私たちの最も身近な食材のひとつであるお揚げさん。
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油揚げ消費日本一の福井県
実は油揚げ消費全国第一位は福井県なのです。ご存知でしたか?
福井の食卓では厚揚げを使った料理が多くあるそうです。
総務省が行なった「平成16~18年度家計調査にみる品目別支出金額及び購入数量の都道府県庁所在地ランキング」によれば、 福井市の油揚げ(厚揚げ、がんもどきの合計)の購入額が全国一位で、6,452円です。
全国平均3,291円と比較すれば2倍近い消費量ですね。いかに福井県の人が油揚げ好きかわかりますね。
福井県で消費量が多い理由について、浄土真宗信仰などが考えられているそうです。
\このカメラ・フードフォトに最高です!/
報恩講料理「ほんこさん」
浄土真宗の信仰があつい福井で信徒の催事「報恩講」の昼食には当時高級品だった油揚げを使った料理が必ず添えられたそうです。そして、一般家庭に広まったといいます。
福井県では昔から仏教、特に浄土真宗の信仰に熱心で、開祖・親鸞聖人の祥月命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)の前後、秋から新年にかけて浄土真宗各派の年中最大行事である報恩講を各地でおこなう。福井県では「ほんこさん」や「おこ(う)さま」と呼ばれる。親鸞の教えに触れ、敬い、徳に感謝するという意味がこめられている。寺院でおこなわれるもの、一般家庭でおこなわれるもの、地域の集会所で開かれるものとさまざまである。その報恩講の期間中、午前と午後のおつとめの合間である昼食、さらに夕食では「お斎(おとき)」と呼ばれる旬の収穫物(野菜や穀物)と豆(油揚げや豆腐)を主に一汁三菜を基本とした精進料理が、集まった人々にふるまわれる。それが「報恩講料理」と呼ばれる。報恩講料理はお寺だけで食べられるものではなく、仏事や祭事などの際、おもに地元の女性が集まり心をこめてつくり大勢にふるまう。また、通常の生活でも食卓に上がるなど”ふるさとの味”として家庭料理に根付いている。
農林水産省のHPより
油揚げは江戸時代には存在していました。その当時、油は高級品で揚げ物を食べることができたのは主に身分の高い武士たちだったようです。江戸時代中期頃になり、ようやく庶民の間にも食用油が広まります。そして、油揚げが多く作られ、たくさんの人が口にできるようになったのですね。
谷口屋に行った
今回、私たちは、その福井県で谷口屋さんの名物「竹田の油あげ」を頂くことにしました。
この谷口屋さんですが全国的にとても有名なのでご存知の方も多いと思います。日本で唯一の「油揚げレストラン」です。
レストランは予約が出来ないので実際に店舗に行ってから整理番号をもらわないといけません。
お昼時は混むからと思って2時頃伺いましたが満席で30分程待つ事になりました。
とはいえお店は美しい自然の中にあり、散策を楽しんでいるうちに順番が回ってきました。
お店は少し不便な場所なのですが、こんなにたくさんの方がいらっしゃるのですね。びっくりです。
竹田の油あげ実食!
注文したのは、竹田の油あげ定食と豆腐カツ。定食のご飯はかやくご飯にして頂きました。
油あげは揚げたてなのでカリカリサクサクとした食感です。
じっくりしっかり揚げているためでしょうか、たくさん空気を含んだ大きな気泡ができているので全体がふわっとしています。
表面だけでなく中心までふわふわなので、油あげが浮いてこないように上から押さえたり、微妙な温度管理などの技術があるのだと思います。ひとくち食べてみると優しいお豆の香りがします。サクサクふわふわの食感がいいですね。
かなりの油の量のはずなのにあっさりしていてくどくなりません。
油の秘密?
油に秘密があるのかなと思ってお店の人に聞いてみました。
「何の油を使って揚げているのですか?」
「太白胡麻油を使っています」との事。なるほど。だからあっさりしているのか。
レストランに併設されている売店では菜種油を使ったものもあり、そちらはもっとコクのある味になっているそうです。
油あげの他には
絹豆腐、油あげの含め煮、油あげの佃煮、お味噌汁、お漬物、かやくご飯です。
お豆腐がメインで、肉も魚も使われていませんが、どれもこれも良いお味でした。
豆腐カツ
ソースも美味しくて、ちょっと鶏肉と勘違いしそうなぎゅっと詰まった味でした。
\今回このカメラで撮っています!/
谷口屋のインスタグラムありました
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さすが専門家
お家ではなかなかこんな風に揚げるのは難しいですね。
私も以前自分でお揚げさんを作った事がありますが、水分の多い豆腐を素揚げするので油が跳ねて大変でしたね。谷口屋さんみたいなふわふわのお揚げさんにはなりませんでした。
日本中に色々なお揚げさんがあり、食べ方も様々なので各地のお揚げさん巡りも楽しそうですね。