2024年3月ルーマニア/サトゥ=マーレというところで、オーケストラを指揮しました。
ルーマニアでは2つのオーケストラの常任指揮者をしていますが、サトゥ=マーレのものはその一つです。今回は映画音楽のコンサートを指揮しましたよ。
コンサートの翌日、私たちはルーマニアの村に行き、食事したり料理を習ったりしました。
<ルーマニアの黒葡萄のワイン、僕は大好きです!>
カマルザナに行った
ヨーロッパの中でも、特にルーマニアは中世の雰囲気がそのまま残っている名所が多く、田舎に行けば行くほど伝統的な生活を続けている地方が多いです。
車道を馬車が走っているなんて、他の国ではなかなか見られない光景ですが、こちらで過ごしていると、馬車とすれ違うことも普通のことに思えてくるのが面白いですね。
今回は、ルーマニアの北西部、ウクライナ国境に近いカマルザナという村に訪問させて頂きました。北部に赤字で小さく書いているところです。ルーマニアの北の端っこです。
今回は村の人たちの生活に触れて、一緒に食事しようと思いました。
私はルーマニア滞在中、街で過ごすことが多いので、田舎の生活に触れる機会がとても少ないのです。初めて伺う村なので、何日も前からワクワクドキドキしていました。
友人のマリンさんの車で村に向かいます。
馬車とすれ違った
サツマーレの街から2時間くらい。サツマーレの街は小さいので、街を出るとすぐに田舎の景色に変わります。どちらを向いても畑です。時々馬車とすれ違います。
馬車は車道を普通に走っています。牛だって車道を歩きますよ。
マリアさんのお家に到着
やっと到着しました。ここはマリアさんのお家。
この家は昔からある伝統的な家屋で、とても合理的に作られています。
家の脇には小川が流れていて、水車を回しています。
水車があった
水車が回るとミルが回って、とうもろこしの粉を引きます。その粉を使ってママリガなどのお料理や、パンを作るのです。
トウモロコシは粗く挽いて粉にし、粥のように煮てから牛乳とバターを混ぜ込み、ママリガ (mămăligă) にして食べる。これはイタリアのポレンタに似た料理で、見かけは多少黄色味の強いマッシュポテトに似ている。なお、小麦やトウモロコシほど使用頻度は高くないものの豆を使った料理も存在する。
ママリガはルーマニア料理の主食として最も多用される。スムントゥナ(Smântână、スメタナ)とチーズ、ママリガを併せたママリガ・ク・ブルンザ・シ・スムントゥナ(mămăligă cu brânză și smântână)はルーマニアの主食ともいうべき料理である。同じく、豚肉やソーセージとママリガを併せたママリガ・ク・オウ・オキは一皿で食事として完結している。ママリガはブラム・ストーカー作の『吸血鬼ドラキュラ』に登場するほどであり、ルーマニアの国民食と言える。
ちなみに、小説「吸血鬼ドラキュラ」のルーマニア・トランシルヴァニアに関しての記述は間違いがたくさんあります。それもそのはず、作者は現地を訪れたことがなく、少ない資料をもとに想像で書いているからです。
かまどを見た
ここにかまどがあります。
屋根裏部屋
料理で出て来た煙は煙突を通って屋根裏部屋に上がります。屋根裏部屋では塩漬けの肉がたくさんぶら下がっています。
肉はかまどから上がって来た煙でスモークされ、ベーコンやソーセージになります。うまく出来ていますね。とうもろこしや麦などの穀物もここで乾燥されます。
伝統的な田舎の寝室
こじんまりとした小さなお家ですが、とても機能的ですね。マリアさんたちは、ここで昔ながらの生活をしているのです。
外に出てみると、お庭の向こうに羊小屋があります。
羊もいた
ここは羊を放牧させる広い牧場です。鶏も放し飼いです。
近くの畑では自分たちが食べるための野菜や果物を育てています。大きなかまどでたくさんパンを焼いています。香ばしい香りがしてきます。
りんごもたくさんとれました。
羊の赤ちゃんが生まれました!
パンが焼き上がった
焼きたてのパン、こんなに大きいのを頂きました。
模様がきれいですね。
庭のテーブルを囲んで先ずは歓迎のツイカを頂きます。ツイカはルーマニアの伝統的なお酒で、プラムの蒸留酒です。
おじさんが作ったとっておきのツイカをマリンさんについでもらいました。辺りいっぱいにプラムの芳醇な香りが漂います。ふわぁっと広がるプラムの香り。グラスを顔に近付けるだけで酔ってしまいそうです。
アルコール度数が高いので、お酒の弱い人は要注意!
おつまみはお手製のベーコン、ソーセージ、ピクルス、色んな野菜のペースト、焼きたてのパン、、、、、
ハーブのペーストをパンにつけるととても美味しく感じました。
どれもこれも特別な日のために大切に保存しておいた、とっておきのご馳走なのです。
春の日差しは暖かく、楽しいおしゃべりのひと時です。
ほろ酔い気分になったところで、次はみんなでミハエラさんのお家に移動です。
<ルーマニアの黒葡萄のワイン、僕は大好きです!>