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日本で一番宇宙に近い場所つくば市
2023年秋、私たちはつくば市のJAXAを訪れました。
JAXAの正式名は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう)です。JAXAは英語名のJapan Aerospace Exploration Agency の略ですね。
JAXAは宇宙の基礎研究からロケットや人工衛星の打ち上げ、宇宙利用をすすめて防災や気象・交通や物流・農業漁業、レジャーなど産業振興も含めた技術を支える重要な役割を担っている日本の宇宙開発の中心地なんです。ということは、「日本で一番宇宙に近い場所」ですね。
筑波宇宙センターは、1972(昭和47)年開設しています。約53万平方メートルの敷地の中にはさまざまな施設が点在しています。筑波宇宙センター入口近くにあるスペースドームはJAXAにある展示館。誰でも自由に見学することができます。
展示館「スペースドーム」一時閉鎖の情報
展示館「スペースドーム」は、建屋の外壁更新作業のため、2024年6月5日~2025年春頃まで閉鎖いたします。
見学ツアー・プラネットキューブ(ミュージアムショップ)・ロケット広場は引き続きご利用いただけます。
ただし、展示館脇の駐車場も閉鎖されるため、駐車場は完全予約制とさせていただきます。
HPに情報があります。
宇宙への興味
僕は小さい時にアメリカのテレビドラマなどを見て、宇宙ってどんなところかな、とよく想像していました。よく見ていたテレビドラマの「宇宙家族ロビンソン」はとても印象に残っています。
『宇宙家族ロビンソン』(うちゅうかぞくロビンソン、原題:Lost in Space)は、1965年から1968年までCBSネットワークで放送されていた、アメリ71カ製作のSFドラマ。「原子力潜水艦シービュー号」や「タイムトンネル」でも知られるアーウィン・アレンの制作。日本では1966年から1968年にかけて、第2シーズンまでがTBS系で放送された。のちにFOXで全シーズンが放送された。
宇宙家族ロビンソン
宇宙からの帰還
そしてなんといっても立花隆氏の代表作と呼んでも良い自然科学ノンフィクションの1冊「宇宙からの帰還」。
これはすごい本だ!と思いました。宇宙からの帰還後の飛行士たちの歩んだ道はさまざま。キリスト教の伝道師になった者、実業家になった者や政治家に転身した者、長く心を病んだ者もいたとこの本の中で知り驚きを覚えました。宇宙飛行士の帰還後の人生や価値観に、宇宙体験はどのような影響を与えたのか、この本では宇宙飛行士の心の内部まで入っていきます。
とにかくすごい本でした。僕は技術的なことももちろん、宇宙飛行士の内面にはとても興味持っていたので何度も読みました。知的興奮と感動を呼ぶ壮大な精神のドラマの本ですよ。
僕の出身地も宇宙に近い!
日本でロケットを発射できるのは2箇所です。僕の出身地、鹿児島にそれらはあります。
- 種子島宇宙センター
- 内之浦宇宙空間観測所
種子島宇宙センターは液体燃料を使った大型ロケットの発射を担当。
大隅半島の東にある内之浦宇宙空間観測所は、個体推進剤(マカロニ状の中空の個体燃料を燃やす)で飛ぶ比較的小型のロケットの発射を担当しています。
「はやぶさ」を発射したのもこの内之浦、そして日本で初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げたのも内之浦宇宙空間観測所です。
JAXA に到着
敷地は広いです。まず、外にあるロケットの前で写真撮影。
JAXAでは解説ツアーを実施しています。このツアーを利用するととても便利です。
- 展示解説ツアー
- 実験棟見学ツアー
- 壁面シアター
スペースドームに入る
スペースドームの中には様々な展示物とそしてそれにまつわる数多くの情報があります。宇宙船に詳しくなくても、ガイドさんが定期的に説明してくれるので、初めての人やお子さんもわかりやすい。楽しく学べる施設です!
こんなこともできます!
ミュージアムショップに行った
スペースドーム見学の後に、JAXAのミュージアムショップに行きました。大変、興味深いグッズがたくさん置いてあります。
その中から、宇宙食を買いました。買ったのは、以下です。
- スペースカレー
- 宇宙白飯
- レアチーズケーキ
宇宙日本食
この中で、スペースカレーと宇宙白飯は宇宙日本食に認定されています。
宇宙日本食は、食品メーカーなどが提案する食品をJAXAが定める宇宙日本食認証基準と照らし、基準を満足している場合に宇宙日本食として認証するものです。ISSに滞在する日本人宇宙飛行士に、日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の際の精神的なストレスを和らげ、ひいてはパフォーマンスの維持・向上につながることを目的として開発したものです。
また、現在は、日本人宇宙飛行士のみに提供されていますが、今後は国際パートナーの宇宙飛行士にも、いずれ提供できるようにと考えています。
宇宙日本食は、日本の家庭で普段食されている範囲を対象としており、日本の伝統的な「和食」には限定していません。これまでに宇宙日本食として認証された食品には、焼きそばやカレーなども含まれています。
過酷な環境の中、重大なミッションを達成するために宇宙に長期滞在する宇宙飛行士の方々に、家庭で親しんできた日本の味を楽しんで欲しい、という願いで開発されたのですね。
地上にいる私たちも、同じように宇宙日本食を頂けるので、宇宙飛行士と同じ味を楽しむことができるのです。嬉しいですね。
早速頂いて、宇宙を旅する宇宙飛行士の気分になってみましょう!
宇宙食実食!
スペースカレー
まずはスペースカレーを食べます。
パッケージがカッコいいですね。宇宙飛行士の気分にさせてくれます。
製造しているのはハウス食品。
私の場合、ハウス食品のカレーといえば、やはり、ハウスバーモントカレーですが、ハウス食品には他にもたくさんの種類のカレールウや、レトルトカレーがあるようです。
今回頂いたスペースカレーは、国際宇宙ステーションでの長期滞在用に、ハウス食品とJAXAが共同開発して製品化し、「宇宙日本食」として正式認証されたそうです。
箱の裏面には、「無重力状態で食べることを想定し、スパイシーで味を濃くしました。また、うこん、カルシウムを多く含み、宇宙空間での生活をサポートしております。」と書いてあります。
無重力状態では、味覚反応が変化したり、日光を浴びないためビタミンDや、カルシウムが不足するなど、人間の身体に変化が起きるそうです。そういった様々な変化に対応して栄養を強化されているんですね。
温め方は普通のレトルトカレーと同様に湯煎で温めます。宇宙では加熱用のトレーで温めるそうですよ。
白飯の作り方はパッケージの裏に書いてありました。熱湯か水を使う方法です。今回は熱湯で15分、宇宙白飯を作ります。
白飯の準備ができました。
お皿に白飯を盛り付けて、カレーをかけます。
出来上がりです!
宇宙白飯
こちらはJAXAと尾西食品との協力で商品化された白飯です。実際に宇宙に持って行っている物と同じだそうです。
アルファ米なので、水、またはお湯を加えるだけで美味しいご飯に戻すことができます。電子レンジで加熱しなくていいのが便利ですね。
でも、なぜ加熱しなくても食べる事が出来るのか不思議ですよね。尾西食品のホームページに、このアルファ米について説明してありました。
アルファ米とは、炊きたてごはんのおいしさをそのままに、急速乾燥したものです。
生米に含まれるデンプンは、人間には消化しにくい「ベータ化」の状態。これを加熱調理し、消化しやすい「アルファ化」の状態にして、急速乾燥しています。
「アルファ化」状態の米をそのまま冷ますと「ベータ化」状態に戻ってしまい、食べるために再び加熱が必要になりますが、 急速かつ水分をコントロールしながら乾燥させると、「アルファ化」状態を保てます。 「アルファ化」状態の米に、水やお湯を加えると、まるで炊きたてのような食感とおいしさのごはんが戻ってくるのです。
他にもアルファ米の誕生秘話など興味深い話が載っているので読んでみてください。
温かいご飯を食べたいのでお湯で戻します。お湯を沸かして注ぐだけです。
待つ事15分。
開けてみると真っ白なごはん。もちもち食感の美味しいごはんです。お水で戻すと60分かかりますが、災害時など非常事態でも美味しいごはんが頂けるので、常備しておくのも良いかも知れません。
スペースカレーの味
牛肉がゴロゴロっと入っているので食べ応えがあります。マッシュルーム、エリンギ、舞茸もしっかり入っています。家庭のお母さんのカレーのように、人参やじゃがいもは入っていません。
味は甘めでスパイスの効いたしっかり目の味付けです。インド料理屋さんのカレーではなく、どちらかと言えば家庭のカレーと洋食屋さんのカレーの中間のような感じです。
レアチーズケーキ
パッケージから出して並べました。
食事の後はやはりデザートが欲しくなりますよね。
今日のデザートはレアチーズケーキです。
こちらは水で戻したりするわけではなく、そのまま食べられます。フリーズドライで乾燥しているのでとても軽いです。見た目は白くて四角いクッキーといった感じでしょうか。カチカチなのでもちろんフォークは刺さりません。
このままかじって頂きます。
サクサクした食感が、レアチーズケーキとはかなり遠い感じです。ところが、このパサパサのクッキーが口の中で溶けると、あら不思議。レアチーズケーキに変身します。面白いですね、味はレモンの効いたレアチーズケーキ、そのものなのです。
他にも色んなデザートがあるので試してみたくなります。
災害食としての宇宙食
災害食としての宇宙食
宇宙日本食は決して、宇宙のためだけのものではありません!
宇宙食と災害食には常温での長期保管など、その必要な特性に多くの類似点があることから、宇宙日本食に認証された食品は、簡易な審査で日本災害食学会が認証する「日本災害食」に認証されることになりました。
宇宙日本食の地上生活での活用が期待されます。
確かに、宇宙での生活と災害時の生活には共通する部分があります。冷蔵庫での保存、洗浄や加熱調理が難しいことや、ゴミの処理だけでなく、生活者の身体的、精神的な問題など、類似性がありますよね。
私が阪神淡路大震災を経験した時、毎日固くて冷たいおにぎりを頂いていました。当時はそんなおにぎりも有り難かったのですが、非常時であっても食事は美味しい方がいいに決まってます。
今回、宇宙食について調べてみて、色々な工夫をされていることや、様々な種類があることを知りました。
しかも食べてみると美味しいのです。これから先も、災害は想定されるので、備えておくことは大切です。
他にも食べてみたい商品がたくさんあるので、楽しみながら試してみたいと思いました。
動画でもどうぞ
日本の宇宙飛行士、野口 聡一さんが宇宙日本食について話しています。