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なぜ魚は肉より悪くなりやすいの?|魚の鮮度の話題

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魚の油は体にいい?

多価不飽和脂肪酸(よく話題になるEPA、DHAなど)は体に良いとされてます。なぜ肉に多価不飽和脂肪酸が少なく、魚に多いのか。魚は海という低温の状況に生き、魚は変温動物だからです。牛の肉を低温、例えば海に放り込むとします。そうすると低い温度のためにすぐに固まってしまうんですよ。牛の肉は40°、つまり牛の体温の高さで一番働くようになっています。魚の筋肉が水温で固まるわけにはいきません。その魚の脂肪酸は低温でも結晶化することはなく、そのために、その脂肪酸の構造は非常に長く不規則に並んでいるんです。

魚の品質

魚の品質は予想できないことが多い

結果から書くと、魚こそその品質が季節によって変わるものはないのです。ライフサイクルは2つに分かれます。

1)エネルギーを蓄えて食材としても最も美味しい旬の時期 2)エネルギーを消費して移動したり、卵や精子を大量に作り出す生殖期間。

魚はどこにエネルギーを蓄える?

魚は大体は私たち陸上生物のように、エネルギーを脂肪層として蓄えることはないのですよ。筋肉のタンパク質として蓄えるのです。2)の移動と産卵の時期には、タンパク質消化酵素を筋肉内に蓄えます。そして我が身を削って次世代を残そうとします。その時期、その後の魚を料理してもまるで「スポンジを煮たような料理」になるのです。

以上の理由から、市場に出回っている天然物の魚でさえも、どこでとれたか、どの時期にとれたかで旬の時期が分からないということが多いのですよ。それを考えると、養殖の魚は管理された旬があるのでわかりやすいですね。

魚をなぜ冷やすのか

魚の肉が腐りやすいのは、熱に弱いことと関係しています。筋繊維は「低温」でよく機能するようになっています。そうはいえ低温に置いておいても腐りやすいのです。特に海の魚の筋肉タンパク質は、室温でも構造が壊れて凝固始めるのですよ。

肉より魚が悪くなりやすいのは

牛肉を冷蔵したら1週間はもちます。しかし、サバなど氷温で状態で保存できるのはせいぜい5日。タラは8日。コイは20日が限界です。これは魚が生きている海中環境と関係しています。魚は低温の住環境でも液状の多価不飽和脂肪酸(よく話題になるEPA、DHAなど)が必要です。これはすぐに酸化分解して腐敗臭をだします。さらに低温で生活する魚は、低温で機能する酵素、そして、体内にある細菌さえも低温で生きられるのです。食肉用の恒温動物(哺乳類など)の酵素や細菌は5°Cに冷やした環境では活動が遅くなることと対照的です。ゆえに、牛肉は冷やすと腐敗が遅くなるのに、魚はなかなかそれが遅くならないのです。魚は常温ではさらに腐敗が早くなります。 魚を0°Cで保存すると、冷蔵庫内の平均的な温度(5~7°C)で保存するよりも2倍も長持ちします。魚をスーパーなどで買うと、移動する間、すぐに氷冷するといいです。氷は細いかいものを、そして均一に氷と魚を接しさせるために、魚をラップに包んだ後、氷に入れると魚が水っぽくなることはないでしょう。氷冷すると魚は比較的長持ちますが、産地から店頭に並ぶまでにこの氷冷の状態でかなりの時間が経っていると考えて早めに食べる方がいいですね。都内の場合、一般に水揚げされた水産物は地域の卸売市場、次に東京都中央卸売市場などを経て店舗に回っているようです。その間には複数の卸業者が入り、またまた日数を要するのです。

例えば、九州の離島で水揚げした鮮魚の場合、都内の店舗に届くまで3~4日はかかるというからすでに時間がかなり経過しているんです。

だから、魚を買ったらなるべく早く冷やし、早めに食べましょう。

魚の肉がパサつくのは

調理した魚の肉は崩れやすいです。なぜかというと、構造組織コラーゲンが少ないことと、その構造組織コラーゲンがゼラチン化するのは主に低い温度だからです。そして肉は低温で火が通りやすいのです。なので、高い温度で調理すると加熱しすぎてパサパサになるのです。そして、特にコラーゲンをあまり含まないマスやスズキなどの魚は、パサつきやすいです。逆にコラーゲンの多いオヒョウやサメなどはあまりパサつきません。魚の筋肉に含まれる脂肪量には大きな幅があります。タラなどの白身魚は0.5%。脂ののったニシンなどでは20%です。

背よりも腹の方に脂肪は多いです

刺身を柵で買う時には自分の好みを考えてよく選びましょう。僕は脂がのっているものが好きなので、腹身の柵を買います。 尻尾の部分は美味しくないです(僕にとっては)。よく見分けましょう。

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