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今回食べた駅弁「長崎街道」
パッケージは紐でくくられていて、昔ながらのお弁当という雰囲気がします。おかずの種類が多いです!
\数々の名店で料理長を務めた料理人が創り出す博多水炊き・九州の逸品/
今回乗ったJR九州「さくら」407号
「みずほ」「さくら」「つばめ」は、山陽・九州新幹線の列車種別の愛称です。山陽・九州新幹線は新大阪〜博多〜鹿児島中央間の路線で、その列車名が「みずほ」「さくら」「つばめ」の3種あります。なお、山陽新幹線は「のぞみ」「ひかり」「こだま」もありますので、6種の列車が走っています。
「みずほ」の次に速いのが「さくら」で、「さくら」は「ひかり」と同格です。各駅停車が「つばめ」です。「つばめ」は「こだま」と同格です。「みずほ」「さくら」「つばめ」の3列車で異なるのは停車駅と所要時間で、車両や座席はほぼ同じです。
800系1000・2000番代に乗った
模様だけでなく、車両ごとに座席モケットの素材と妻壁のデザインも異なります。今回は本物の金箔の壁と伝統工芸を展示している新800系2~4号車です。シートは赤系の布地が美しい西陣織風。新800系は各号車で座席の柄が異なっているんですよ。
列車が入ってきました
車内に入ると「おお〜」っと感動します。
うわさの金箔工芸があります
美しい!もちろん、座った席は金箔の真後ろ、そう、1番です!
長崎街道とは
戦乱の時代が終わり徳川幕府が誕生した時代、五街道が整えられました。以下がその五街道です。
- 東海道
- 中山道
- 日光街道
- 奥州街道
- 甲州街道
そして、それに付随して脇街道が作られました。脇街道は、各藩の大名に管轄を任せていたため五街道ほど整備は行き届きませんでしたが、諸藩の経済や文化の発展に大きく寄与したのです。それぞれ街道には、宿場、関所、一里塚などが整えられました。その中で、豊後小倉と長崎を結ぶ長崎街道は、九州唯一の脇街道だったのです。
長崎街道
長崎街道は山陽道につながる脇街道です。小倉から長崎までの57里(約224km)が25の宿場で繋がれていたのですよ。25箇所の宿場がありました。その中で、福岡藩の黒崎・木屋瀬(現在の八幡西区内)、飯塚(飯塚市内)、内野(筑穂町内)、山家・原田(筑穂町内)の各宿は、筑前六宿と呼ばれ、大変な賑わいを見せたのです。
鎖国時代、長崎は海外の文化や技術が入ってくる唯一の窓口でした。参勤交代の大名も出島のオランダ館長・カピタンもこの道を歩いています。
出島の三学者も歩いた!
- ドイツ人の医師エンゲルベルト・ケンペルは2度江戸に参府し、帰国後「日本誌」(The History of Japan)(抄訳したものが『江戸参府旅行日記』)を刊行しました。
- オランダ商館の医師で植物学者でもあったカール・ツュンベリーも江戸に参府し、帰国後は『日本植物誌』を刊行。『江戸参府随行記』では「この国の道路は一年中良好な状態であり、広く、かつ排水用の溝を備えている」と、日本の街道を賞賛しています。
- 文政9年(1826)にはフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトもオランダ使節江戸参府随員としてこの街道を通り、『江戸参府紀行』に日本に関する多くの記録を残しています。
幕末は
長崎街道が歴史上、最も大きな役割を果したのは幕末から維新の動乱期です。西欧諸国によるアジアの植民地化に危機感を持った人々が行き交う道となったのですよ。
その数は数えきれないです。代表的な人は、長崎で海軍術を学んだ勝海舟、長崎に日本初の海運会社・亀山社中(のちの海援隊)を設立した坂本竜馬、倒幕運動に奔走して長崎へ向かった伊藤博文などなど。長崎街道はこれら維新の志士たちの往来を支えてきました。
動物も
象や駱駝、孔雀なども運ばれました。
長崎街道を通ってこれらは江戸に来たのですね。
お弁当を作った会社/中央軒
歴史の古い会社のようです。
- 明治25年(1892年):橋本頼三が八坂甚八と共に「八ッ橋屋」を創業 鳥栖駅構内で弁当の立売営業を開始する
- 大正2年(1913年):神武紀之絵(こうたけきのえ)が光和軒を創業 日本で初めての鶏めし駅弁「かしわめし」の販売開始
鳥栖を拠点にお弁当屋さんを開業したのですね。
1889年、九州に初めての鉄道が敷かれました。開業したのは博多〜千歳川北岸仮停車場(久留米の手前)です。鳥栖駅もその時に開業した、九州で一番古い駅の一つです。
中央軒の前身の八ッ橋屋・1924年(大正13年)の様子
\おすすめの本/
中古しかありませんが、、、これはすごい本です。いつもこの本を持って各地をドライブしています。山川出版社「歴史散歩」×昭文社「全国道路地図」コラボ企画。各地の小さな史跡から歴史的な大きな史跡まで網羅しています。この本のおかげで驚きの出会いが何回もありました。
鳥栖駅
鳥栖駅は、九州で唯一、長崎本線と鹿児島本線が交差する駅なんですよ。駅のホームに立っていると、長崎本線、鹿児島本線それぞれの特徴を持つ特急や電車を間近で見ることができます。
九州出身の僕には馴染み深いですが、鳥栖と書いて「とす」と読めない人も多くいるでしょうね。
九州の交通結節点の役割を果たしている鳥栖市の、鉄道における中心駅であり全列車が停車する。当駅の所属線である鹿児島本線 と、当駅を起点とする長崎本線の2路線が乗り入れている。このほかに長崎本線肥前山口駅から分岐する佐世保線、鹿児島本線久留米駅から分岐する久大本線に直通する特急・普通列車も利用可能である。鹿児島本線の普通列車の運行上の拠点駅の1つでもあり、熊本方面から銀水駅以北へ乗り入れる普通列車の大半が当駅で折り返す。
データ
名称:「長崎街道」 旅ものがたり・九州7つ街道めぐり
購入場所:博多駅 「駅弁処博多」新幹線博多駅中央改札口を入り2階に上がって左手にある駅弁店舗
栄養成分表示(一折当たり)
エネルギー:758kcal
たんぱく質:35.2g
脂質:22.2g
炭水化物:80.8g
食塩相当量:4.9g
(この表示は目安です)
その他のデータ
価格:930円(税込)
製造者:株式会社 中央軒
佐賀県鳥栖市京町792番地
電話 0942-82-3166
実食!
味付けごはん:これが自慢のかしわめしですね。国産米、味付鶏肉(鶏肉、醤油、液糖、その他の味付けとなっています)さすが、鶏は味があり柔らかく好きです。
錦糸卵:あまり甘味は強くありません。
海苔:これはご飯の上に乗っていますが、ちょっとしけっているのは仕方ないところです。
煮物:(かぼちゃ・たけのこ・黄金てまり串・豚角煮・こんにゃく・れんこん・椎茸・ふき・人参・その他)
煮物はどれも薄味で、出汁が効いています。
焼鮭:これも薄味で食べやすいです。鮭の旨味を素朴に感じます。
牛焼肉:醤油ベースの味付けが好きでした。
焼麦(しゅうまい):これは、中央軒の別なお弁当「焼麦弁当」にもあるように、中央軒の代表的な一品です。
有頭煮えび:大きさもちょうどよく美味しく感じました。
がんもどき:出汁がよくしみています。
羊羹:これは、食後にコーヒーと一緒に美味しくいただきました。
びわ:コンポートでしょうか。珍しく感じました。
チェリー:デザートとして美味しく食べました。
うみたけ粕漬:殻の長さは8センチほどの二枚貝の粕漬です。この海茸という貝は水管がその3倍ほどもあり、常に貝の外にでています。この水管の部分を、有明海沿岸では刺し身や酢の物にして食べられてきました。特に佐賀県ではこの海茸の水管の部分を粕漬にしたものが、お酒のつまみとして珍重されているそうですよ。味はまさしく珍味。磯の香りが粕漬にぎゅっと入っています。
山ごぼう漬:漬物でおなじみの山ごぼうは、モリアザミというアザミの一種です。食感がよく、ご飯のお供にもいいし、お茶請けにもいいと思いました。
こだわりの2品
かしわめし
1913年(大正2年)に発売開始した、鳥栖の中央軒のかしわめしには定評があります。かしわめし弁当としては日本で一番早く誕生したものであるらしいですよ。刻んだ鶏肉と錦糸卵・海苔を載せる様式です。
焼麦(しゅうまい)
見慣れない「焼麦」ですが。「これ、なんて読むんですか?」と店員さんに聞いてしまいました。実は「焼売」は広東語で、「焼麦」は北京語。九州では北京語の方をよく使うのだといいます。九州出身ですが、僕は知りませんでした。昭和31年から発売しているようです。
駅弁焼売業界では東の「崎陽軒」、西の「中央軒」と呼ばれるらしいですよ。東西焼売界の横綱同士ですね。
総評
伝統のかしわめしと、焼麦(しゅうまい)は「さすが」と唸らせる味でした。それにしても、品数の多いおかずたっぷりのお弁当で、大満足です。この値段で提供できるというのも、並々ならぬ企業努力を感じました。
長崎街道沿道、有明海沿岸の品々、ありし日の街道を偲ぶ味でした!
\数々の名店で料理長を務めた料理人が創り出す博多水炊き・九州の逸品/