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飫肥(おび)に行った
私たちは九州をドライブ旅行していました。九州に寒波が来て、鹿児島県でさえ雪が積もる、凍えるような寒い日のこと、天気予報を見ていると九州の中で一県だけ快晴のおひさまマークが付いている県があるではありませんか。
宮崎県。
そうだ、宮崎に行こう。
特に宮崎県の南東部太平洋側にある日南市は暖かくて人気のエリアです。日南市にも面白い所はたくさんあるのですが、その中でも今回は「飫肥(おび)」に行って来ました。
「飫肥」。
何て読むんだろう?
何だかわからないけど美味しいものが色々有るらしいから行ってみよう。というわけで旅はスタートしました。
飫肥(おび)ってこんな所です
日南市観光協会のサイトから引用します。
飫肥は、天正16年(1588)から明治初期までの280年間飫肥藩・伊東氏5万1千石の城下町として栄えたところです。武家屋敷を象徴する門構え、風情ある石垣が残る町並みは、昭和52年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
昭和53年に復元された大手門を中心に、松尾の丸や藩校振徳堂、伊東家の歴史を綴る貴重な資料が展示されている飫肥城歴史資料館があります。また、 商人町通りには樽を店頭に置いた商家や、格子に壁燈籠、番傘を飾った商家が軒を連ね、町を流れる堀割の清流など、江戸時代を彷彿とさせる町並みが楽しめます。
面白そうな町ですね。
また、美味しい物も色々ありそうです。
「飫肥(おび)の由来
「飫肥」と書いて「おび」と読める人は、周辺住民以外少ないと思います。実際に僕は隣接する鹿児島出身ですが、「おび」と読めませんでした。
詳しい飫肥(おび)のいわれは不明です。
しかし漢字から土地名の意味がわかりますね。
- 「飫」:腹いっぱいに飲み食いすること(「食」と「夭」を組み合わせた「飫」は、食べ飽きてぐったりとした様子を示す漢字です。)
- 「肥」:土地が肥えていること
つまり、作物や天然資源が豊富だということですね。転じて、人々が安心して暮らせる地域という意味だとも言えます。
飫肥(おび)城に行った
写真は、高さ12.3mの大手門です。飫肥(おび)城の建築物は明治6年に取り壊されていて、大手門は昭和53年に復元されたものなのだそうです。
飫肥(おび)城は伊東氏と島津氏により、103年にわたって激しくその領有権を争われた城のようです。長い争いだったのですね。
日本の歴史においてもこれだけ長期間、ふたつの勢力がひとつの城をめぐって争い続けた例は珍しいということです。現在、本丸跡には日南市立飫肥(おび)小学校(藩校の振徳堂が前身)が建てられています。1978年(昭和53年)には大手門が復元され、また、NHK連続テレビ小説『わかば』のロケ地になったことでも有名です。
飫肥(おび)藩は、九州にある藩の中では数少ない1つの家が藩の設立から明治維新まで治めた藩です。
飫肥(おび)城は廃城令により取り壊しに
明治6年明治政府はいわゆる「廃城令」を発しました。この時、飫肥(おび)城は存城処分になっていますが、残念ながら建物は取り壊されてしまいました。
全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方(ぜんこくじょうかくそんぱいのしょぶんならびにへいえいちとうせんていかた)は、1873年(明治6年)1月14日に明治政府において、太政官から陸軍省に発せられた太政官達「全国ノ城廓陣屋等存廃ヲ定メ存置ノ地所建物木石等陸軍省ニ管轄セシム」の件および、同じく大蔵省に発せられた太政官達「全国ノ城廓陣屋等存廃ヲ定メ廃止ノ地所建物木石等大蔵省ニ処分セシム」の件の総称。陸軍が軍用として使用する城郭陣屋と、大蔵省に引渡し売却用財産として処分する城郭陣屋に区分された。単に「廃城令」、「城郭取壊令」または「存城廃城令」と略されて使用されている場合が多い。
「全国城郭及び軍事に関係する土地建物は、これまで陸軍省の所轄であったが、このたび、別冊一号のとおり、陸軍が必要とする分について改めて陸軍省所轄を仰せ付けられ、その残り第二号の旧来の城郭陣屋等は廃されたので、付属の建物木石に至るまですべて大蔵省に引き渡すので、陸軍省より受け取ったうえ、処分すべし」と、全国の城郭陣屋が陸軍省所管の行政財産と大蔵省所管の普通財産に振り分けられた。
右ななめ前方に日南市立飫肥(おび)小学校(藩校の振徳堂が前身)があります。散策するにはとてもいいところでした。
飫肥(おび)杉が有名だ
立派な飫肥(おび)杉を飫肥城の中に見つけました。
宮崎県自然生まれの天然素材「飫肥(おび)杉」は、飫肥地方で約400年前から植林されてきました。飫肥(おび)杉の特徴は、樹脂を多く含んでいる為弾力性があります。湿気に強く腐れにくく、曲げに耐え加工しやすい木材なんだそうです。また、裂けにくい、折れにくいに加え衝撃や揺れに強く、芯材(赤身部分)については、シロアリに侵されにくく耐久性があります。そのため、現在では、飫肥(おび)杉は、主に柱や板などの建築用材として使われているのですよ。
ちなみに、飫肥(おび)城復元にあたっては、樹齢100年以上の飫肥(おび)杉が4本使われているとのことです。
「おび天茶屋」に行った
今回、飫肥(おび)の美味しい郷土料理を頂くため「おび天茶屋」に伺う事にしました。飫肥(おび)城のすぐ近くにあり、観光客も多く利用しているようです。
お店の外観はこんな感じで、歴史を感じる風景とよく合っていますね。
飫肥(おび)城はすぐそこです。
店内では飫肥(おび)天の実演販売もされていて、揚げたての飫肥(おび)天をテイクアウトする事もできます。
おび天茶屋の情報
電話:0987-25-1918
住所:宮崎県日南市飫肥4-2-15
営業時間:[月~金] 9:00~15:00 [土・日・祝] 9:00~17:00
休業日:不定休
アクセス:JR日南線飫肥駅 徒歩5分
おび天定食「松」を注文した
飫肥(おび)の郷土料理を色々楽しみたかったので、おび天定食「松」を注文しました。
飫肥(おび)天、厚焼き玉子、まだか漬け、カニ巻き汁、、むかでのり、、、郷土料理のオンパレードです。
飫肥(おび)天
揚げたてのアツアツです。
食感は柔らかくてふわふわしています。
食べてみると甘い!
日本全国の海沿いに、このような魚のすり身を揚げたものがありますが、こちらの飫肥(おび)天はかなり甘いです。芋焼酎が欲しくなりますね。
宮崎県も鹿児島県と同じく芋焼酎文化なので、辛い芋焼酎に合わせる為、料理は全般に甘い味付けになっているのだと思います。
この甘い飫肥(おび)天を日本酒に合わせると、ちょっと甘々になってしまいそうです。
飫肥(おび)天は豆腐がたっぷり入っているのでふわふわしていて柔らかいです。味付けは味噌と黒砂糖で、しっかりしたコクのある甘さが特徴的ですね。
こちらも同じく日南市観光協会のサイトから引用します。
小京都・飫肥に育った庶民の味として、親しまれてきた「おび天」。
飫肥藩時代から伝わる数百年の歴史に磨き抜かれた独特の天ぷらです。
日南海岸で水揚された新鮮な小魚のすり身に豆腐(国産大豆100%使用,自社製)と黒砂糖、味噌を混ぜ合わせ、菜種油で揚げました。
ごぼう、ニラ、また季節によってはゴーヤが入ったおび天もあります。
人気の秘密は、栄養豊富なタンパク源と、やわらかい口当たり、そして風味のよさ。
茶っ濃くなるのは、黒砂糖を使用するからで、健康にも良いのです。
また、「おび天」の特徴は、豆腐や味噌を材料にした揚げ物で他に類がないこと。
野菜炒め、そば、うどんの具や、ビール、お酒の肴にも良くあう天ぷらです。
平成9年農林水産大臣賞受賞(第6回優良経営食料品小売店等全国コンクール)。
厚焼き玉子
これは食べてびっくりしました。
予想していた味と全く違っていたからです。玉子焼きというよりもプリンです。
こちらも甘い味付けなので芋焼酎のお供ですね。又は渋いお茶が合います。
厚焼き玉子は飫肥の名物で、こちらのお店の近くに専門店があります。飫肥の厚焼き玉子、美味しくて大好きになったので、厚焼き玉子屋さんを探して買って帰ることにしました。
蟹巻き汁
山太郎ガニ(モクズ蟹のことです)を細かく砕いてお味噌仕立てにしたものです。蟹を丸ごと砕いてあるので、蟹の香りがとても強いです。
むかでのり
ムカデの形に似た「むかでのり」という海藻を煮詰めて固めたものです。
見た目は刺身こんにゃくのようで半透明です。食べてみるとプルプルとした食感で、しっかりした味噌味とほのかな磯の香りがします。
この「むかでのり」は今ではとても希少な食材で、地元の方々でも普段召し上がる機会が無いそうです。その理由は、海水温や海底の環境が変わって、海藻が育ちにくくなった為です。
今では「幻のむかでのり」なのですね。
店内には樹齢約1000年と言われる楠の木でできた大きな囲炉裏があり、歴史を感じさせます。
大きな囲炉裏を囲んでのお食事も楽しそうです。