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激辛を愛するあなたへ|読んでためになる激辛の話題

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辛い食べ物が好きな人は多いと思います。僕も辛いものは好きなので、その中の1人かもしれないかな、と思ってます。学生時代後半の80年代。カレーハウス「ボルツ」という辛さの段階が30倍まであるカレーの店でよく食べていました。カレーハウスボルツは1980年〜1990年代で「激辛カレーの店」として、渋谷、新宿を中心に繁盛したお店です。店名の由来となっているインドの「ボルツ社」から直接仕入れている香辛料は、カレーの本場インドでも食べられているものだとか聞きました。とにかく辛かった。

「辛いもの得意だぜ!」と豪語していたのですが、、

その後、スリランカに1週間旅行しました。衛生上の懸念もあって毎日ホテルで食事していました。カレー味を中心に注文して食べてましたよ。料理はけっこうスパイシーで、美味しく楽しんでいました。がしかし、、「やっぱりここまで来たからには庶民が食べているものを味わわにゃ!」と思い立ち、コロンボの街に現地のカレーを求めて、一般人の入るレストランに行こうと決心。現地で知り合った同じようなバッグパッカーの若者4人で行ったのです。

選んだレストランは、粗末なビニールのテーブルクロス、床はなく土のまま、簡単なバラック小屋のような建物です。運ばれる皿は近くなるほどに独特なスパイスの香りを漂わせます。「こりゃ、ちょっと辛いかも、、、、。」誰かが呟きました。僕も期待と不安のミックスした不思議な感情がこみ上げました。

結果は、、、今までの僕の食べたカレーは、「おこちゃま向けカレー風味ランチ」並のものだったと思い知らされました。つまり、超激辛スーパーエキストラゴールドEXだったのです。(気がつけば心の中で、「許してください!もう辛いの得意って言いません!と応答するはずのないカレーに語りかけていました)「この危険な物質」を口に入れて、4人とも5分くらいはうつむいて無言だったのを覚えています。

タイ料理も好きです。一般的なタイ人が食べるような料理は、「普通に」食べられます。スパイシーなタイ料理、その中でも、辛いと言われているイサーン地方の料理に挑戦した時には圧倒されました。タイ風のソーセージを持ってきたタイ人のシェフに「これは辛いよ」と言われました。彼の不敵な笑いが気になります。結果は、、、「辛味が辛い!」と叫んでしまいました。(間違った日本語、重複表現)ビールを一気に飲んでしまい、隣の人のビールも奪い取りそうになりましたよ。

人はなぜそこまでして辛いものを求めるのか、、、、

その「激辛」について考察してみたいと思います。

激辛ブームの下地

激辛ブームは江戸時代にさかのぼれます。内藤新宿(現在の新宿区新宿御苑)で栽培される唐辛子が佳品(かひん、つまりよい品物)とされました。そして、「内藤唐辛子」「南蛮胡椒」と呼ばれ、江戸っ子の珍味とされたみたいです。
江戸時代の行商人の姿と売り声を書いた曲亭馬琴の「近世流行商人狂哥絵図」の中に「七味唐からし売り」の売り声が記録されています。

とん/\/\たうからし
ひりゝとからいは さんしよのこ
すわ/\からいは こしようの粉
けしの粉
胡麻のこ
ちんひの粉
とん/\/\たうがからし

どんな節をつけていたのでしょうね。

第1次激辛ブーム

1986年の新語・流行語大賞は「激辛」でした。

その火付け役になったのは湖池屋の「カラムーチョ」だというのが定説です。「カラムーチョ」は、1980年代の半ば1984年に発売が開始されました。その当時、80年代といえば、コンビニが続々とできた時代です。コンビニで販売したことを契機に若者を中心に爆発的に人気を集めたのですね。

第2次激辛ブーム

90年代です。タイ料理ベトナム料理が流行しました。そういえば、これらはスパイシーな料理が多いです。エスニック料理のブームですね。

第3次激辛ブーム

2003年(~2010年くらい)が第3次激辛ブームと言われているそうです。東ハトの「暴君ハバネロ」や、激辛の蒙古タンメン中本などが話題になりました。

人はなぜ激辛を求めるのか

激辛は心地よさというものとはかけ離れた「刺激」、いや「痛み」とさえ言えると思います。人というのは、楽しいことや楽をすることを好みます。しかし、みな苦痛を避けたがるものなのに、どうしてこうした自虐行為ともいえる「激辛食べ」をやめないのでしょうか

「良性の自虐」

米国ペンシルバニア大学文化心理学者のポール・ロジン教授はこうした行為を「良性の自虐」と呼んでいます。自虐行為を通じて快楽を得る状態を指し、「残酷であればあるほど」喜びを感じるのだそうです。

ロジン教授は同僚と共同執筆した論文の中で、「一連の消極的行為を行う時、人の身体と大脳は脅威を感じる。しかしその後、実際には危険はないとわかると、「心が体を超える」(mind over body)ような一種の快感を感じる」と述べています。

「心が体を超える」?

身体の苦痛を超える心の快感とでもいえるでしょうか。確かに、激辛食品を食べる前には「ちょっとひるみます」。これは、身体と大脳の反応ですね。食べ終えると、「あ〜美味しかった」というのと、ある意味、変な達成感があることを感じます。これが、「心が体を超える」(mind over body)でしょうか。

身体の生理メカニズムから

生理メカニズムから言えば、身体は苦痛に直面すると、エンドルフィンという天然の鎮静剤を分泌します。モルヒネの受容体が結合し、モルヒネやアヘンのような鎮痛作用や多幸感をもたらすのだそうです。人の快楽を感じるシステムと苦痛を感じるシステムは密に連携しており、苦痛の刺激を受けると、快楽システムも活性化し、これが苦痛でありながら快楽を感じるという状態をもたらしているのだそうですよ。

そうなんだ!だから我々を激辛食に走らせる自虐行為のメカニズムがそうさせているのですね。

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