どぶ汁ってご存知ですか。
どぶ汁(どぶじる)は、茨城県から福島県南部の太平洋沿岸地域に伝わる漁師料理。あんこう鍋の一つでもあります。
食べ物に、「どぶ」、なんてついているので「どんなものだろう?」と、とても不思議でした。
本来は水を加えずに作るアンコウ鍋の調理法が「どぶ汁」なのです。今回はその珍しい料理を求めて大洗市まで行きました。
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本格的などぶ汁とは
生のあんこうの身は約85%が水分なのだそうです。「どぶ汁」は、アンコウ漁場の漁師たちが、船上で食べた料理です。海の上なので、当然、真水が貴重ですよね。
そこで、アンコウの水気を利用して料理したのだそうです。生のアンコウと野菜から出る水分だけで煮込むだけなんですよ。
どぶ汁を食べに「かま家(かまや)」さんに行った
「かま家」さんは、本格的な「どぶ汁」を提供している数少ないお店の一つと聞いて、予約しました。
早速、お座敷に通していただきました。「座敷が苦手だ」と伝えてあったので、座椅子を高めに設定していただいていました。心遣いが嬉しいです!
アンコウは骨、アゴ、眼球、以外の全ての部位を食べることができる捨てるところがないお魚です。見るからに新鮮なアンコウの身、水袋(胃袋)、布(卵巣)、えら、ひれ、皮、がお皿の上に乗っています。
こちらは肝です。たっぷりですね!新鮮なものなので、臭みがありません。
どぶ汁を作る
まずは肝をクリーム状になるまですり潰します。「頑張って滑らかになるまですり潰してください!」と女将さんに言われました。頑張ります!
あとひといき!
クリーム状になった肝を土鍋に広げて煎りつけます。
赤味噌を加えてよく混ぜます。
アンコウと大根を入れて、お酒と少しの醤油を加えます。「どぶ汁」にはお酒以外の水分は加えず、アンコウと野菜からでる水分だけで煮るのが本来の作り方です。
よく混ぜて、蓋をして煮込みます。
どぶ汁をここで味見
アンコウの身は比較的早く火が通るので、ここで味見をしてみます。
「濃厚で美味しい!」
他の野菜もどんどん入れましょう!
野菜とアンコウの出汁がそして何と言っても潰した肝の旨みが濃縮された濃厚な味です。
どぶ汁の雑炊
最後にお待ちかねの雑炊です!
ご飯がしっかり煮汁を吸い込んだら、溶き卵を入れます。
蓋をして火を止めたらしばらく余熱でとろとろ卵に仕上げます。
どぶ汁を作る動画
「かま家」さんでの、「どぶ汁」の動画を投稿されている方がいました。
「どぶ汁」は幻のアンコウ料理
今回の「かま家」さんの「どぶ汁」は本格的なもので、水を加えたり、出汁を加えたりしていません。
この形での「どぶ汁」は現在とても珍しいのですよ。それゆえ「幻の料理」とも言われています。
従来のどぶ汁を作る場合は生のアンコウを使用するため、新鮮なアンコウを使用しなければならない。一方、アンコウは水分の出方や肝の脂が個体ごとに異なることから慣れた人でなければ作れない。そのため1回作るために20分以上付きっきりになり、大衆向けに用意することは困難である。
そこで、大洗町を中心としてできる限り多くの人に提供する形として改良されたレシピが用いられている。この現在のどぶ汁では、鍋で生のあん肝を炒めた後にアンコウの身や野菜を入れるほか、出汁を加える。通常のあんこう鍋以上に汁が濁るほどあん肝の量が多いのが特徴で、濃厚で深みのある味わいになる。
水を加えないどぶ汁は大洗町、日立市、北茨城市など常磐沖に存在するごく一部の旅館や漁師たちの家庭などでしか食べる機会がなく、高価で幻の料理とまで言われている。
ウィキペディアより
お店のご主人と
最後にご主人と一緒に写真を撮らせてもらいました。
この「かま家」さんのご主人は、何と三代目なのだそうです! 老舗ですね。ご主人も女将さんもとても気さくで親切です。毎年来たくなるお店でした。