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食べ物のことわざ|「雨後の筍(たけのこ)」誤った使い方も広まってる?

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「雨後の筍」とは、雨が降ったあと、たけのこが次々に出てくるところから、物事が相次いで現れることのたとえです。

竹の歴史

日本で竹が生育していたという記録は、縄文時代にさかのぼるのですよ。また、古事記(712年)や日本書紀(720年)等には、タケノコが食用や薬用として利用された記録があります。

農業や漁業で使われた竹

農業でも漁業でも、竹はごく身近にあって、軽くて加工性の高い素材として竹は重要な役割うを果たしています。例えば作物の収穫に用いる背負いかごや腰かごなどが代表的なものですね。用途にあわせて自分で編んだり、職人に注文して使いやすい形や大きさの竹かごをいくつも持っていたのです。

大宮宿の絵 小さな子供が大きな竹籠を背負っていますね。

日本文化の中の竹

伝統的な日本家屋にはいたる所に竹が使われていますね。土壁には竹を芯に塗り込めてありました。また、かごやざる、花器などの日用品から玩具だけでなく、日本文化を代表する茶道や華道の道具などに使われています。

楽器に使われる竹

竹は笛や尺八などの楽器にも使われています。

そういえば笛、笙(しょう)、箏(こと)、篳篥(ひちりき)のように竹冠の漢字が楽器には多いですね。

武具で使われる竹

武道具などに用いられていますね。剣道の竹刀はまさしく竹で作られています。

竹は、私たちの生活や文化に根差した素材すね。「竹取物語」も竹がまつわる話ですね。

竹は古来から積極的に日本各地に植えられてきました。手入れの行き届いた竹林は、美しい風景ですね!

竹で有名なお寺もあります。

竹という漢字

竹は象形文字です。 甲骨文字の「竹」という文字は、竹の枝の形に由来するのだそうです。

「汉字密码」(P197、唐漢著,学林出版社)より

食用の竹は外来種だ

食用にするたけのこの竹のほとんどは孟宗竹(モウソウチク)です。これは中国原産の外来種なんですよ。伝来年代については諸説あります。江戸時代に伝えられ、戦後、たけのこを採る目的で多く植えられたといわれています。

在来種の竹

細い真竹などが日本の在来種です。孟宗竹が輸入される前の話、そう!「竹取物語」のかぐや姫はこの細い竹から生まれたのです。よほど小さいと想像できますね。

筍(たけのこ)の漢字

「筍」という字は、一旬(いちじゅん)で竹になることが由来といわれています。「旬」とは上旬、中旬、下旬というように10日間を意味します。筍(たけのこ)は約10日で成長するため、たけかんむりが付いた「筍」が、竹の若芽を指す漢字になりました。

竹+旬=筍 ですね!

「雨後の筍」という言葉が示すように、条件が整うと次々に伸び始め、1日に121センチメートルという記録もあるのだそうですよ。

筍(たけのこ)は縁起のいい食材

筍(たけのこ)前述のように成長が早いです。旬、つまり10日で竹になるほど成長が早いのですね。そして、天を貫くように真っ直ぐ伸びていきます。そして、次々に群生することから「成長」「立身出世」「家運伸長と繁栄」を象徴するとされています。このように縁起のいいことから「おせち料理」や「端午の節句」のお料理などで筍(たけのこ)は見られますね。

「雨後の筍(たけのこ)」の使い方

  • 若者の間では、雨後の筍のように新しい言葉が生まれており、流行語になることも珍しくない。
  • 大人気のカフェをまねて雨後の筍のごとく似た店がオープンしたが、ブームはあっという間に去り期待外れの結果に終わった。
  • あの地域では、次から次へとコンビニが出店され、まるで雨後の筍だ。

「雨後の筍(たけのこ)」の間違った使い方

成長が早いことの意で使うのは誤りです。いくら筍の成長が早いとはいえ、こういう意味ではなく、「雨後の筍(たけのこ)」は次から次へと物事が現れることのたとえなのです。

「雨後の筍(たけのこ)」は張耒(ちょうらい)の食筍から

食筍

荒林春足,新迸龍雛。
鄰叟勤致饋,老人欣付厨。
朝餐甘飽美,放浄爲嗟吁。
惜取葛陂杖,猶堪代我駒。

不毛の森に、春の雨が満ち、新しい竹の子がはじける。という句から始まる「雨後春筍(うごしゅんじゅん)」の元になった漢詩です。

張耒(ちょうらい)とは

中国、宋(そう)代の詩人。字(あざな)は文潜(ぶんせん)。号は柯山(かざん)。淮陰(わいいん)(江蘇(こうそ)省清江市)の人。少年時代から文才を示し、遊学中に蘇軾(そしょく)に認められてその門人となり、のち蘇門四学士の1人に数えられた。若くして進士に及第したが、官界では新法・旧法両党の争いに巻き込まれて浮沈を繰り返し、官はようやく起居舎人に至った。1106年、陳州に退居して、多くの門人を指導、宛丘(えんきゅう)先生とよばれた。その詩は説理を主とし、晩年は唐の白居易(はくきょい)に倣って平淡に努め、とくに楽府(がふ)体の作に優れる。著に『柯山集』50巻がある。

[横山伊勢雄]

日本大百科全書より

「雨後春筍(うごしゅんじゅん)」

「雨後春筍(うごしゅんじゅん)」は雨後の筍と同じ意味です。

今回は「雨後の筍(うごのたけのこ)」にまつわる話でした。