味わえない珍しい物がたくさんありますよね。
旅先を歩いていてたまたま出会う物や、あー、ここにあったのか!と探していたものを偶然見つけることもあったりします。楽しいですよね。今まで知らなかった美味しい物を発見すると嬉しくなります。だから旅ってやめられませんね。
何処へ行っても新しいこと、知らなかったこと、満載です。
今回ご紹介する「みょうがぼち」は、岐阜県北方地方を旅行中、たまたま見つけ、「何だろう、これ?」と思って試しに買ってみたお菓子です。
岐阜県のドライブでは雄大な山々が見れます。
途中、標高950メートル。乗鞍山麓にあるカクレハ高原に寄りました。空気が綺麗でした。
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「みょうがぼち」のあるところ
岐阜県北方地方に「みょうがぼち」がありました。
「みょうがぼち」とは
「ぼち」って餅のことなんですって。何だか可愛い名前ですね。
茗荷の葉で包んだお餅です。茗荷って花芽を薬味や酢漬けにして食べますが、葉っぱを使うなんて珍しい。
茗荷の葉は6月頃から出回ります。
茗荷の葉には殺菌効果があり、暑い日も食べ物が傷まないように使われていたのですね。昔の人の生活の知恵です。
中に詰まっている餡は、何とそら豆餡。珍しいですね。また、餅は餅米ではなく小麦粉で作ってあります。
「みょうがぼち」農林水産省の説明から
農林水産省、うちの郷土料理から引用します。
みょうがの葉が繁りだす初夏になると、各家庭で作ったみょうがぼちを、田植えや農作業の一休みに、おやつとして食べていたと伝えられており、かつては「田植えぼち」「野休みぼち」とも呼ばれていた。 みょうがぼちに欠かせないみょうがの葉には、殺菌効果があることから、食品が傷みやすい初夏から夏にかけての携帯食に用いられることが多く、冷蔵庫などの食品保存機器が無い時代の先人の知恵がうかがえる。加えて、あんに使われているそら豆には、鉄分やタンパク質が含まれているため、農作業の疲れを癒やすのに最適なおやつだったと言える。
なるほど、忙しい農作業の合間に、田んぼの畦道に腰掛けて、みんなでみょうがぼちをほうばっていたのかな。
何だかのどかな風景ですね。
「みょうがぼち」実食!
では早速頂いてみましょう。
あー、そうだ茗荷の香りだ。確かに茗荷の香りがします。
茗荷の葉を開けると淡いクリーム色のお餅が出てきます。
ぼち(餅の部分)にもしっかり茗荷の香りが移っていてフワーっと漂ってきます。
ぼちは、小麦粉でできているので、餅米の粘って伸びる感じでもなく、うるち米のもっちりした団子っぽい感じでもありません。
柔らかくねっとりしていて、ぷりんとした独特の食感ですね。
餡はそら豆の香りがして甘味控えめな優しい味です。ねっとりしたあんの中にホクホクとした感じもあります。
とても素朴なお菓子で、何個でも食べてしまいそうです。残念ながら夏の間しか作られていないそうですので、いつでも食べられるわけではないようです。
岐阜市の有名な老舗の「みょうがぼち」
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他の地方では売られていないので、この時期、ここに来るしかありません。
また年中行事ができてしまいました。来年も初夏になったら北方に来よう。