新大阪駅の駅弁コーナーでも売れ行きのいい「特製幕之内御膳」を買って、東海道新幹線の中で食べました。
謳い文句は、「関東、東海、関西の味を一度にお楽しみいただけます」です。
「特製幕之内御膳」は関東・東海・関西、それぞれの地域の特色を取り入れた、様々な食材をお楽しみいただけるお弁当です。 御飯は「深川めし」、「飛騨牛うま煮ご飯」、「梅ちりめんご飯」としました。煮物の炊き方は、濃い口醤油を使った関東風、薄口醤油を使った関西風とし、また、八丁味噌の味で東海を表現してみました。 東海道の味わいの旅をお楽しみください。
Contents
データ
日時:2021年7月24日
購入場所:エキマルシェ新大阪
製造者:(株)ジェイアール東海パッセンジャーズ 大阪府摂津市南別府町8-20
値段:1380円
評価:3種類の地方の味を楽しめます。しかし、苦手な地方の味が入っている場合もある可能性もあることを留意して食べるべきでしょうね。
(株)ジェイアール東海パッセンジャーズ
前身は日本食堂株式会社で、1988年6月に分社化され、株式会社ジェイダイナー東海が発足した。その後、2002年10月1日に、株式会社パッセンジャーズ・サービスと合併し、株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズに商号変更した。
東海道新幹線「のぞみ」・「ひかり」に新幹線パーサーが乗務し、車内販売を行う。その他、新幹線車内や自社運営店舗「デリカステーション」で販売される駅弁や飲料の開発・製造・販売や東海エリア内のキヨスク売店や野球場(東京ドームやナゴヤドーム等)で販売される飲食品の開発・製造を行っている。
2006年12月にはスターバックス コーヒー ジャパンとライセンス契約を締結し、東海道新幹線・在来線駅構内を中心にスターバックスの展開および運営を行っている。
なるほど、懐かしい日本食堂が前身だったのですね。近年はスターバックスとも提携しているのですね。
日本食堂、よく食堂車でお世話になりました!
エキマルシェ新大阪
在来線のコンコースの中にある「駅弁にぎわい」で今回のお弁当を買いました。
この14番のところに「駅弁にぎわい」があります。
広いので、他にも楽しい店がたくさんありますよ。
栄養成分表示
- 熱量:825kcal
- タンパク質:34.4g
- 脂質:23.1g
- 炭水化物:114.3g
- 食塩相当量:5.2g(推定値)
保存方法:25度以下保存
これ、けっこうな量ですね!
実食!
お弁当の蓋にある3つの浮世絵のことも見ていきましょう。
まずは関西風から
浪花名所図会「道頓堀の図」歌川広重(1796-1858)
道頓堀は江戸時代のはじめ、安井道頓が自然の川を運河として整備したものです。 江戸中期にはいるとすぐに、幕府の都市計画によって、道頓堀の南側に大坂中の芝居小屋が集められ、長らく日本の芝居の本場として栄えてきました。背景に 芝居の幟(のぼり)が立ち並んでいます。
関西の味はお弁当の写真で言うと下段にあります。
内容
梅ちりめんご飯:ちりめんじゃこの味がきいてると感じました。梅の香りと酸味のおかげで、ちりめんの臭みを感じません。そして、ご飯はしっとり炊き上がっています。
(ちりめんじゃこ(縮緬雑魚)は、イワシ類(カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・シロウオ・イカナゴなど)の仔稚魚(シラス)を食塩水で煮た後、天日などで干した食品)
湯葉に粟麩(あわぶ):京都を意識していますね。湯葉は出汁が効いて食感もとてもいいです。粟麩も味がよく入っています。
(粟麩とは、生麩 (なまふ) に粟をまぜて黄色に蒸し上げたもの)
タコの柔らか煮:柔らかく煮てありますが、味が濃く感じました。夏だからでしょうか。
かぼちゃとがんもどきの煮物:かぼちゃも関西風にしてはちょっと味が濃いと感じました。がんもどきは薄味出汁の特徴がよく出ています。
黒豆:甘すぎなく、高級感を添えていると感じました。
東海風の味
東海道五十三次「宮宿」歌川広重(1796-1858)
熱田神宮で行われる神事・夜の馬追いが主題です。熱田神宮は三種の神器のうちのひとつ・草薙の剣が祀られていることで知られ、江戸時代にも信仰を集めていました。
内容
飛騨牛うま煮ご飯:肉は少量ですが柔らかくさっぱりした味です。ご飯は冷たくても美味しく炊けています。ちょっと硬めです。
海老フライ:庶民の味という感じ、ソースがたっぷりの中京の味ですね。もともと愛知県民は海老が好きで、お祝いの席には海老料理は欠かせず、駅弁でよく「天むす」を食べ、手土産の定番の「えびせんべい」も有名だそうです。(注意!名古屋人はエビフライのことを「エビフリャ~」とは言いません/筆者、名古屋の飲食店で確認済)
味噌カツ:これは八丁味噌にカツの相性がよく、味が大変深いと感じました。
大根の田楽:八丁味噌の味が強すぎると感じました。名古屋の味噌文化の味とは思いますが、僕には個性、地方食が強すぎる感がありました。
鶏肉煮物:う〜ん、鶏独特の臭みはなく食べにくくはないのですが、東海の鶏肉文化のことを言いたいのでしょうか。唐突に出現したように感じました。
関東の味
東海道五十三次「日本橋」歌川広重(1796-1858)
東海道の出発地点、日本橋です。木戸を両側に描き、出発にふさわしい構図になっていますね。
内容
深川めし:生姜がきいてアサリの臭みは感じません。醤油の味はしっかり入り、アサリは柔らかく煮てあります。
煮物(人参/こんにゃく/椎茸/里芋):人参はほどよく味が染みています。こんにゃくの臭みはないです。里芋は僕にはちょうどいい味付けでした。
玉子焼き:僕にはちょっと甘すぎです。
焼き魚:味が薄いです。
酢れんこん:さっぱりして箸休めにいいです。
総評
3つの地域の個性を出したものを味わえます。そして、どれか嫌いでも逃げ場があります。具体的には僕は東海の味はちょっと苦手でした。(あくまでも個人の感想です。)たぶん、好きな方は多いのでしょうが、八丁味噌など個性がつよいのが理由だと思います。僕は、関西、東海、関東、の順番で食べたので、最後の関東でホッとしました(3種類のご飯の中、深川めしが一番好きでした)。
値段は1380円と高めですが、食品の種類の豊富さに見合っていると感じます。
あれも食べたい、これも食べたい、と迷う人(僕の妻のような)は、この一箱で満足できるものでしょう。
お弁当の中身をランダムに食べることもできますが、それでは、このお弁当の趣旨(言わんとすること、3つの地域の味)が不明確になるので、あまりオススメできません(でも、食べ方は自由!です)。
おすすめの食べ方
下段(関西)から中段(東海)、上段(関東)へ。味が薄い→濃い(こってり甘辛)→まあまあ濃い
ちょうど、新大阪から東京に向かう新幹線だったので、食べる方向性も一緒でした。