今回作った「春菊(菊菜)の胡麻和え」 器は萩焼/酒器は丹羽立杭焼
今回ご紹介する胡麻和えは私が日本料理修行中に師匠に教わった物です。これが本当に美味しくて私のお気に入りのレシピです。
自慢のレシピなので、どうぞ作ってみてください。
必ず何度も食べたくなりますし、誰かに作ってあげたくなりますよ。
今回は春菊を使った胡麻和えです。春菊の独特の香りと胡麻の香り、胡麻衣のクリーム状のねっとり感が良く合うんですよ。
\これ、使ってます/
絹こし胡麻(白)とは優良白胡麻の皮をとり去りクリーム状になるまで摺り潰したもので、何の混ぜ物もない純良胡麻です。
Contents
春菊・菊菜のこと
春菊と菊菜、同じものと思ってらっしゃいませんか。実は、私もそう思っていました。よく調べたら、違う種類なのです。
東日本では春菊、西日本では菊菜と呼ばれ、品種も異なります。九州・中国地方では大葉系、関西では中葉系、関東以北では小葉系と栽培品種にも特色があります。
販売形態は西日本の中葉系は根元から株ごと販売されるのに対し、東日本の小葉系は茎から摘み取ります。主な産地は大阪市場では大阪府、東京市場では千葉県となっています。
なんでうまくいかないの!?
当たり鉢(すり鉢)を持ってない
すり鉢がない場合は、いりごまの代わりにすりごまを使ってください。
この場合、ボウルの中で胡麻衣を作ります。
料理人の世界では、すり鉢をなぜ当たり鉢というか?それは以下をご覧ください。
春菊が水っぽい、またはしょっぱい
和え物のいちばん大事なポイントは、美味しい物と美味しい物を合わせることです。
春菊を美味しいお浸しにしておき、胡麻衣もそのまま舐めてもちょうど良い味にしておく。
そして美味しい物同士を合わせるのですから美味しいに決まっています。
茹でたままの春菊をしょっぱい胡麻衣で和えてしまうと、口に入れた瞬間はしょっぱいけど、噛んでみると食材の中から水が出てきて水っぽい味になった、という事になってしまいます。
野菜を茹でたあとはしっかり絞って水気を切って、それからじっくり浸し地に浸しましょう。もっと丁寧にする時は、少量のつけ地にサッと浸けて絞った後(仮漬け)改めて漬けなおし(本漬け)ます。
美味しいお浸しになってから胡麻衣で和えてくださいね。
野菜の色がキレイにならない
葉物野菜の緑色はクロロフィルです。クロロフィルは加熱によって褐変するので加熱時間が長いと褐色になっていきます。加熱時間を短くするには湯温が下がらないよう、お湯の量を多くする事と強火にすることが大切です。
また、茹で上がったらすぐに冷水に落として冷まし、色の変化を止めてください。
野菜がくたくたになってしまう
野菜はどんなに新鮮なものでも、買って来た時点でもう既に水分が抜けています。
多少しんなりしていても「どうせ茹でるんだから一緒でしょ!」なんて思わないでくださいね。
パリッと水で戻した野菜は、茹でた後の食感が全く違います。野菜を使う前には必ず水で戻してシャキシャキ食感のお浸しを作ってくださいね。
葉物野菜はすぐに火が通るので茹で過ぎも禁物です。
茎の太い部分、細い茎、葉先と太さによって切り分けておき、時間差をつけて茹でます。(加熱時間は、野菜の状態によって加減してくださいね)
材料
春菊:1パック(200gくらい)
浸し地
出汁:400cc
塩:小さじ1/2
薄口醤油:小さじ1/2
胡麻衣
炒りごま:5g
練り胡麻(白):20g
濃口醤油:小さじ1
煮切りみりん:小さじ1
準備
春菊
根っこの部分に砂が残っていることがよくあります。
根っこを落とし葉を一枚ずつバラバラにして洗う
水に浸けてパリッとさせる
3センチに切って、太い茎と柔らかい葉を分けておく
浸し地
出汁、塩、薄口醤油を合わせ、本漬け用と仮漬け用として、3:1くらいに分けておく
作り方
春菊のお浸しを作る
下味用の1%の塩を加えた熱湯に火の通りにくい茎から入れる
春菊をサッと茹で、冷水に落として冷ます
冷めたらすぐに引き上げて水気を絞る
仮漬け用の浸し地に漬ける
水気を絞って本漬け用の浸し地に漬ける
胡麻衣を作る
煎り胡麻を煎って香りを出す
当たり鉢(すり鉢)に入れて当たる(擦る)
練り胡麻を加えてさらに当たる(擦る)
左手ですりこぎの上を支え右手で回すとうまくいきます
濃口醤油、煮切りみりんを少しずつ加えて混ぜる
春菊の浸し地少量(5~10cc)を加えて固さを調節する
ゴムベラですくったら固まりでぽたっと落ちるくらいの固さです
お浸しと胡麻衣を和える
春菊の水気を軽く絞り当たり鉢(すり鉢)に入れて混ぜる
器に盛り付けて煎り胡麻を天に盛る
アドバイス
煎り胡麻は既に煎ってありますが、使う直前に煎り直すと香りが断然良くなりますので是非試してください。
春菊以外でもほうれん草、インゲン豆、ブロッコリーなど色々な材料で美味しく作れますよ。
お浸しを作った後の浸し地は捨てるともったいないです。
我が家では出汁巻卵、茶碗蒸し、おから、煮物などに再利用しています。
完成です!
器は志野焼です。