2022年、11月東京駅である駅弁に目を惹かれました。それが今回の「九州巡り旅弁当」です。
鹿児島出身の僕はどうも「九州」と書いてあると興味を持ってしまいます。食べ慣れた味に出会えるという期待もあるでしょうね。
パッケージを見ると鉄道開業150周年記念と書いてありますね。
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Contents
鉄道開業150周年
日本初の鉄道は、1872年(明治5年)10月14日に新橋~横浜間で開業しました。そして2022年10月14日、日本の鉄道は150周年を迎えたのですね。
駅弁のはじまり
この時点では駅弁というものはありませんでした。日本初の駅弁として定説となっているのは、1885年(明治18年)7月16日、日本鉄道から依頼を受けて「白木屋」という旅館が販売した駅弁なのですよ(諸説あるものの、この弁当が駅弁の発祥と長く言われてきました)。この日に開業した日本鉄道宇都宮駅で販売され、「おにぎり2個、たくあん2切れ」を竹の皮に包んで5銭という内容だったそうです。(現代では1000円くらいでしょうか、、ソバが一杯1銭でした)
駅弁発祥なぜ宇都宮?
宇都宮は江戸時代には宇都宮藩の城下町として、また日光街道・奥州街道の宿場町としてにぎわいました。参勤交代や日光東照宮の造営などにより往来も多く、「小江戸」と呼ばれるほど繁栄しました。
日本鉄道の上野~宇都宮間(現JR東北本線)が開通したころ、宇都宮駅は町外れの野原のど真ん中にあり、駅と町を結ぶ道路さえなかったようです。そこで、「白木屋」の経営者だった斉藤嘉平は、黒ごまをまぶしたにぎり飯2個にたくあん2切れを添えて竹の皮に包み駅弁を作ったようですね。
駅弁から軍弁へ
宇都宮には明治17年に栃木県庁が置かれ、同22年に町制、同29年に市制が施行されました。以後、県内の政治経済の中心となり、また、第14師団が置かれて軍都として栄えました。
師団の人数は平時と戦時で大きく異なるものの、1万人ほどであるのが一般的です。大きいですね。それゆえ、師団がくれば、その1万人が必要とする食料や日用品、その他の消費が必要となります。
特に、明治27(1894)年に日清戦争、同37(1904)年に日露戦争が起こると、鉄道は旅客を運ぶ交通手段から、軍事物資と兵隊を運ぶ輸送手段へと変わっていったのです。軍の主要施設は宇都宮のように、交通の要綱である主要駅近くに置かれました。
その影響で、駅弁業者には軍部から弁当の注文が殺到、「軍隊弁当(軍弁)」が誕生したのです。
初めて鉄道に乗った日本人は
初めて鉄道に乗った日本人は誰かというと、これは記録に残る限りでは「ジョン万次郎(中浜万次郎)」といわれています。
中浜万次郎は土佐国出身の漁師でした。そして、乗っていた漁船が遭難して仲間と共に無人島に漂着します。アメリカの捕鯨船に救助されて、1840年代のアメリカで英語、数学、測量、航海術、造船技術など近代的な学問を学んだ人物だ。彼は1851年(嘉永4年)に帰国すると、薩摩藩主・島津斉彬に蒸気で走る「レイロヲ(レイロー/railroad)」について報告しています。
「九州巡り旅弁当」のデータ
日時:2022年11月21日
購入場所:東京駅「駅弁屋 祭」
製造者:松栄軒 鹿児島県出水市上鯖渕532-5
値段:1580円
販売期間:10月1日〜12月31日
松栄軒
「九州巡り旅弁当」は松栄軒の作ったものです。
株式会社松栄軒(しょうえいけん)は、鹿児島県出水市に本社を構える弁当(主に駅弁)・仕出し業者。
キャッチフレーズは「すべて食べて頂けるお弁当」である
弁当の立ち売り販売から
本社は鹿児島県出水市にあるようです。昭和4年(1929年)に創業。鹿児島県の出水(いずみ)駅構内で、弁当の立ち売り販売を始めたのがはじまりだそうです。歴史ある会社ですね。
この写真の立ち売り箱(肩掛け弁当入れの箱)に、「松栄軒」と読めます。旧国鉄出水駅でしょうか。よくこういう写真が残っていたと思います! 素晴らしいですね。
弁当の立ち売りって読んだ時に、とても懐かしく感じました。そういえば、小さい頃によく汽車(電車ではない)に乗って、鹿児島市から旧大口市(父の故郷)に行く途中の停車駅でお弁当を買いました。その時には、お弁当の立ち売りの人がいましたよ。
「九州巡り旅弁当」実食!
クリアファイルが入っていた!
鉄道開業150年記念『復刻』駅弁企画に参加している駅弁には、クリアファイルがついているようですね。
クリアファイルには「横浜海上蒸気車鉄道之図」歌川広重(3 代)明治 4 年 横浜開港資料館蔵 鉄道開業の前年、明治 4 年(1871 年)の作品。 築提を走り横浜停車場へ向かう列車と横浜港内に停泊する黒船が描かれています。 翌年に開業を控え、人々が鉄道に大きな期待を寄せていました。
裏面に鉄道開業150年記念『復刻』駅弁企画に参加している会社がずらりと並んでいます。出水駅「松栄軒」ありました!
これは鉄道開業 150 年を記念し、『復刻』をテーマにした記念駅弁だ
一般社団法人 日本鉄道構内営業中央会(東京都千代田区、会長 野並直文)会員の駅弁業者 31 社は、鉄道開業 150 年を記念して『復刻』をテーマにした各社の記念駅弁を 2022 年 10 月から 期間限定で販売いたします。
各社の記念駅弁には、横浜開港資料館(横浜市中区、館長 西川武臣、公益財団法人横浜市ふる さと歴史財団運営)とのコラボにより、歌川広重(3代)が鉄道開業前年に想像で描いた同資料館所 蔵の錦絵「横浜海上蒸気車鉄道之図」をデザインしたミニクリアファイルが数量限定で添付されます。
鉄道と共に長い歴史を歩んできた全国の駅弁各社の「復刻」駅弁をお供に、素敵な旅をお楽しみく ださい。
お弁当の中身
蓋を開けると、たしかに九州の名物が並んでいます。
それではお弁当の中身の一つづつ感想を書いてみましょう。
福岡/とりめし:鳥の臭みのない食べやすいものでした。南九州の地鶏以外は苦手なのですが、これは美味しく食べました。
福岡/辛子明太子:お馴染みの味です。味付けも辛すぎずほどよいと思いました。
大分/中津風からあげ:鳥の唐揚げです。美味しく味付けされています。にんにくたっぷりの下味をもみ込んであるものです。
長崎/焼売:長崎の中華街を意識していますね。味は平均的なものと感じました。
佐賀/佐賀牛焼肉:たいへん味が深いと感じます。ごぼうが一緒に炊いてあって、肉ととてもよくあっています。
熊本/辛子高菜:これはとても好きな味です。僕は高菜は好きです。少量ですが、入っていて嬉しく感じました。
宮崎/宮崎牛すき焼き:これもご当地牛肉ですね。柔らかく臭みが感じられません。
鹿児島/黒豚角煮:味はちょっと濃いと感じました。しかし、「松栄軒」得意の黒豚、豚のうまみが感じられます。甘さは控えめです。ご飯によく合うと感じました。
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総評
出身地鹿児島の会社のお弁当ということで応援する気持ちはとても大きいのですが、、、、ちょっとこのお弁当様々なものを詰め込みすぎと感じました。美味しいのですが、見た目がいまひとつ。そして、実際の品数は上記のものよりももっと多く、九州出身の人でも食べただけで品目を特定できないかもしれないと思いました。詰め込みすぎの感があるし、仕切が少なく見た目に整理されていない感じなのです。
それでもなお、//美味しいお弁当//だということは、重ねて書いておこうと思います。
パッケージより
昭和初期の掛け紙を使用しているようですね。風情があります。
ご注意が興味深いです。こういう風に書いているということは、窓から様々なものを投げ捨てる人がいたということですね。時代を感じます。