2021年8月、友人の船に乗って、錦江湾で釣りをしました。狙いは鯛です。鯛と一緒にイサキも釣れて刺身にしました。今回は皮もおいしいお魚なので、皮霜作りにしました。その作り方もご紹介します。
今回作った鯛とイサキの刺身
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錦江湾(鹿児島湾)
鹿児島湾(かごしまわん)は、鹿児島県の薩摩半島と大隅半島に挟まれた湾である。鹿児島県内では、錦江湾(きんこうわん)とも呼ばれ、専らこの名称が浸透している。湾の北部には桜島が位置する。1914年(大正3年)に「桜島大正大噴火」で、桜島と大隅半島は陸続きとなった。
そうなんです、鹿児島では「錦江湾」の方がよく使われています。鹿児島で、この湾のことを鹿児島湾と呼んでいる人はほとんどいません(僕は聞いたことありません)。以下、錦江湾と書きます。
いまさらですが、鹿児島県の場所は
地図では分かりづらいのですが、離島が多い県です。
鹿児島県は、離島人口(159,486人)及び離島面積(約2,474㎢)、有人離島数(人が住んでいる離島数)が26という全国でも有数の離島県です。
錦江湾内で釣った場所
今回は、友人の船で錦江湾の中、谷山沿岸から鴨池沿岸までを移動しながら釣りました。
今回、釣ったところは、おおよそ水深20から30メーターの場所です。これは、錦江湾では深いところではないのですよ。
錦江湾は深い!
日頃は何気なく 見ている錦江湾で すが,実は世界で も珍しい湾なので す。南北約 80km, 東西約 20km の細 長い内湾で,平均 水深は 117m,最 も深いところは 237mもあります。一般に 200mよ りも深いところは 深海と呼ばれます。 錦江湾は,内湾で ありながら深海を 持つ珍しい海なの です。ちなみに, 錦江湾とほぼ同じ 面積の東京湾(狭 義)の最深部は70 mほどです。
鹿児島に帰ると、必ずと言ってもいいほど釣りに行きます。錦江湾はとても起伏に飛んでいて様々な場所があり、その釣りは、その魚種の多さと、魚の大きさで特別だと感じています。
桜島は今でも噴火する
桜島は、毎日のように小規模な噴火を繰り返しています。時には、「ドン!」という大砲のような音や、「ゴォーッ」という鳴動などが聞こえることがあります。2017年には、火口から1000メートル以上の噴煙が上がる「噴火」が406回、震動や噴石を伴う「爆発的噴火」が81回も記録されているのです。僕が高校生だった70年代後半には、毎日のように桜島の噴火を見ました。このような状況なので、ちょっとやそっとの噴火では鹿児島の人は動じません。鹿児島市の人口は約60万人、福岡市、北九州市、熊本市に次ぐ九州第4位の都市です。これほどの規模の都市が、噴火活動を続ける火山の間近にあることは世界的にも大変珍しいのです。
大正の大噴火
1914(大正3)年1月12日に、桜島で大噴火が始まりました。大正噴火、または大正大噴火と呼ばれる、国内では20世紀最大の噴火です。
大正噴火では、噴火や地震により58名の犠牲者を出し、流出した溶岩は大隅半島との間の400mの海峡を埋めて陸続きになりました。
以下、桜島火山観測所所長の井口正人・京大教授の発言より
大正大噴火で地盤が1.5m下がったといいましたが、2010年にはその9割が回復しました。桜島の地下10kmにあるマグマだまりからマグマが供給されているからです。2020年には大正大噴火以前のレベルまで回復するという研究も発表されています。「令和大噴火」の可能性はあるのでしょうか。
「地盤が隆起して大正大噴火時の水準まで戻ったのは確かですが、大噴火する兆候は今のところ見られません。しかし、マグマは供給され続けているので20年以内に大噴火が起こる可能性はあります」
さて、今回の釣行中に桜島は爆発するでしょうか。
それでは出航!
午後4時に出航しました。釣るのは大体午後7時くらいまで、3時間の勝負です!
着ているのは東京オリンピック観戦のために買った空調服ベストです。オリンピックは無観客でこの空調服を使う機会はなかったのですが、これから釣り用として使います!暑い時にはとても便利。
船主の山野さんからライフベストを借りました。なぜか、HELLO KITTY(笑)。
それでは湾内移動します。
錦江湾は基本的に穏やかです。
仕掛けは
仕掛けは胴付き仕掛けです。胴付き仕掛けは、簡単に言うと、仕掛けの底にオモリをつけて、着底させて、誘いをかけることで、そこに居座る魚たちにアピールして釣り上げるという釣り方のことを言います。
エサは
オキアミとキビナゴです。
オキアミ
見た目はエビみたいで、それこそ「海老で鯛を釣る」感じですね!しかし、オキアミの標準和名はナンキョクオキアミといい、遠く南氷洋に生息する動物性プランクトンなんです。
オキアミは南極の生態系を支える非常に大きな役割を果たしている生物なんです。南極には十数億トンほどのオキアミの群れが生息するといわれ、巨大な体を持つクジラをはじめ、アザラシ、鳥、魚などの貴重な蛋白源になっているのですよ。
今ではあまりに魚たちが好んで食べていることから、さぞかし古くからある定番のエサなのかと思いきや、もともと日本在来の生き物ではないのです。釣りエサとしての歴史も意外なほど浅く、1970年代に日本の大手水産会社が南氷洋で試験捕獲をし日本に持ち帰ってみると、非常に釣れるエサになることがわかり、そこから一気に人気を博して、広く日本中に流通するようになりました。現在も海の釣りの代表的なエサであり続けています。
オキアミは一般的な釣りエサとして使います。そして、オキアミはコマセとしてコマセカゴにも入れて海中にまき、魚をおびき寄せます。コマセとは、魚をポイントに集めるために撒(ま)く餌。寄せ餌(え)、撒き餌(え)ともいいます。
キビナゴ
キビナゴはタイ釣り用です。このように魚種によりエサを変えます。キビナゴはニシン科の魚なんですよ。 鹿島灘・山陰隠岐以南の暖流域の沿岸域に小さな群れを作ります。カタクチイワシと同じくらいの大きさで漁獲量は少ないです。地域地域で愛されていて食用にすることが多いです。
キビナゴ料理は、紀伊半島、四国、九州各県では名物です。
キビナゴは英語でBanded blue spratと言い、漢字にすると「吉備奈子」や「黍魚子」、「黍女子」などと書きます。しかし、この漢字になったはっきりとした由来は分かっていないのですよ。
鹿児島県ではとても珍重されています。刺身、干物、唐揚げなどで食べます。
キビナゴの刺身は鹿児島ではとてもポピュラー
キビナゴは水中でその姿がキラキラと発色するので、鯛をおびき寄せるのに最適です。
途中、桜島が小さく爆発しました!
船主の山野さんに聞くと、桜島の爆発は久しぶりだそうです。この時点での風は東向きなので、私たちのいる船の方向には火山灰が降ることはありません。
鹿児島では、桜島降灰情報は各メディアで知ることができます。
火山灰の情報
以下は、2021年8月20日の情報の一部です。書かれている時間帯にもし桜島が爆発したら、表示のように姶良市加治木地方には、上空から灰が降ってくるということになります。鹿児島の人は、こういう情報を常に気にしていて、降灰地域の人々の生活には、洗濯物(外に出して乾かすと灰がつく)、洗車(降灰の前に洗車してもまた灰で汚れる)、ジョギング(灰が入ると目が痛い)に至るまで影響します。もちろん、船釣りにも影響は大きいです。風向きが悪いと、降ってくる灰をかぶりながら釣ることになります。
釣果
真鯛:2匹
イサキ:2匹
真鯛
鯛釣りの楽しさは、その引きにあります。
鯛釣りの特徴は、ハリに掛かったあとの「三段引き」です。これは、真鯛特有の激しい突っ込みなのです。「三段引き」は、ゴンッゴンッゴンッと突っ込むような引きです。
イサキ
イサキは群れになっているので、魚群探知機で「ここにイサキがいる!」と船主さんから教えてもらいました。
良型のイサキになると強烈な引きを魅せますが、尾長グレや真鯛の様に一気に走ったり、最後まで抵抗をする事が無いです。海面近くに来ると大体引きは弱くなります。
お刺身(皮霜作り)
今回は皮霜作りにします。
皮霜作りは霜降りのひとつで、魚の皮に旨味があり、これらの皮がそのままではかたくて食べにくい場合に使う手法です。
このブログ名の元となった「料理物語」(1643)では鯛でつくるもの、として書いてあります。
作り方
1)魚を3枚に卸します
2)柵にした身の皮目を上にして盆ざるや、傾けたまな板、または抜き板に置きます
3)身に布巾やキッチンペーパーをかぶせます
4)熱湯をかけて皮が縮んだところで冷水に取ります
5)十分にひやした身の水分をふいてから切り分けます
鯛を釣った話題はリンク先にも書いてあります。淡路島の鯛の卵かけご飯の話題もリンク先にあります。明石の有名な鯛の話題はリンク先です。他にも鯛の話題は多いです。どうぞ、タグで検索してご覧ください。
完成です!