今回食べた「薩摩黒膳かんぱち弁当」
鹿児島中央駅
2021年夏、鹿児島にいきました。その時に鹿児島中央駅の「さつまち鹿児島中央駅みやげ横丁」で見つけたお弁当です。リンク先に場所は書いていますので、ご覧ください。
ちなみに、タイトルの「わっぜぇうまか!!弁当でごわす」は鹿児島弁で、「とてもうまい!弁当です」という意味ですよ。これは、このお弁当のパッケージにも書いてあるものです。
Contents
なにげに手にとった駅弁は、すごく研究されたものだった
黒豚、黒酢、黒糖など鹿児島を代表する黒の食材と、黒、赤、紫の色素が豊富な鹿児島の野菜を黒野菜と呼び、これらの機能性を分析、健康になる食事を提案するプロジェクトが「黒膳研究会」です。「黒膳研究会」では、鹿児島大学の教員に学外の研究者も加わり、高機能食材の探求とメニューの開発を進めてまいりましたが、平成28年12月10日に、地元業者と提携して「薩摩黒膳弁当」を鹿児島中央駅のみやげ横丁で販売を開始しました。黒膳研究会の目標は、鹿児島の食材の機能性を評価することで、地域経済の活性化に寄与し、黒の食材の研究を進めるとともに、自治体や企業と連携しての情報発信も強化していきます。
すごいです。「黒」に力が入っていますね。黒!黒!黒!
なんとこの文章の中に11回も「黒」と書かれています。
ポリフェノール
薩摩黒膳弁当は、黒豚や黒米、黒酢など鹿児島の「黒」の食材を使い、カロリーや塩分低め、食物繊維多めで、ポリフェノールを一般的な市販弁当よりたくさん含んでいるようです。健康志向の弁当ですね。
鹿児島大学のキャラクター「さっつん」
よく見る「ぐりぶー」(鹿児島県のPRキャラクター、この絵だと薩摩半島上部にいる)と一緒に見慣れないキャラクターが気になります。もちろん、右側の人物は西郷隆盛をイメージしていると思います。
「ぐりぶー」は、かごしま黒豚と鹿児島の豊かな自然をイメージしています。顔は郷土の偉人西郷隆盛をモデルにしてるんですって。
見慣れないキャラクターは、、、「さっつん」だった。
平成25年7月~10月に学内公募し、最優秀賞に選ばれた「さっつん」です。大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻(博前)1年(当時)の今村 仁美さんの作品です。
「さっつん」は、鹿児島大学公式マスコットキャラクターとして活躍しています!
このデザインは、鹿児島市発祥である氷白熊からヒントを得て、大きなしろくまのキャラクターに薩摩の偉人たちの歴史を思わせる紋付き袴を着せ、頭に桜島を載せてあります。
大学から見える雄大な桜島は、見る度に「私は自分の意志でこの大学へ来たんだ」ということを思い起こさせてくれるとのことで、鹿児島大学に入学する学生が、みな桜島の噴火のように活発な学生生活を送り、薩摩の偉人たちのような素晴らしい才能を開花させることができますようにとの願いを込めて制作しました。キャラクターの名前は、薩摩の「さつ」に、西郷隆盛の愛犬「つん」を合わせて「さっつん」と付けました。平成26年3月10日、学長から表彰とお披露目が行われ、今村さんは「離れた目とほっぺたがチャームポイント。全国から愛されるキャラクターになってほしい」と喜びを語りました。
大学もこういうキャラクターを作る時代なんですね。
なぜ「しろくま」?
鹿児島にはもちろん「しろくま」は生存していません。鹿児島市平川動物園にはホッキョクグマがいましたが、、、(亡くなったようです)。
「しろくま」は、これだ!
「写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟」
「白熊」は、削った氷に練乳をかけ、その上にチェリーやレーズン、みかん、パイン、小豆、寒天と、色とりどりのトッピングをのせた氷菓子のことで、その名は全国に知られる。「白熊」は、昭和20年代に創業した老舗飲食店が発祥であるといわれている。発売当初は、白蜜、赤蜜をかけたシンプルなかき氷だったが、いちごに牛乳をかけてみると美味しかったことにヒントを得て、練乳をかけたものの、今度は甘すぎてしまたったため、改良を重ねてさっぱりとした練乳ミルク風味のシロップにたどり着いたという。
また、彩りを加えるために、アンゼリカ、チェリー、レーズンを外側にトッピングしたが、それが上から見た時に白熊に似ていたことから、「白熊」というメニュー名がついた。当時、一般的なかき氷が20円ほどだったのに対し、「白熊」は50円と高価で、庶民の憧れの氷菓となった。戦後の食糧難の時代が落ち着き、食に贅を求めることができるようになったことを象徴する料理であるともいえる。
パッケージの謎
鹿児島県の地図に色々と特産物らしきものが書いてあり、この中の数点がわからないのです。そこで、実際に製造者の城山ストアセントラルキッチンに電話をかけて聞いてみました。
結果、、、「東京の会社に発注していてこのデザインの詳細はわからない」、ということでした。う〜ん、東京の会社が鹿児島のことをどこまで知っているのか、ということがポイントにもなりますね。
僕の想像では、、、
まず薩摩半島北部から霧島市あたりに書かれているのは黒酢、そして南下して鹿児島市あたりに書かれているのは卵?、南さつま市あたりのものは地鶏、そして南九州市のあたりに書かれているものは謎の果物!?
大隅半島中部の鹿屋市あたりのものが謎!?
もちろん錦江湾に書かれているのはかんぱち!
そして奄美大島に書かれているのはソテツの実(これは城山ストアセントラルキッチンの方の話)。僕は黒糖と思いました。 ソテツの実は、古くから奄美、沖縄地域ではその実、幹から澱粉を用いられ、現在も郷土食として伝わっているということです。
このようなHPがありました。
今回パッケージの絵の詳細はわからなかったのですが、城山ストアセントラルキッチンの福山さんが一生懸命に調べてくれました。感謝します。
鹿児島とかんぱち
かんぱちといえば鹿児島!
鹿児島はかんぱちの生産量では日本でトップなのです。
かんぱち養殖生産量の日本一は鹿児島県で、全国シェアは53.0%です(2019年)。
養殖生産量1位の鹿児島県、2位の愛媛県、3位宮崎県の3県あわせて、国内生産量の約73.8%を生産しているのだそうです。すごいですね。
天然でも
さらに天然かんぱちが漁獲される主要地域として、高知県・福岡県・長崎県に並び鹿児島県も含まれています。天然物と養殖物、どちらにおいても鹿児島県はかんぱちの名産地といえますね。
僕もよく錦江湾で釣りますが、かんぱちを釣ることもありますよ。
名前の由来
名前の由来は、上から見ると目のところにある黒い線が漢字の「八の字」に見えることから、間八(カンパチ)と呼ばれるようになりました。
学名は
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属
漢字でかくと、「勘八」、または「間八」です。
かんぱちは、出世魚です
- 体長が35cm以下:ショッコまたはシオッコ
- 60cm以下のもの:シオゴ」
- 80cm以下のもの:アカハナ
- 80cm以上のもの:カンパチ
上記のように名前が変わるのですね。
データ
薩摩黒膳「かんぱち弁当」
購入場所:鹿児島中央駅 さつまち鹿児島中央駅みやげ横丁
栄養成分表示(100gあたり、推定値)
- エネルギー:142Kcal
- たんぱく質:6.2g
- 脂質:1.9g
- 炭水化物:24.9g
- 食塩相当量:0.7g
その他のデータ
- 値段:750円(税込)
- 製造者:(株)城山ストアーセントラルキッチン
- 鹿児島市下荒田4丁目6番1号
- Tel 257-3080
実食
白米(鹿児島県産):お米の甘みが口に広がります。
黒米(鹿児島県産):白米とは違い深い味わいでした。
きんぴらごぼう:出汁がきいています。甘さがひかえめだと感じました。
玉子焼き:これも甘さがひかえめです。
さつま鶏照煮:肉質は弾力があり柔らかく、脂の乗りもよい感じです。臭みもなく美味しく食べれました。
かんぱち照り焼き:甘みがひかえてあり、かんぱちそのものの味が味わえました。
かんぱちフレーク:かんぱちの香りが食欲をそそります。
かぼちゃ:自然の甘みが美味しく感じました。
黒豚角煮:これはさすが本場!とうならせる味。肉の味が濃厚で楽しめます。
さつまあげ:こちら鹿児島では「つけあげ」と呼びます。独特の甘みがあり、「これは焼酎にあうな」と感じました。
さつまいも:こちら鹿児島では「からいも」と呼びます。ほくほく感があり繊維質も感じました。
いんげん:お弁当に彩りをきれいに添えています。
煮物(大根、こんにゃく、人参、しいたけ):素朴な地方色のある味でした。
レッドキャベツ:酢の物になっています。箸休めにいいです。
酢の物:さっぱりしていて、これも魚を食べた後の箸休めにいいと感じます。
総評
かなり地方色のある素朴な力強いお弁当だと感じました。一見、お弁当は小さく見えますが、たくさんの惣菜が味わえます。黒の食材と色の濃い野菜の組み合わせで、見た目はユニークです。
かんぱちの照り焼きですが、魚の匂いに慣れていない外国人は苦手かもしれないと思いました。
値段の割にはとても内容のあるお弁当でした。